こんにちは。気付けば人生の傍らには必ず映画があった岸波です。
人類の明日をかけた戦いは、海から始まる。
ユニバーサル映画が創立100周年を記念して放つアニバーサリー大作「バトルシップ」、5月13日の夜にケイコと観てまいりました。
今回も予備知識はなし。映画の予告編をみただけのチョイスです。
(的外れな日本のプロモーションでガッカリの経験が多いため。cinemaアラカルト20「ステルス」を参照。)
日曜の夜という悪条件に加え、「テルマエ・ロマエ」や「宇宙兄弟」、「SPEC~天~」など邦画の話題作がひしめく中、さてさてお客の入りはと・・・
ええー!僕ら二人だけ!?
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バトルシップ
(C))2012 Universal
Studios.ALL RIGHTS RESERVED.
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これなら指定席にする意味なくない?
ま、一番いい場所に座ろうか。
もしかして失敗作!? ・・・心は千々に乱れますが、気を取り直してど真ん中の席に。
開演まで間があったので、最終的には、あと5~6人来ましたが、「テルマエ・ロマエ」も「宇宙兄弟」も超満員だったため、あまり気分は盛り上がりませぬ。
さて、映画のデキも駄作なのか・・・(オロオロ)
Wikipediaによりますと、映画は同名の海戦ゲーム『バトルシップ』を原案としているのだそうな。
「なるほど、コンピュータ・ゲームなのか。結構、いいストーリーのもあるからな。」
~と思いつつも念のため「バトルシップ」ゲームを調べて見てビックリ。
「ええ~!紙に書いて遊ぶペンシル・ゲーム!?」
ストーリーも何もあったものではない。単なる思考パズルでございます。うむむむむ。
これは何かの間違いではないのか?いくらなんでもそんなハズは。謎は深まります・・。
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バトルシップ・ゲーム
(Wikipediaより) |
出自はさておき、映画のストーリーですが、NASAで太陽系外に発見された地球型惑星と交信を試みるプロジェクトが立ち上げられ、「ビーコン・プロジェクト」と命名されます。
ところが、その交信に反応するかのように、系外惑星から地球に向けて謎の飛行体が五機飛来します。
折りしも、ビーコン・プロジェクトのメッセージ発信装置があるオアフ島の周辺海域では、環太平洋合同演習(リムパック)が開催され、日米をはじめ各国の巡洋艦などが終結。
そんな中で、謎の飛行体5機のうちの1機は上空で人工衛星に衝突して大破。かけらが世界中に散らばって地上は大惨事に。
残る四機は演習中の海域に落下し、リムパック艦隊が現場偵察に出向くことになります。
先行するのは、アメリカ海軍のストーン・ホッパー中佐が率いるミサイル駆逐艦USSサンプソン、ホッパー中佐の弟であり本編主人公であるアレックス・ホッパー大尉が乗り込んだUSSジョン・ポール・ジョーンズ、そして海上自衛隊ナガタ一等海佐が指揮をとる護衛艦みょうこうの3隻。
ところがここで違和感が・・・飛行体は目の前に見えるのに、レーダーには全く映らない。呼びかけにも応答が無い。
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バトルシップ
(C))2012 Universal
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大事を取って先遣隊を出すことになり、偵察のタグ・ボートに乗り込んだアレックスが接近すると、突然周囲に巨大バリアーが出現。
バリアーはハワイ諸島を飲み込み、内部にとり残された三隻と他の艦隊は分断されてしまいます。
すわ、緊急事態ということで攻撃ミサイルを充填・・・ところが、これが悪かった。
エイリアン側のレーダーでは、攻撃態勢をとった艦がグリーンからレッドに変化し、逆に攻撃を受けてしまいます。
あっという間に、アレックスの兄が乗った艦は大破して全滅。アレックスの艦も被弾。
慌ててUSSジョン・ポール・ジョーンズに戻ったアレックスは・・・
「指揮官は生きているか!今すぐ反撃の指示を!」
「上級士官はみなやられました。生き残った中で一番上席は…アナタです。」
ええー!
