こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
「インディ・ジョーンズ」・「ハムナプトラ」を凌ぐ
アクション・アドベンチャー超大作!
Amazonプライムで、大好だったショーン・コネリーの遺作『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』(2003年)を視聴しました。
この”独自のウリがないことを暴露する”ような酷いキャッチコピー・・これを見ただけで映画に行く気をなくした人も多いんじゃなかろうか。
劇場公開当時の僕がまさにそうでした。で、興行的にも失敗。しかし…
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リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
(C)2003.20世紀フォックス映画
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主演のみならず制作総指揮を務めたショーン・コネリーが、この映画を最後に引退し、2020年に死去してしまったことで追慕の念抑えがたく、Amazonプライムにリリースされたのを機に観てみよう思いました。
さて、どんなところが良くて、どんなところが悪かったのか、この目で確認した結果は如何に?
誰ひとり、ただ者じゃない。
世界を守るのに、正義はいらない。
映画の冒頭、西欧列強が一触即発の状況にあった1899年のロンドン。イングランド銀行が、当時まだ存在しないはずの改良型戦車に襲撃されて大金が奪われる。ドイツはこの件に関与を否定。
続いてドイツの戦闘飛行船工場が、鉄仮面の男が率いる謎の軍団に襲撃されて爆破。イギリスは関与を否定。しかしヨーロッパは大戦勃発寸前の状況に。
場面代わって、ケニアで隠遁生活を送っていた冒険家アラン・クォーターメイン(ショーン・コネリー:『ソロモン王の洞窟』の主人公)に英国の使者が訪れる。
アラン・クォーターメイン
使者はアランに特殊能力を持った「超人同盟」のリーダーとなって、ヨーロッパ大戦を画策する鉄仮面の男ファントムの野望を打ち砕いて欲しいと依頼。
どうやらファントムは、西欧首脳が戦争回避を相談するために極秘会議を開催するヴェニスを街ごと破壊する計画を練っているらしい。
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リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
(C)2003.20世紀フォックス映画
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こうして糾合された超人は、冒険ハンターでライフルの名人アランのほか、ネモ船長(ジュール・ヴェルヌ作『海底二万里』の主人公)、ヴァンパイアのミナ(『吸血鬼ドラキュラ』のヒロイン)、ドリアン・グレイ(『ドリアン・グレイの肖像』の主人公:不死身)、透明人間のロドニー(H.G.ウエルズ作『透明人間』からの翻案キャラ)、ジキル博士とハイド氏(スティーブンソン作同名小説の主人公:二人で一人)の6名。
途中、助っ人の米国諜報員トム・ソーヤー(マーク・トウェイン作『トム・ソーヤーの冒険』の主人公)も7人目として参加する。
司令官「M」
さて、彼らに指示を与える謎の人物「M」のもとに集結した7人の超人同盟は、超近代兵器をあやつるファントム(『オペラ座の怪人』の主人公)の野望を阻止することができるのか? そして、ファントムの驚くべき正体とは!?
この作品の原作は、アメコミ作品『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』。ただし、映画化に当たって内容・登場人物は改変されている。
有名なヒーロー小説の主人公らを無理やり同時代に集めたごった煮的作品だが、考えてみれば、後にMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)が展開するマーベルヒーローズが集団で活躍するコンセプトのヒントになったのではないかと。
もっとも日本の「戦隊ヒーロー」や集団「仮面ライダー」、集団「ウルトラマン」などが”多ヒーローもの”として先に現れているが。
ただ、超人軍団と言っても、冒険家主人公アラン(ショーン・コネリー)とその弟子格のトム・ソーヤーの武器は単発ライフルや銃だし、ネモ船長・ドリアン・グレイの武器は剣。透明人間は情報収集だけで、ジキル博士は大猿人間ハイド氏に変身して肉弾攻撃のみ。
超兵器を扱うはずのファントム軍団は、超人軍団に合わせてなのか、銃や剣・体術のみ・・どうにも戦闘がチャッチい。
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リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
(C)2003.20世紀フォックス映画
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と思ったら、守られるだけだったミナがヴァンパイアに変身すると状況は一変。
まるで獣のような戦闘力を発揮するほか何百何千の吸血蝙蝠を呼び寄せ、それを集団ドローンのように攻撃する能力があった!・・ここは痛快でした。
ヴァンパイア・ミナ
