「Ice Cubes」 by Fra's Forum♪

 

 

 

 

 


◆ How are you?

 シンガポールに移ってからはなかなかレスも書けないでおりました。

 以前から、岸波通信に何か書いてみないかと言ってもらっていたし、通信の作者陣の作品などを見ていると自分も何か書いてみたいと思っていました。

シンガポールの夜景

 逆に最近の各作品の充実振りに「こんなん僕には書けんわな~」と日和ってしまうことも多かったのですが。

 (最近あまり文章を書いていないし)

 まぁ、あまり固く考えずに今までの海外生活の経験やら失敗談やらを思いつくまま書いてみることにします。

 年に一度か二度日本に帰って仲間と会ってもあまり詳しい話もできなかったので・・・

 前に岸波が「まさか自分が公務員になるとは、大学の仲間の誰も想像もしなかっただろう」というようなことを書いていたけど、(実際にそうだった) ぼくが海外勤務につき、しかもこんなに長くなるというのも全く意外だったのではないかな。

 何せ、出不精なたちで大学卒業まではほとんど福島と仙台、たまに東京近辺に出かける程度の実に行動範囲の狭いヤツだったのだから。

 それが一昨年の9月に台湾からシンガポールへ転勤になり、駐在国はこれで6カ国目、(転勤8回目)アジア、アフリカ、中東、イスラム圏やらカトリックの国やらいろいろ回されることになってしまった。

アフリカの任地ケニア(山はキリマンジャロ)

  初めて赴任した所はインドネシア・アチェ州のロクスマウェというところで、LNG(液化天然ガス)プラントの海水取水口建設工事のプロジェクトだった。

 (技術職ではなくて事務職としてだけど)

 アチェ州といえば、2004年暮れのインドネシア沖大地震による津波で州都バンダアチェが大被害を受け、日本のニュースにもよく登場していた。

 ロクスマウェはマラッカ海峡側でバンダアチェより300キロほど南側にあったので、被害はバンダアチェほどではなかったようだけど、それでも5メートル近い津波が来て、子供が波にさらわれるなど相当な被害がでたようだ。

 LNGタンクやら液化プラントの装置やらはかなり頑丈に作られていたし、セキュリティも実に厳しかったので大丈夫だったようだけど。

 もうだいぶ昔の話になるけど、ロクスマウェに行くには成田からシンガポールにまず入り、(台北、香港経由)シンガポールで乗り換えてスマトラ島のメダンへ。

 それから、車で6時間ほど飛ばしてようやくロクスマウェに到着。

 ほんとにずいぶん遠くまで来たなぁと言う感じだった。

アチェ州の津波被害

 つまりシンガポールはその後長くなる海外勤務で最初に足を踏み入れた国だったということになる。

 (台北、香港には着陸はしたけど、空港の外には出ていなかったので)

 その後シンガポールにはインドネシアのビザの書き換え(シンガポールのインドネシア大使館でビザを取得する)やら、歯の治療やら、また日本に帰るときのストップオーバーやらで(ケニアのナイロビやヨルダンのアンマンからもよく中継した)、20回以上入国したけど、駐在することになるとは思わなかった。

 昔、インドネシアからシンガポールに来ると「こういうところに駐在したいなぁ」と本気で思ったものだったけど、いざ台北で『シンガに転勤』という連絡を受けた時には、台湾がけっこう気に入っていたこともあり、『いまさらシンガに行っても新鮮味ゼロだなぁ』と思ってしまった。

 でも実際住んでみるとやはりいいね。安全で暮らしやすいし、食べ物はおいしいし。

 先週、浴び酒師の建ちゃんがロータリークラブの研修(?)旅行でペナン、クアラルンプールと回って一泊だけシンガに寄って行ったけど、場末のシーフード屋に連れて行ったらけっこう喜んでくれた。

ペナン島

 彼はけっこうローカルのレストランとか好きなので、台北に来たときも台南担子麺の店に行って豚の腸とか蜆のニンニク醤油漬けとか食べたけどあれもおいしかったなぁ・・。

 今回行ったのは、シンガポール南東のチャンギ国際空港に近いところにある麗都飯店という店で、ウリはコールドクラブ。

 (スリランカ蟹の冷製―蒸した蟹を冷やしたものだけど、蒸しあげる時に秘伝の味でマリネしてあるとか)

 ちょっと中心地から離れているので、普段日本人客はあまり見かけないけど、インターネットで検索するとけっこうヒットする。

 一部の日本人にはけっこう人気のようだ。

 他にシンガポールのシーフード料理の定番になっているチリクラブ。

チリクラブ

 酔っ払い蝦、ガルーパ(ハタの一種)の清蒸や空芯菜炒め、さらに仏跳牆(美味しんぼなどに良く出てくる干鮑や海鼠やスッポンや薬草など煮込んだスープ。高僧もにおいをかいだら壁を飛び越えて飲みに来る・・・という意味とか)を追加してビール、紹興酒を飲んで・・・蟹を食べるときの常として、会話も途切れがちだったけど。

 まぁ、こんな感じでけっこうシンガポールの単身生活を楽しんでいるのだけど、シンガポールに関しては「豊かで明るい北朝鮮みたい」と言う人もいる。

 もちろんちょっと極論ではあるけど、シンガポールがほんとに民主的な法治国家かというとけっこう疑問があることは確か。

 まず、今の三代目首相・李顕龍(リーシェンロン)は初代首相・李光耀(リークアンユー)の息子で世襲!

 (間に腹心の呉作棟(ゴーチョクトン)をはさんではいるけど)

李顕龍(リーシェンロン)

 選挙はあるけど、野党には選挙運動などで極端に不利な条件を課し、一方与党の人民行動党の選挙違反は警察も取り締まらないという話。

 他にも最高権力者の意向が法律より優先する例はよくあるようだ。

 しかしながら、事務所のシンガポール人スタッフ等を見た感じでは、この体制を嫌悪しているとか、窮屈に感じたりしている様子はほとんど見られない。

 いわゆる開発独裁という政治形態が非常にうまくいったケースというところでしょうか。

 インドネシアもその後の混乱に比べれば、スハルト開発独裁制時代のほうが良かったという声もあるし。

 イラクでもフセイン大統領の頃の方が良かったと思っている国民も少なからずいるようだし・・・・ 難しいものです。

 (2006.3.11)

 葉羽では、次回もこの調子でヨロシク!



 

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