こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
こんな国に、誰がした。
2007年2月から6回シリーズで放映されたNHK土曜ドラマの「ハゲタカ」がスクリーンに帰ってきました。
国内外で高い評価を受け、第44回ギャラクシー賞「マイベストTV賞グランプリ」をはじめ、数々のテレビ賞を総ナメにしたこのドラマ。
満を持して製作に入ろうとしたその時・・・!?
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ハゲタカ
(C)2009 映画「ハゲタカ」製作委員会 |
突然のリーマン・ショックが世界経済を襲い、その現実に合わせるために脚本を全面的に書き直し、登場人物も入れ替えたといういわく付きの物語。
事実は小説より奇なりとは、まさにこの事ですね。
ということで、ドミニクに解説をお願いいたしましょう。
夢見る懸賞生活のドミニクです。
面白かったので、cinemaに書きたいな~と思っていたら、劇場公開では終了してしまいました(゜o゜)。
経済に興味のある、ドミニクとアニメにしか興味のない夫。
とりあえず、映画の大好きな娘。
その3人組が、もちろん当選したチケットをしっかり持って、ワーナーに行きました。
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ハゲタカ
(C)2009 映画「ハゲタカ」製作委員会 |
「NHKのドラマでハゲタカの6話まで見た」というマリンさんに、しかも、マリンさんの誕生日の日に、職場の玄関でばったり会い、最近観た映画の中では「ハゲタカ」面白かったです~(*^_^*)♪と、言っておきながら、なかなか映画版のレビューを書く時間が無かったのですが、半月くらい経ったので、そろそろ書かなきゃと重い腰をあげた次第です。
(ほったらかしたのではないです。イベントの応募とモニターが立て続けに着たので、いっぱいいっぱいだっただけです)
観たい方はDVDが発売されたらどうぞ。
いきなりですが、「西の魔女は死んだ」で、影のそんな濃くない父親役(失礼!)の大森南朋(おおもりなお)さんが主人公でした。
私が大好きな妻夫木君主演の「涙そうそう」でも、医者役で出ていたそうです。
(気付きませんでしたが・・・・あっ出てたんだ~へぇ~(失礼すぎますね))
あと、「蟲師」では二郎役。「さくらん」、「それでも、僕はやってない」等、有名な映画に出てました。
名脇役ですが、存在感というか作品によって、演じきっているのがすごいです。
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ハゲタカ(大森南朋)
(C)2009 映画「ハゲタカ」製作委員会 |
逆に、主人公を引き立たせるために自分が前に出てこない感じが素敵な俳優さんです。
演技力の強さ、気に入りました。
最近流行の「イケメンドラマ」というわけでもなく、重鎮?的な登場で、最初は後手後手にまわってダメダメな人間かと思ったら、意外や意外。
彼が日本を買い叩くハゲタカとして、TOB買収を仕掛ける赤いハゲタカとのバトルへずんずん出陣していくではありませんか~!
(いいのか??)
見た目より、ハゲタカの両方とも、頭が切れるんです。ドミニクは、頭のいい人大好きです(^_^)/~♪
以下、ネタバレしまくっているので、作品を見てから読んだ方が良いと思います。
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ハゲタカ
(C)2009 映画「ハゲタカ」製作委員会 |
もともとNHKだけあって、最近のドラマの映画化とは全く違うテイストですね~。
絡みにふざけたものがないってゆーか、展開の読める構成ではなく、最小限の会話で成り立たせる感じです。
場面もニュースでも、みているかのようです。
若いイケメン俳優さんとは違って、このジャンルは、今の日本そのものを示していて、新ジャンルです。
その証拠にキャストも、ベテラン俳優陣で固めてがっちり系です。
まず、脇役にも、アカマ社長の古谷隆史(遠藤憲一)が、すごい無能な演技で、観ている私も、こんな人の下で、働きたくないと思ってしまうほどダメダメ社長っぷりでした。
本人がダメなわけではなく、演技うますぎますよ~。
怖い顔して、迫真の演技です。
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ハゲタカ
(C)2009 映画「ハゲタカ」製作委員会 |
映画になった部分は、ドラマから4年後。
かつて瀕死の企業を買収しながらも、嫌気がさし、海外生活をする鷲津に大手自動車メーカー「アカマ自動車」を中国からの買収から救って欲しいと芝野(柴田恭平)が、頼みにやってきます。
芝野は、ドラマを見た方はご存知ですが、主人公・鷲津の三葉銀行(みつば)時代の元上司です。
ドラマでは、鷲津が、三島(ジャーナリストの女性)の父に貸し渋りをして、三島の父が自殺してしまい、鷲津は土下座をしているのに、一緒に参列しててもしらんぷりの上司を演じていました。
(ある意味、つわものです)
柴田恭平を見るだけで、無駄に刑事ドラマを彷彿させられてしまいましたよ~。
今回の役どころは刑事ではないので、ご注意を。刑事のイメージ強すぎ(笑)。
鷲津に「どう?」と聞き込みにきたデカ風な芝野にかなり、見入ってしまいます。