さらに、ファントムの正体が彼らに指令を与えている「M」自身であったのが露見する辺りから面白くなる。しかもそのスパイが軍団の中に紛れ込んでいる証拠が出る。
仲間同士、疑心暗鬼に陥る超人軍団。そんな中で透明人間が”本当に”姿を消す。やっぱりアツイか!?(いや、本当はそうじゃないけど(笑))
実は「M」の真の目的は、超人軍団の科学技術(ノーチラス号)や透明人間の皮膚の秘密、ヴァンパイアやジキル博士の変身の秘密を収集解明して、彼らと同じ殺人軍団を複製して望む国に高く売ること。(世界征服じゃないんだ‥)
変身したハイド氏
かくして、超人軍団と超人コピー軍団の壮絶な闘いに・・なるはずが、ガンマンのアランやトム・ソーヤーの存在は浮いて来る。(そもそも「超人」じゃないし)
作られた2003年という時期、まだCG技術が発達していなかったこともあって、画面がいかにも古めかしい。
このように、ストーリーもお子ちゃま向けだしCGも未熟、感動や共感を誘うポイントも見当たらない・・まあ、暇つぶしに観るには派手でいい映画ですが。
カリスマ彰の表現に似て来たぞ↑
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思えばショーン・コネリーは『007』のイメージから抜け出そうと頑張ったシドニー・ルメット監督『盗聴作戦』(犯人役)や『怒りの刑事』(怒りっぽい刑事役)が悉く失敗。
ほぼ10年後に自主制作した007映画『ネバーセイ・ネバーアゲイン』(1983年)で表舞台に復活。さらに『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989年)、『ザ・ロック』(1996年)で成功を収めました。
「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」
それなのに、この『リーグ・オブ・レジェンド』で失敗した後、実質、映画から引退。まだまだ頑張って欲しい俳優でした。
実際彼には、この映画の後に『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』のガンダルフ役や『マトリックス』のアーキテクト役、そして『インディ・ジョーンズ』の父親二作目となる「クリスタル・スカルの王国』への出演オファーがあるもすべて断っています。
ガンダルフ役を受けていれば、4億5千万ドルを手にしていたはず。
白の魔導士ガンダルフ
このように一作の映画が俳優の運命を左右してしまうのは、ありがちなことです。
2014年にMovieFanaticが選出した「一部のスターたちのキャリアを潰した大コケ映画11本」の中にもこの『リーグ・オブ・レジェンド』が入っています。
この中には、『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990年)の大ヒットでトップスターになったデミ・ムーアが、6年後にストリッパー役でヌードになったのに大コケした『素顔のままで』や・・
最低映画賞(レジ―賞)を総なめにしたハル・ベリーの『キャット・ウーマン』なども。
そんな曰く因縁の作品の一つとなってしまいましたが、それでも熱演しているショーン・コネリーは痛々しいほどでした。
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リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
(C)2003.20世紀フォックス映画
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ストーリーの方ですが、ラスト近くファントムの正体「M」の真実の姿が明らかになります。
これが何と、シャーロック・ホームズと共にライヘンバッハの滝で死んだはずのモリアーティ教授。(ホームズいわく「犯罪界のナポレオン」)ここはさすがに、へぇ~となりました。
モリアーティの凶刃で瀕死となったアレン。窓から身をひるがえし宙を飛んで逃げるモリアーティ。
アレンは老眼・・
最後の力をふり絞って愛用のライフルを構えるが、悲しい事に彼の老眼鏡は踏みつぶされている。
さあ、最後の結末はどうなる?・・というところで、序盤から二重に張られた伏線が炸裂する。うん、このラストはちょっと良かったかな。
/// end of the “cinemaアラカルト404「ショーン・コネリーの遺作
「リーグ・オブ・レジ ェンド/時空を超えた戦い」を改めて観てみた」”///
(追伸)
岸波
結局、主人公アランは(ショーン・コネリー)は命を落とし、安住の地と決めていたケニアの墓所に埋葬されます。
そして生き残った5人が別れを告げて立ち去ると、序盤で「アフリカの地は貴方に死を与えない」と予言したアフリカの呪術師が墓に歩み寄って呪文を唱える。
すると、墓がモコモコとなってエンディング・ロール。
この演出は、制作陣が「続編」を想定していたためでした。しかし、予定の興行収入を得られず断念。(あらららら・・)
こういうところも「仇花」ですね。ソレを日本では「撮らぬ狸の皮算用」と言うんですよ(笑)
では、次回の“cinemaアラカルト2”で・・・See you again !
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リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
(C)2003.20世紀フォックス映画
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