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「Freezing Conflagration」(佑樹のMusic-Room
by 岸波(葉羽)【配信2025.4.5】
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 脱出不能サバイバル・アクションホラー!!

 昨年9月に劇場公開されたホラー映画『アビゲイル』が、Amazonプライムで配信されたので視聴いたしました。

 ホラー映画で視聴者評価が3.9・・珍しく高い点数なので、個別の評価を見てみると、褒めポイント、ディスりポイントがバラバラ。

 いったいどんな映画なんだと興味を惹かれ、めったに見ない「ホラー映画」をポチってしまいました。

アビゲイル

(C)2024 Universal Studios

 端的に言えば、脱出できない「密室」の館でモンスター(ここではヴァンパイア)に襲われて脱出を図るという話。

 ところが「敵が味方か、味方が敵か」というサプライズ進行になり、最後はホッコリした気分が味わえるスプラッター映画。

 ま、自分で書いていても笑うしかない表現で、見る人ごとに評価ポイントが変わるのは当たり前。ただし、やたらグロイ演出が満載なので、苦手な向きはご注意を。

 さて、実際の内容は?

 

 誘拐した少女は、
 ヴァンパイアだった…

 映画の冒頭、少女アビゲイル(アリーシャ・ウィアー)が誰も居ない劇場でバレエの練習をしている。そこに乗り込んで来た6人の男女が、あっという間に少女を気絶させて誘拐する。

  練習中のアビゲイル

 少女を閉じ込めたのは、街はずれの淋しい場所にある古びた洋館。

 リーダー格の男ランバートは「いまから24時間監禁しておけば、父親から5千万ドルの身代金をせしめて分配する」と言い残し、少女と5人を置き去りに。

アビゲイル

(C)2024 Universal Studios

 このためにだけ集められた3人の男と2人の女は、互いの素性も知らず捉えた少女の父親も知らない。

 一人の男が少女を監禁した部屋に入り、少女から父親の名前を聞き出そうと銃で脅すと、少女が泣きながら言った名前はクリストフ・ラザール(マシュー・グード)。

  父親の名前は・・

 少女の父親がアメリカの闇の世界を牛耳る暗黒街の帝王であったことに恐れをなし、誘拐犯たちは我さきに逃げようとする。

 しかし入って来た正面玄関には、いつの間にか鉄格子が降りており、体当たりで破壊しようとすると、それがスイッチだったのか、全ての窓に鉄板が降りて脱出できなくなる。

 メンバーの一人、元軍医で現在は闇医者のジョーイ(主人公:メリッサ・バレラ)は怯えるアビゲイルの手錠を解き「24時間たてば必ず無傷で解放する」と慰める。

  ジョーイとアビゲイル

 屋敷中を手分けして探索したが、どこにも脱出路は無いとあきらめたメンバーは、少女の父親クリストフ・ラザールについて情報を共有しようとする。

 暗黒街の帝王クリストフは、正体不明の「バルデズ」という闇の暗殺者を右腕にしており、もしかすると既に5人の中に紛れ込んでいるのではないかと疑念を抱く。

 お互いに信じられなくなった5人は、それぞれに距離を置き、屋敷の中・外を警戒しながら時が過ぎるのを待つことに。

  裏切り者は誰だ?

 そうした中、メンバーのひとりディーンが最初の犠牲者となり、首なし死体で発見される。

 さて、5人は無事に朝を迎えることができるのか? 「バルデズ」とはいったい誰なのか? 5人にとって「一番長い夜」が始まる。

アビゲイル

(C)2024 Universal Studios

 そんな進行なのですが、ポスターのアオリで「誘拐した少女はヴァンパイア」と、勿体ないネタバレをしているので、「バルデズ」がアビゲイルであることは丸分かりです(笑)

 ただ、その他にも「裏切り者」が居たり、アビゲイルに噛まれてヴァンパイアとなった人物が仲間やアビゲイルに対して無双を始めたりと、敵味方が目まぐるしく代わりながら進行するのです。

最後には、ラスボスの吸血鬼クリストフ・ラザール(マシュー・グード)も登場。

イケメン俳優マシュー・グード@『ダウントン・アビー』

 序盤の、5人が互いに疑心暗鬼となりながら正体不明の「バルデズ」を警戒するシークエンスは、サスペンス映画として極上。

 ところが、最初の犠牲者が出た辺りから、いきなり血みどろのスプラッター映画となり、過去の犠牲者たちが放り込まれている汚物のプールが出てくると、もはや正視に耐えない。

  うっ・・グロイ!

 そんなグロイ場面が突如MAXで登場するので、そういう向きが苦手な方は、よほど心して観ないとダメ。

 それを苦手な僕が最後まで観てしまったのは、こんなスプラッター・グロ映画でありながら、ところどころにコメディ・タッチのシーンがあったり、肝心のアビゲイルがそんなに怖くなく、むしろ最後まで可愛さを失わないため。

複雑でしょう? だから観る人によって印象が変わる。ある人は「コメディ・ホラー」と言い切っていましたし。特に、メンバーの一人が居眠り中、ほっぺに「チン●」の落書きをされ、そのまま最後まで演技を続けるって、絶対コメディですよね?(笑)

  襲う前にバレエのステップ(笑)

 吸血鬼の攻撃って、結局、首筋を噛んで血を吸うだけなんですね。だから、ヴァンパイア対ヴァンパイアの闘いになった時、身体の小さなアビゲイルは全く歯が立たない。←(あ、旨いこと言った!)

 で、最後まで(人間のまま)生き残った主人公ジョーイ(メリッサ・バレラ)とアビゲイルは『敵の敵は味方』ということで共闘することになる。

アビゲイル

(C)2024 Universal Studios

 あ・・ラストですか? もちろんハッピーエンドですとも。(しかも、かなりホッコリする感じで)

 そんな映画なので、まず「グロイのダメな人」はダメ。そして、ホラーやサスペンス方面を極めて欲しい人には不十分。

  てへ♪(可愛い・・) 

 結果、本作は全米3384館で封切られ、公開初週末に(目標を下回る)1029万ドルの興収で、週末興行収入ランキング初登場2位でした。

 「極上」ではないけれど、そこそこに楽しめる映画・・そんなところでしょう。でも、Amaonなどで「無料」なら一見の価値あり。

 特に、ラストシーンでの、悪の帝王クリストフ・ラザールの振る舞いには、ちょっと感動するかも(笑)

 

/// end of the “cinemaアラカルト465「アビゲイル」”///

 

(追伸)

岸波

 アビゲイル役のアリーシャ・ウィアーは、本当のクラシック・バレリーナですね。そのステップを見れば分かる。

 また、主人公のジョーイ(メリッサ・バレラ)もナカナカに美しい。

 映画全体はスプラッターですが、この二人は正に「掃き溜めにツル」。(あ、また旨いこと言った・・練習曲が「白鳥の湖」だけに) ←(いや「ツル」だから!)

 思うんですがこの映画、「スプラッター要素」を無しで撮ったら、サスペンスの良作になったんじゃないでしょうか。そのくらい脚本はよく出来ているし、演技者たちも頑張っている。

 だけど、全体を見る限り、共同監督を務めたマット・ベティネッリ=オルピンとタイラー・ジレットの二人は、むしろ「グロ」の部分を撮りたかったんでしょうね・・監督を代えればよかったのかも。

 

 では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !

アビゲイル

(C)2024 Universal Studios

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト466” coming soon!

 

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