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オレが指揮官!?
(C))2012 Universal
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“兄の仇”と、総反撃を命じたものの、エイリアンの妨害電波によって電子機器は操作不能に。
「ええい、艦ごと体当たりしろ!」・・・やることが感情的。無茶苦茶でございます。
無茶ぶりで衝突コースに進んだものの、今度は海自の護衛艦みょうこうが被弾。さすがのアレックスも部下に説得され、救助のために転舵せざるを得ない・・・。
また、エイリアン艦隊からは、謎の球体攻撃兵器が空中に打ち出され、バリア内の空軍基地や交通インフラを破壊しまくります。
これがやたら強力で、手のうちようがない・・・。
一方、アレックスの恋人サマンサは、ビーコン・プロジェクトのアンテナがある地域を散策中に、エイリアン部隊に遭遇。
一緒にいた両足が義足の元軍人ミックと、たまたま遭遇したプロジェクトの研究員キャルの三人で、命からがら逃げ出します。
この圧倒的な戦力差。
アレックスとサマンサはエイリアンの野望を打ち砕けるのか!そして地球の運命は!?
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バトルシップ
(C))2012 Universal
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・・・と、エイリアン艦隊との戦闘が始まってからは、結構見ごたえがあるのですが、問題はその前。
実は、映画の序盤では、エイリアンの来襲に関わりなく、アレックスとサマンサの馴れ初めや、アホなアレックスが次々とドジを踏むエピソードが延々と続くのです。
「なにこれ、コメディ映画なの?」
「エイリアン、関係ないじゃん!」
~とのボヤキ必定。それが15分も続いた頃・・・
ケイコ、この段階で駄作確定だよね。
なんでこんなのが100周年記念?
とにかく、アレックスのキャラが喧嘩っぱやくて、短慮で、いくじなし・・いいトコありません。
しかし、エイリアン艦隊との戦闘が始まってからは気分が一転。
まさに手に汗握る展開となるのです。
これなら最初の20分は要らなかったんじゃなかろうか。うむぅ…。
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サマンサとアレックス
(C))2012 Universal
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ちょっと面白いのが、エイリアンの武器。実に変わっています。
代表的なのが対艦船用の砲弾・・いや、砲弾というより投擲弾。
その形はまさに火炎瓶で、放物線を描きながらくるくる回って墜ちて来きます。船体に突き刺さると一旦静止し、内部に潜り込んで爆発するのです。
しかしこの火炎瓶(投擲弾)は、こんな動きをするものですから、船体をすばやくかわすことで回避することも可能。
ハイテクなのかローテクなのか理解に苦しむところですが、この設定は、クライマックスでの伏線になっているようで。(言えませんが)
もう一つが、自動追尾機能付きの球体攻撃兵器。見た目は自転車のチェーンを球状にぐるぐる巻きしたような形です。
これが複数で打ち出され、「攻撃能力を持つと見なされる物体」を追いかけて、次々に破壊して行きます。
さながら、「ジョジョの奇妙な冒険」に出てくる吉良吉影のスタンド“シアーハートアタック”のよう。
相手を倒すまで(あるいは攻撃能力を喪失するまで)絶対にあきらめません。ヤなヤツです。
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超強力・球体攻撃兵器
(C))2012 Universal
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ここで気になるのが、「攻撃能力を持つと見なされる物体」を判別するシステム。
エイリアン母船が火炎瓶を打ち出す際にも、同じシステムで艦隊の敵意を判別します。
砲身を向けたり、ミサイルでロックオンすると攻撃してきますが、ロックオンを解くと攻撃を中止する。うむむむむ・・究極の自衛システム。先制攻撃はないのです。
もしかすると、こっちが敵意を見せたから反撃しただけじゃないのか。
本当はいいヤツなんじゃないのか・・などと考えましたが、どうやらそういうことではないらしい。
無駄な攻撃はしない。最小限のエネルギーで勝利する~ということのようであります。
映画のところどころで、「孫子の兵法」がセリフに引用されますが、もしかしてこれも『戦わずして勝つ』ということか。
これは、脚本家が“孫子のファン”なのではありますまいか。
そんなこともないか?
