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| ◆ イスラエルの入国審査 98年11月末にヨルダンの首都・アンマンに赴任。 今回のプロジェクトは日本大使館の新築工事だった。 到着後10日ほどたったある木曜の午後プロジェクトの所長が「テルアビブまで寿司を食べに行こう」と言い出し二人で出かけていくことに。 (中東では礼拝日の金曜と翌土曜を休日とし、日曜は平日としている国が多い)
アンマンには和食のレストランがなく、中華料理店(豚肉料理なし)や、レバノン料理店(トルコ料理に近い)、イタリア料理店などを利用することが多かった。 去年11月に自爆テロがあったハイアットホテルのイタリアンはなかなかおいしかったのでよく行っていた。 宿舎ではジャカルタでスカウトしてアンマンに連れてきた、日本食レストランで働いていたインドネシア人コックが一応和食を作ってくれていたけど、刺身などは当然手に入らず和食大好きの彼は寿司が恋しくなったようだった。 会社の車でヨルダンーイスラエル国境のヨルダン川にかかるシェイク・フセイン橋まで行き(この橋は日本のODAでウチの会社が97年に施工したもの)ヨルダン川のイミグレーションを軽くパスして、イスラエル側の入国審査へ。 ここからが大変だった。 所持品を厳しくチェックされ・・・
~等々の質問を延々と繰り返され、やっと終ったと思ったら、しばらく待たされた上また別の審査官に代わって同じような質問を繰り返され・・・・
イスラエルの入国スタンプをパスポートに押されると、イスラエルと平和条約を結んでいるヨルダンとエジプト以外の中東諸国に入国できなくなるため、スタンプをパスポートではなく別の用紙に押してほしいと頼んだのも不信を招いた様子。 実際、ヨルダンにいる間、シリアやイエメンなどに出張したりしたのでスタンプを押されると困ったことになったわけだけど、説明が難しい。 結局4人の審査官にチェックされ、イミグレを抜けるのに2時間もかかってしまった。 周囲を敵に囲まれているイスラエルのセキュリティの厳しさを実感させられた経験だった。 ただ、1年ほど後に太太と二人で同じルートをイスラエルに行った時は、入国審査は30分ほどで済んだ。 やはり、ひげを生やした男二人、テルアビブへただ和食を食べに行くというのがあやしまれたのでしょう。 (中東の男でひげがないのは子供かゲイだけと言われていたので、当時は口ひげをはやしていた)
◆ テルアビブの寿司 ともあれ、ようやくイスラエル側に出てタクシーを拾いテルアビブへ。 当時も時々爆弾テロはあったけど、むしろパレスチナとの和平が進みそうな雰囲気があり、温暖な地中海沿岸のきれいな都市という印象だった。 ようやく日本食レストラン「京都」にたどり着き寿司とつまみをいくつか注文してビールで乾杯。 それほど値段も高くなく、おしゃれなバーのような内装で味も満足できるレベルだった。
板場に二人日本人らしき料理人がいたのでウェイトレスさんに聞くと、バンコクの日本料理店でコックをしていたタイ人、とのこと。 店内はほぼ満員で30人ほどの客がいたけど、日本人はわれわれ二人だけ。 他はイスラエル人と白人の旅行者ばかりという、シンガポールやジャカルタなどの日本レストランではありえない光景だった。 (ただ、ウェイトレスさんは日本語勉強中とかで、 けっこう達者な日本語を話していたけど) 翌日もイスラエル側出国審査でスタンプを押さないよう依頼してまたもや質問攻めにあったものの、「京都」の領収書などを見せて説明し、なんとか通してもらった。 その後も何度か仕事や旅行でイスラエルに渡ったけれどそのたびに大変な思いをしたものだった。 日本人がイミグレでこんなしんどい思いをする国は他にあまりないのでは? (あとは北朝鮮くらいかな?)
◆ 死海の効能 イスラエル周辺には宗教関係の遺跡・旧跡があふれている。 エルサレムにはイエスが磔にされたゴルゴダの丘にある聖墳墓教会、モハンムドが昇天した場所といわれる岩のドーム、またそのすぐ近くにユダヤ教の嘆きの壁、他にも旧約・新約聖書ゆかりの場所がそこら中にある。
ヨルダン側にもモーゼが神との約束の地を目前に落命したという(モーゼの享年は120歳だったと言うが・・・)ネボ山や、イエスが洗礼を受けたという場所等々枚挙に遑がない。 ただ、もしヨルダンに観光に行くならお勧めは死海。 塩分濃度25%(海水で4~6%)の塩湖で、体が浮かぶので水の中(上?)であぐらをかいて新聞が読める。 水が目に入ると大変なことになるので泳げないけど(切り傷や痔持ちの人も大変かな)、標高マイナス400メートルにある湖でプカプカ浮かんでみるのもなかなか面白い体験だと思う。 イスラエル側の死海はホテルがバカ高いのでヨルダン側の方がお得。 死海に浮かんだ後、ホテルの淡水のプールに入って、浮力を比較してみるのもまた一興です。
今年の2月に大相撲の佐渡ヶ嶽部屋がイスラエル巡業に行って、琴欧州らが死海に浮かんでいるところがニュースで放映されていたけど、関取クラスの体格の人でもしっかり浮くので大丈夫。 また死海の塩、泥は美容効果もあると言われており、ヨルダン土産に死海の泥で作った石鹸や塩を持っていくと会社の女子社員に喜ばれたものだった。 (2006.12.27) 次回は、シンガポールのJUNの散歩コース案内です。 |
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