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新車発表会
(C)2009 映画「ハゲタカ」製作委員会 |
オープニングの「アカマGT」という新車発表会。アカマ自動車は赤いGTをお披露目。
それを見ていた「ブルーウォールパートナーズ」。
その代表は、中国政府に頼まれ「アカマ」を買収に来た赤いハゲタカこと「劉一華(リュー・イーファ)=玉山鉄二」。
彼が受けた依頼は、アカマ自動車の経営を助けるふりをして、中国に技術を根こそぎ奪ってから、日本の企業を廃業させようというもの。
胡散臭いな~と、芝野は最初から疑っていますが、社長は経営陣を変えずにこのままでいいのにお金もだしてくれるなんて、いい話じゃないか~と株を買いあさる姿を何とも思ってません。
もはや、welcome状態。
(世の中そんなにうまい話ありません。ただより高いものはないです)
ハゲタカ鷲津VS赤いハゲタカこと劉一華では、最初、劉一華がとってもいい人に見えて、しかもイケメンだし、高いお金で株券を買い取ってくれるホワイトナイトとして優勢でした。
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赤いハゲタカ(劉一華)
(C)2009 映画「ハゲタカ」製作委員会 |
株主は言葉巧みに騙されて、「鷲津の高値で買います」には、圧倒かとおもいきや、ネットTVで告知をして、もっと高値↑で買いますよ~宣言。
しかも、劉一華により、だいぶ、株をガンガン高値で取引されました。
固定の株主が付いてなかったアカマは大ピンチ。
お互い、アカマ株を買いあさるのですが、もう、これ以上鷲津ファンドからは出せないよ~という額を劉一華は、ひょいひょいだしてきます。
バックに中国政府の議員たちが、資金面バックアップしてたんです。
それを知らないアカマ社長は、「鷲津はなにをやっているんだ!」と、怒りをあらわにします。
劉と鷲津はとある場所で接触する事となり、劉はインターンとして鷲津がホラインズンにいる時に、近くで見ていた事を知ります。
そして劉から「俺は、あんただ」と言う一言が。(どういう意味???ドミニクには理解不能)
鷲津に策はないのか??
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ハゲタカ
(C)2009 映画「ハゲタカ」製作委員会 |
「何のために戦うのか?何のために働くのか?」という映画のキャッチコピーですが、何かのために戦って、仕事をしていますか?
私は、生活のために(懸賞で)戦い、(マイホームの)税金のために働いています(笑)。
自分は企業の駒でしかないと思ったらつまらないですが、工場だったら、その商品を手に取り、喜ぶ笑顔がその向こうにあるのです。
混沌とした世の中ですが、いつかは光がさすと思います。
現状に満足しないで、どんどん突き進むことも大事ですが、ぶっちゃけ普通の生活が一番だと思っています。
普通の生活してない私が言うのもなんですけどね(笑)
(ドミニク一家は、サプライズ的な毎日をワクワクしながら進むアップダウンの激しい人生ですが)
数々の受賞に輝くドラマだけあって、ストーリー展開が面白くて・・・予想外の展開に持ち込まれた映画って久しぶりです。
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ハゲタカ
(C)2009 映画「ハゲタカ」製作委員会 |
後半代どんでん返しがきます。
ま、どっちが勝つかは想像の範疇ですが、戦略までは、考えもしなかったです。
企業買収といえば、ホリエモンが、記憶に新しいとこですが、頭脳合戦ですね。
だからもしかしたら、民間の放送局では放送できなかったのかもしれないですが、株式会社というものは、出資者あってこそ。
株主には優待券が届いたり、食品メーカーだと食品が届いたり嬉しいです。
(ドミニクは、株を持ってませんが)
鷲津は資金提供を求めて日本を離れアラブの王子に会いますが、最初は断られるものの何とか資金提供の約束を取り付けます。
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派遣工の守山
(C)2009 映画「ハゲタカ」製作委員会 |
その頃、劉うまいように劉一華にそそのかされ、集会を開こうと言った派遣工の「守山」。彼がこの作品のキーパーソンとなります。
派遣労働者問題を絡めつつの、展開で、昨今の派遣きりにあった人は特に感情移入しやすいです。
一華は、守山からもらった3ヶ月連続雇用しないで、少し休ませてから再雇用したり、アカマの「正社員にしない裏業」を社長へ突きつけます。
焦った赤間社長は、ブルーウォールとて提携します。
鷲津ファンドは今度は、スタンリーブラザースに対しTOBをかけます。でも、一杯一杯だと思います。
労働組合のように集会を起こすのですが、このまま彼に集会をされたんじゃ困ると、全員社員にするからと守山以外に言います。
結局集会は中止になり、守山は、劉一華に抗議に行きます。なんか騙された感じの守山。
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集会
(C)2009 映画「ハゲタカ」製作委員会 |
そこで、劉一華と守山が、お金をめぐって、口論するシーンがあるのですが、かなり必死に、劉一華が「お金を拾え!!!!!」と守山に急かすシーンがあって、そこは、本来は2~3秒枠だったのに、アドリブで作ったシーンだったそうです・・・。