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レイクス兵曹(リアーナ)
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それから映画を観て思ったのは、実に個性的で魅力あるキャラクターが多いこと。
逆に言うと、熱いけど無鉄砲で考えなしの主人公ホッパー、綺麗だけどイマイチ印象が薄い相手役サマンサ、さらにはホッパーのライバルで海上自衛隊護衛艦みょうこうの艦長ユウジ・ナガタ(浅野忠信)など、主役クラスには感情移入できませんでした。(残念)
ナガタ艦長(浅野忠信)
ホッパーもナガタも野生的なカンで戦場を乗り切るタイプ。
危なっかしさは感じても人間的魅力を感じるような役柄ではないのです。
で、魅力ある脇役の方ではまず、ホッパーの部下レイクス兵曹を演じた歌手のリアーナ。
「SOS」で全米首位を獲得し、4年間の音楽活動で世界で1200万枚のアルバムを売利上げたという怪物アーティストであります。
スクリーンでも存在感が違います。キュートなのに熱い。そして勇敢。“強い女の子”なのであります。
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レイクス兵曹(リアーナ)
(C))2012 Universal
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それから、アメリカ陸軍退役中佐のミック・キャナルズ。
戦闘のエキスパートでしたが、戦場での受傷が元で義足となり、退役を余儀なくされてからは、人生の目標を見失っています。
もう一人がビーコン・プロジェクトの主任研究者キャル・ザパタ。研究以外に興味がなければ体力もない。戦闘力はもちろんないオタク系。
あーそれなのにそれなのに・・最後の最後、この二人とサマンサの三人に地球の命運は託されるのです。(だいじょぶなのか本当に)
しかし、このミックとキャルが勇気を奮い起こし、命を省みずにエイリアン集団に立ち向かっていくシーンは圧巻です。
手に汗握るなぁ、ココ!
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バトルシップ
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叡智を結集した死闘の末、敵の宇宙艦船を仕留めますが、USSジョン・ポール・ジョーンズも相打ちとなって艦を失います。
ところが相手は、まだラス・ボスの母船とオアフ島の通信施設を占拠したエイリアン部隊が残っています。
バリアーの外に居る援軍は内側に入ってくることはできません。
しかし、全ての武器を失ったアレックスとナガタは、ここで、あっと驚くプランを立案するのです!
この後はナイショ…。
さて、アレックスはエイリアン部隊を打ち滅ぼし、男を上げることができるのか。終盤はスクリーンから目が離せませんよ!
/// end of the “cinemaアラカルト138「バトルシップ」”///
(追伸)
岸波
上映している映画ルームの入口に「映画のクレジットの後にも映像があります。是非最後までご覧下さい。」との貼紙が。
むむっ!これはぁ!!
よくあるのが「メイキング映像」。それと、後日談のメデタシ・メデタシのエピソード。
あ、もう一つあるか…。
何せ、アレックスにとってはエイリアン撃退よりも大事なミッション~『サマンサとの結婚の承諾を、父親である提督から貰う』~が完結していないのです。
ん、きっとソレだな・・・と思いながら、タテに流れるスタッフ・キャストの文字列を眺めていたのですが、これがやたらと長い。
途中で、「どうせメデタシ・メデタシだろうから、もういいか」と思い詰めたほど・・。
しかあしっ!!
なに? “もう一つ”のパターンの方かいっ!!
ま、そこは見てのお楽しみということで。あはははは!
では、次回の“cinemaアラカルト”で・・・See you again !
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バトルシップ
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