JUNの“海外駐在員便り”

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「Ice Cubes」 by　Fra's　Forum♪

◆　アサハン・プロジェクト

(前回の続き) なんとかパスポートを取り戻して、メダン駐在員事務所で簡単な打ち合わせをした後当時メダンで一番の高級ホテルだったダナウトバ(トバ湖)ホテルにチェックイン。

メダンの位置

　当時のメダン事務所は、インドネシアと日本の経済協力と友好の象徴とされていたアサハンプロジェクトで勤務する当社日本人社員の世話をする連絡事務所という位置づけで、民家を借り上げた事務所の庭には鶏が放し飼いされており、実にのどかな雰囲気でした。

　アサハン・プロジェクトとは、スマトラ島のトバ湖という、琵琶湖の2倍もある大きな湖が海抜900メートルの高所にあるという地形上の優位さを利用して、まず水力発電により電力を起こし、それをアルミニウムの製造に使うという巨大プロジェクトで、発電所、アルミニウム精錬工場、関連するニュータウンや港湾などの建設事業に多くの日本人が従事していました。

トバ湖

　1976年に住友化学、住友商事をはじめ日系企業連合とインドネシア政府との合弁会社として設立されたアサハン・アルミニウム社(INALUM社)によって事業が進められましたが、2013年に日本側が全保有株を印政府に売却して合弁は解消され、現在はインドネシアが事業を国有化しています。

　余談ですが、1979年に作家と駆け落ちして海外逃避行をしていた高橋惠子(当時関根恵子)が一時、アサハンプロジェクトの水力発電の水源となったトバ湖辺りに潜伏していたそうです。

　翌朝、乗用車でメダンを出発しアチェ州・ロクスマウェまで400キロの道を5時間ほどで走破しましたが、過激な追い越しをしたりされたり、牛の群れが道路を横切ったりとたっぷりとスリルを味わうことができ、ロクスマウェ到着時にはぐったりしてしまいました。

　その日は工事の元請けとなるりんかい建設の事務所で挨拶だけしてホテルにチェックイン。平屋のこじんまりしたホテルでしたが、夕食のあとシャワーを浴びてのんびりしていると庭へ通じるドアのガラスをノックする音がして、Tシャツ、ジーパン姿の若い女の子が立って身振り手振りで一緒に寝よう、と・・・

　丁重にお断りしましたが、しばらくして部屋に若い男の声で電話が・・・もし魔が差して女の子を部屋に入れていたらどうなっていたことか・・・汗

Danau Toba Hotel

　翌日りんかい建設の人に聞いてもこれまでそのホテルでそんなことはなかったそうで、チェックインの時にでも目を付けられていたのかもしれません。

　翌日はロクスマウェ事務所でプロジェクトの説明を受けました。

　りんかい建設がアルンLNG液化プラントの港湾工事を千代田化工建設から請け負っていて、当社はそのうち天然ガス冷却のための海水取水口の建設を受け持つことになっていました。

　まず浜辺にコンクリートのケーソン(函体)の基礎を建設して、沖側から水底を浚渫してケーソンを浮かしてタグボートでケーソンを沖合まで曳航して沈め、さらにコンクリートを打ち足して海水取水口を完成させるというものです。

　りんかい建設は既に日本人スタッフだけでも20人ほどが乗り込んでおり家族を帯同している人もいて、太太と長女も連れてこれるかもしれないという希望がわずかながらでてきました。

◆　現在／11連休

　4月29日から5月9日まで11連休となりました。

　日本でGWをフルで過ごすのは1995年以来26年ぶりになります。

　残念ながら緊急事態宣言が発令されたため遠出ができず、同居家族以外の会食、宴会も自粛となったので孫たちを集めてのパーティーもすることができず、近場のレストランで太太と二人で食事するぐらいしかできませんでしたが、そのレストランさえ酒類の提供を終日自粛していたりしていたのでやむなくティクアウトして自宅の庭でワインを飲んだりして過ごしていました。

　そんななか遠出というほどではありませんが、5月5日には埼玉ニューシャトルに乗って伊奈のバラ園まで出かけていきました。