結局ポケットにぐちゃぐちゃになったお札を詰め込んで部屋を去るのですが、守山の気持ちも分かるけど、ドミニクは見てられないです。
夫も、このシーン「自分みたいで、かわいそうで見てられない!」と。
ホント、リアルに描きすぎてます。(監督のオススメ部分らしいです)
貧困層からのし上がった、劉一華の気持ちがじっくり分かります。
なかなか自体の変化しない状況に対し、芝野は、鷲津をといただしますが、「想定の範囲内です」←これホリエモンの口癖じゃなかったですか?(笑)
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ハゲタカ
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ワシズ ファンドの優秀な部下達は劉の調査等を続行してて、在留日本人孤児三世の「劉一華」は今も中国で生きていて、実は、戸籍を買い取った別人の劉一華である事が発覚し、今度は鷲津が「お前は誰なんだ」と言う言葉に、何も言えない劉一華。
ここからは、鷲津が有利。
アカマの株争いでは、らちがあかないので、アカマのファイナンシャル・アドバイザリー(企業に対して、財務的な助言を行い、手数料を得る)スターンリーブラザーズの売った証券化商品オルトXを買い集めていて、日本の市場が閉まる直前にスタンリーブラザーズに対し200億分のオルトXの解約を申し込んだ。
わざと、株式が閉まる時間で、手持ちのお金でないと解約金を出せないように仕組む。
しかも、解約金が手元になくて、信用の失墜へ。それがネットで流れて、ますます経営悪化。
資金繰りの厳しい、スタンリーブラザーズ。
ブルーウォールは、スタンリーのために資金をどんどん出資します。
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ハゲタカ
(C)2009 映画「ハゲタカ」製作委員会 |
その後も売られまくり、アカマとスタンリーは、ぐいぐい追い込まれていく。ですが、それも限界。
そこで、鷲津は、一気にアカマ自動車の株を買います。
中国からは、ポストは約束するから、アカマから撤退しろと。
さんざんな、劉一華を今度は強盗が襲います。
任務失敗により、刺殺されたのか、本当に強盗に殺されたのかは分かりません。
ナイフで、刺されて、ヘルプコール・・・・・鷲津へ電話。会議中で携帯出れません。
奇しくも留守電で、あとで掛け返す鷲津。
劉一華。どうせかけるなら、救急車呼べばいいのに~~。
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ハゲタカ
(C)2009 映画「ハゲタカ」製作委員会 |
彼は、何を言い残したかったのか!?
田舎町で育った劉一華は、「アカマ自動車」を子供の頃畑の手伝いで見たことがあり、憧れていました。
鮮明に残る記憶。田舎にそんな高級車走ることなんてないのに、確かに見たと。
ただ、彼はアカマが大好きで、救いたかっただけなのではないでしょうか?
劉一華死殺後、会議で、アカマ自動車の社長は解任になります。
そして、なぜかアカマ自動車の社長になった芝野(笑)
手元には、劉一華の書いたブルーウォールとはまた違った再建案。
芝野の「こんな時代だからこそ、夢や希望を語れるリーダーが必要なんです」と。
400万を渡された守山は、そのお金で、もちろんアカマGTを買い、乗り回すシーン。
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ハゲタカ
(C)2009 映画「ハゲタカ」製作委員会 |
その後、鷲津は、劉一華の故郷に行きます。
「劉一華は、いったい誰なんだ?」で、エンド。
ちょっと後味悪いというか、後半詰めすぎですが、結局面白かったですよ~。
逆転してからの鷲津は、いい顔しています。
ほんと、してやったり的な感じ。
面白いので、DVDになったら、ぜひ、ご覧になってください。ドミニクでした。
/// end of the “cinemaアラカルト96「ハゲタカ」”///
(追伸)
ドミニク
NHKで全6話なのに、なぜか、2007年3月に終了したドラマが、2009年までに2度も再放送され、映画化という珍しい展開。
最初は視聴率も悪かったそうですが、私には面白すぎます!!!
膨大な額のお金が目の前で、右へ左へ動くんです。
そのせいで、人がリストラされたり、目の前で株暴落を見たり。
リアルにありそうな感じです。大手飲料メーカーの買収が最近、流行っていますしね。
ドラマ版は、観てなかったので、ぜひ、もう一度放送して欲しいです。
どうしてそんなに何度も再放送しても数字がとれるのか?
私なりに考えると、現在の不況の世の中で、ズバリ共感出来る部分が多いからでしょうね。
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !
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製作発表会にて |
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be continued⇒ “cinemaアラカルト97” coming
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