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 #143 黄昏に乾杯を

by 葉羽
Backwall:大和伸一「ブリティッシュヒルズの黄昏」
BGM"Please Don't Go" by Blue Piano Man
Site arranged by 葉羽

 

【開高健の名言】

◆たしかに芸術は永く人生は短い。しかしこの一杯を飲んでいる時間くらいはある。黄昏に乾杯を!

◆成熟するためには遠回りをしなければならない。

◆無駄をおそれてはいけないし、無駄を軽蔑してはいけない。何が無駄で何が無駄でないかはわからないんだ。

◆ウイスキーは人を沈思させ、コニャックは華やがせるが、どうしてかぶどう酒は人をおしゃべりにさせるようである。

◆外国語が読めても外国人のことはわからない。外国語が話せても、わからない。外国に住んでも、わからない。外国人を知るには文学によるしかない。それも一流の文学ではなく、二流の文学である。

◆釣りをしているときは外からは静かに見えるけど、実は妄想のまっただ中にある。このとき考えていることといえば、原稿料のこと、〆切日のこと、編集者のあの顔この顔、それからもっと淫猥、下劣、非道、残忍。もうホントに地獄の釜みたいに頭の中煮えたぎってる。それが釣れたとなったら一瞬に消えて、清々しい虚無がたちこめる。

◆サイゴンでは毎日のようにプラスチック爆弾が破裂して、大半は無告の民が死んで行くわけですね。キャバレーの女性のバラバラの肉体、血まみれの腸、目玉、太ももを忘れようとしても忘れられないけれども、いざ書こうとすると、道端のハイビスカスの花がどう揺れていたかがよみがえってくる。

 

 

 

葉羽 「黄昏に乾杯を」について

 年を取ればとるほど人生の短さを感じるようになりました。それは余計な回り道をしたせいなのか。否、その回り道が無かったとしたら、今、ここにいる自分はなかったのだろう・・夕暮れの窓から空を眺めてグラスを傾けると、そんな他愛もない考えが浮かんできました。


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