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 #204 うた恋い。

by 葉羽
BGM "手をつないで" TAM Music Factory
Photo:長嶋茂雄(と王貞治)
Site arranged by 葉羽

 

【『うた恋い。』(超訳百人一首/杉田圭:著)より抜粋】

◆君と別れた朝 やけに冷たく見える白い月が空にあった 今も明け方の時間は君を思い出してせつないよ
ありあけの つれなく見えし 別れより あかつきばかり うきものはなし」〈壬生忠岑〉

◆あなたが私を忘れても平気よ でもあなたは永遠の愛の約束を破るから罰が当たって死ぬかもね 残念だわ
忘らるる 身をば思はず ちかひてし 人の命の をしくもあるかな」〈右近〉

◆きれいな花も咲いたままではいられない ぐるぐる思い悩んでいたら 私もあっという間におばさんになっちゃった
「花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせし間に」〈小野小町)

◆あるかないかの想い出さえも積もり積もって 今はもう君のことがとても愛しい
「筑波嶺の みねより落つる みなの川 恋ぞつもりて ふちとなりぬる」〈陽成院〉

◆君がいないと夜の長さが全然ちがう ひとりの夜はすごーくすごーく長いんだ
「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかもねむ」〈柿本人麻呂〉

◆ぼくは働きマン 雨で服が濡れても乾かすヒマはない 今日も夜通し 田んぼのボロ小屋で仕事中
「秋の田の かりほのいほの とまをあらみ わが衣手は つゆにぬれつつ」〈天智天皇〉

◆私が待っている間 どこかで遊んでいるあなたには ひとりで寝る夜がどんなに長くて悲しいかわからないのね
「なげきつつ ひとりぬる夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る」〈右大将道綱母〉

◆一生君だけとあなたは誓うけど人の心は移ろうわ だから私は最高に愛されたまま今日死にたい
「忘れじの 行く末までは かたければ けふを限りの 命ともがな〈儀同三司母〉

 

 

 

葉羽 「超訳百人一首」について

 この『うた恋い。』は2012年にアニメ化され放映されました。原作単行本の巻末にあった「超訳」から適宜抜粋して掲載しましたが、全体を見ても女性の歌は激しいですね。それに引き換え天智天皇の歌の軽い事・・外にいいものがなかったのか、忖度して採用されているような(笑)だけどカルタをやってる子供たちって、本当の意味を分かってやってるんでしょうかね(大笑)


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