◆日本は、縦方向に上の人を偉大なる人としたのです、下女、下男がいる家族を束ねて一番偉いのは「女将さん」です。一族の中で一番偉いのは氏神です。
◆ラフカディオ・ハーンが『神国日本』という本を書いていますが、彼はそれをラテン語でこう言っています。「レグナム・モルトオールム」、つまり死者たちの国。死んだ者が奉られている国という意味で神の国なのです。
◆ところが「神」と言う言葉に問題がある。かつて仏教が入ってきたときは、仏様のことを神とはいわなかった。仏陀は「仏」、タートアガータは「如来」、ボドビサットバァは「菩薩」と訳し分けて「神」とはいわなかった。日本の神様とは概念が違いますから、きちんと使い分けていたのです。
◆16世紀にキリスト教が入ってきたときも神とはいわなかった。「天使」といったり「ゼウス」といったりした。ところが明治になってプロテスタントが入ってきたとき、自分たちのゴッドを勝手に「神」と表現した。そこからです。混乱してきたのは。
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