◆既存の法制が機能しなくなる非常事態というものがあり得るという点が見過ごしにされている。
◆超法規つまり非合法の行為を法規のうちに合法として組み込むという逆説的な営みの産物、それが「非常事態法」である。危機とは非常事態のことではないのか。
◆不確実性の二類型・・・リスクとクライシス
リスク・マネジメント(危険管理)・・・・・・人工頭脳による短期的管理
クライシス・マネジメント(危機管理)・・・人間頭脳による長期的管理
◆危機管理は、人工頭脳を利用しても構わないが、主として人工頭脳による英知や創造の力によってかろうじて果たされるものである。
◆そして、個々の人間にそうした精神の力量が存分に備わっていると楽観することはできないのであるから、危機管理は、一つに「集団」の機能という社会的な要因に、そして二つに「過去」の経験という歴史的な要因に頼らざるをえない。 |