◆酸素供給機が故障すれば窒息死する。水生成器が故障すれば渇きで死ぬ。ハブに穴が空いたら破裂して死ぬ。これらのことが起こらなくても、食料が尽きて餓死する。そうだ・・・そうなんだ。
嵐で基地が壊滅し、砂から這い出して基地に辿り着いたワト二―は、自分が死んだと思われて火星に取り残されたことに気付く。冷静に現状を分析し、まさに絶望的であることを悟る。
◆何だって司令官は今世紀の音楽を持ってこなかったんだ。ビートは回さないぞ。断固拒否する!
火星に一人残されたワト二―が聞けるのは指揮官のルイス女史が持ち込んだディスコミュージックだけ。これを繰り返し聞くしかないが、歌詞に出て来る「ビートを回せ!」にバカ言ってんじゃねぇと強く反撥する。
◆僕はどこに行っても一番乗り。変な感じだ。ローバーから出れば、そこに到達した最初の男になる。山に登れば、初登頂した男だ。45億年間、ここには誰もいなかった。
地球から折り返して来た母船に火星上空で回収してもらうため、別のミッションで残されていたMVA(上昇機体)を目指して遠路を辿るワトニー。成功確率は極めて低い事を悟りながら火星の風景を眺めて。
◆物理学者さん、速度について語る時に“速い”という言葉は使うのをやめないか。その言葉を使えば、このイカれた作戦に僕が反対しないと思ってる。なぜなら、僕は“宇宙旅行史上で最速の男”という言葉の響きが好きだからだ。悪くない・・確かに大好きだ。
MVA(上昇機体)の重量では上空回収地点まで飛べる速度が出せないことが判明。地球側は、MVAから不要な部品・・果ては屋根や制御機まで取り外して速度を得るというトンデモナイ作戦を提案。自分を納得させるために自問自答する。
◆久しぶりです。貴女の・・音楽の趣味は最低ですね。
MVAで予定高度まで飛べず、ワトニーは自分の宇宙服に穴を空け、噴出する空気の推進力で上空で待ち構えるルイス指揮官の腕を目がけて飛ぶという驚天動地の作戦を実行。最終的にキャッチは成功し九死に一生を得るが、そこで抱き合い、最初に交わした言葉がコレ(大笑) |