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「COOL!」(TAM Music Factory)
by 岸波(葉羽)【配信2005.7.14
 

◆この記事は作品のストーリーについて触れています。作品を実際に楽しむ前にストーリーを知りたくない方は閲覧をお控えください。

 こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。

 The Light Side to the Dark Side

 早速、見てまいりました「スターウォーズ エピソード3~シスの復讐~」

 ワーナーマイカル福島では、3館同時上映しているというのに、ほとんど空席がありませんでした。

「スターウォーズⅢ」

 しかたなく僕とケイコは前から5番目の左端という、極めて悪条件の指定席に。

 だけど、そんなことでメゲるものか! 待ちに待った封切り日だもの!

 しかして、その内容は?

 

 というわけで、とうとう初日を迎えた「エピソード3」ですが、7月9日、10日両日の観客動員は135万7977人、興行収入が18億7942万3200円という素晴らしい成績を収めました。

 これまで最高だった「マトリックス・リローデッド」の興収二日間の記録(22億2285万円)には及びませんでしたが、シリーズ6作中ではトップの成績を記録したそうです。

アナキン・スカイウォーカー

アナキン・スカイウォーカー(左)

(ヘイデン・クリステンセン)

 今回は、シリーズ4~6のヒーロー、ルーク・スカイウォーカーの実の父親であるアナキン・スカイウォーカーが、皇帝の陰謀によって心をダーク・サイドに寝返らせ、悪の権化ダース・ベイダーへに変身してしまうまでの物語。

 第二世代のエピソード4からスタートしたスターウォーズ伝説も、これでようやく一巡して、全てのストーリーが繋がるというわけです。

 しかーぁしっ!

 製作のジョージ・ルーカスが、公開前のインタビューで、「今度のエピソード3はクラいよ。」とつぶやいたと言う・・・。

 そうなんです。

 この映画は、とってもクラい内容なんです。

宇宙船の戦闘シーン

宇宙船の戦闘シーン

 しかし、映画の開始早々の宇宙戦闘のシーンは、これまでにないスピード感と迫力、音響で観客を圧倒します。

 「また、進化したか!」と、思わず唸ってしまうこと必至。

 でも、スペクタクル・シーンは全編を通してココだけ。

 後半のアナキンとオビ・ワンの一騎打ちシーンは別の意味で迫力がありますが、中盤は、妻となったパドメ(アミダラ姫)が出産と同時に死んでしまうという予知夢を何とか回避しようとするアナキンの心の葛藤が延々と描かれます。

 (あー、クラいなぁ・・。)

 でもこれは、エピソード3の宿命とも言えるでしょう。

 だって、正義のジェダイの騎士であったアナキンは、シリーズがスタートした「エピソード4」で、実の父でありながら共和国軍に加担する息子と娘を殺そうとする冷酷なダース・ベイダーとして登場しなくてはならないのですから・・。

ダースベイダー

ダースベイダー(アナキン)

←ダークサイドに寝返ったアナキン

 見ていて切なくなりました・・・。

 それは、妻パドメを救うために禁断のダーク・サイド・フォースに手を染めてしまうアナキンに対してではなく、自分のために悪に変わっていく夫を、なんとか引きとめようとするパドメのけなげな姿にです。

 皇帝の手先となって味方であるジェダイの騎士たちを裏切って死に追いやったばかりでなく、ジェダイ神殿の子供たちまでも容赦なく惨殺したアナキンを、それでも改心させようと、身重のパドメは溶岩惑星にまで説得に行くのです。

 このパドメの説得のシーンは、見ていて胸が締め付けられるような演技です。

パドメ(アミダラ姫)

パドメ(アミダラ姫)

(ナタリー・ポートマン)

 そして、もう一つ切ないのは、このクラい話をどうしても撮らなければならなかったルーカスの気持ちを考えてのこと。

 やはり映画は、1本見終わって「感動する」とか「スカッとする」とか、何らかのカタルシスを与えるべきもの。

 観客もまた、それを期待していますし、製作者だってきっとそうでしょう。

 しかし、ストーリーこそ繋がったものの、今回の「3」単独では、そうしたカタルシスは得られません。

 聞くところによれば、ルーカスはもともと一話をもって完結するつもりだったとのこと。

 あまりの好評に「2」、「3」の製作を余儀なくされ、一度は「全9話」の構想(最初の3話はエピソード4~6)まで口にしたこともあるらしい。(←後に本人が否定。)

 つまり、「後付け」のエピソードであったがゆえに、辻褄を合わせることが最重点で、親が子を殺すというギリシャ神話ばりの暗いエピソード(ルーカスに似合わない)を撮らざるを得なかったのですから。

 しかし・・・

 ケイコに言わせると、もう一つ、重要な問題があるということです。

 それは・・・スターウォーズシリーズの大きな魅力はハン・ソロのキャラクターにあったということ!

 彼は、ちょっと不良だけれども、ユーモアのセンスもあり、真面目人間ばかりの登場人物たちとちょうどウマくバランスをとっていた存在。

ハン・ソロ(EP.4~6)

(ハリソン・フォード)

(←彼の出ないスターウォーズは切ない!)

 たしかに、第四作となる「エピソード1」以降、彼のような存在がいないために、どうしてもストーリー展開が一本調子になっていますね。

 考えてみれば、僕自身も喝采をおくっていたのは、主人公のルークに対してよりもハン・ソロでした。

 彼が登場しないスターウォーズは、まるでクリープの入らないコーヒー。(←古いって!)

 ということで、映像技術や演技には大満足でしたが、いろんな意味で“切ない”想いの残る作品でした。

 

/// end of the “cinemaアラカルト17「スターウォーズⅢ」” ///

 

(追伸)2018.2.25

岸波

 新作Episode8「最後のジェダイ」の公開に合わせて、Episode1から3を見直しました。(4~6はしっかり頭に入っているので。)

 でもやはり、その第二シリーズの三作はCG技術が飛躍的に向上したとはいえ、「暗い」印象はぬぐえません。

 最後にアナキンがダークサイドに落ちる結末が分かっているからといえばそれまでですが。

 そしてやはり、このシリーズの主人公は、我ら世代的にはハン・ソロだったと思います。

 なので7以降の作品は、むしろ新しいストーリーとして楽しむことにしています・・・と思ったら、次のスピンオフ作品は「ハン・ソロ」だって!!?

 う~ん、やはりね♪

 

 では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !

コスプレ大会

スターウォーズ・コスプレ大会

(←映画館の入り口でやっていた!

やはり、ダースベイダーがカッコよかったです。)

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To be continued⇒  “cinemaアラカルト18” coming soon!

 

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