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by AyumiAyumi
Report by Ayumi Nakamori
"Jazzy Night" by MIDIBOX
Photo by H.Yamamoto
Site-arranged by Habane

 

AyumiAyumi

 ダッカの日常、「約1週間日記」の「後編」です。

 

4月19日(火)カンファレンス

 朝から外出が続く。

 MSSという団体を訪問し、市内スラム街での女性グループの活動を視察。

 シャプラニールは現在都市部の問題としてはストリート・チルドレン支援活動をしているが、この急速な都市化の中で、更に深刻になっている問題や新しい問題についても常にアンテナを張っている必要があり、現在特に女性、少女の状況や問題、支援の可能性についてリサーチを行っているのだ。

 午後もショナルガオン・ホテルにて行われる「女性への暴力」に関するカンファレンスに出席。

ショナルガオン・ホテルの会議室

ショナルガオン・ホテルの
会議室

 しかし午後のカンファレンスのスピーチ、アメリカ大使のすさまじい巻き舌なベンガル語には驚愕。

 スピーチ原稿を誰かがベンガル語に訳して、大使サマはそれを(恐らく)意味もわからず棒読みされているようなのだが、ワタシの貧弱な理解力ではどうにもこうにも太刀打ちできず、とうとう一言も解らなかった…。

 挨拶くらいならカワイイガイジンで済むが、本文は頼むから英語にしてくれぇー!

 …って月次会議の時は私もみんなにそう思われているのよねきっと(痛)。

 ごめんね、ダッカの同僚のみなさま☆

 

4月20日(水)打ち合わせ

 午前中ストリートチルドレン支援関連打ち合わせ。

 ドロップ・イン・センターで行っている技術訓練が思うように進まない。

 研修内容や子どものセレクト以前に、このやり方、本当に子どものニーズに合っているのだろうか?

 そんな疑問が湧き、まずはもう一度きちんと子どもたちに話しを聞いてみようというとになったのだ。

 ただこちらのスタッフ、こういう指令をすると「子どもに話しを聞くためのガイドラインがないと出来ない」(ひえっ!!!)から始まり結論に至っては「ニーズ」とか「モチベーション」とか「エンパワーメント」なんていう中身のない開発言葉ばっかりになってしまう。

 だからとにかく、難しい言葉を一切抜きにして、いつものとおり話ををすればいいんだよ、とよくよくよくよく打ち合わせる。

ストリート・チルドレン

ストリート・チルドレン

(by 山本弘)

 スタッフも子どもと話しが出来ないわけじゃなくて「偉いボス(つまり私)」が「レポートをだせ」となると「彼らは貧しくて、だから教育が必要で、そのためにはコンピュータの研修が必要で…」と全く現実離れした紋切り型の回答になってしまうのだ。

 だからといって私がやってはいけない。

 スタッフが自分で話しを聞き、自分で考える訓練をしなくては。

 時々意識して足元をしっかりさせないと「開発プロジェクト」は実際の問題から離れて浮いていってしまう。

 この辺はむしろ「偉いヒト」なワタシの方が上手にコントロールしなければならないところだ。

 こうしてこれから集中的に子どもの労働環境に関して聞き取りが始まる。

 午後はクラフト2団体訪問して帰宅。

 今日もずっと溜めている報告書に手付かず…ああ、だめな「偉いヒト」。

 

4月21日(木)ゲルトルーム改造

 ここ数日で起こった「衝動」の戦利品であるリキシャ・アートやベットカバー、その他ごちゃごちゃ買い集めたガラクタを前に、昨晩は長い間ほったらかしになっていた自宅のゲストルームを大改造することにした。

 そのうちカーテンにしようと思ってとっておいたサリーもハサミでちょきちょき工作した。

 これで日が入るようになり部屋がぐっと明るくなった!

 物置状態の小部屋も多少マシに。

 そして最後の仕上げに今日、朝の出勤途中に事務所近くの仕立屋さんに寄ったのだ。

 このサリーをこうやってこうやって切って、ここを縫い合わせて…と言ったら「これ、どうするの?」と聞かれた。

 ベットカバーとクッションカバーにするのよん。

 仕上がりは26日。楽しみだなぁ。

リキシャ・アート

リキシャ・アート

(by Ayumi)

 この日も午後はシレイコンというスリモンゴルの少数民族のクラフトを扱う団体で会議&サンプル収集。

 代表のロビンさんに会う度に声を大にして叫びたい衝動との戦いだ。

Ayumi「ロビンさーん、あなた藤田まことにそっくりですよー!」

 夜は写真家吉村さん、シャプラのボランティアとしても活躍してくれており現在それぞれバングラデシュ滞在中の学生さん2人と、いつもお世話になっているベンガル人のご主人&日本人の奥様ご夫婦のお宅で夕食会。

 お腹いっぱい。至福。

 

4月22日(金)見送り

 同業者の先輩の一人が任期を終了し日本に帰国されるとのことで、空港までお見送りに。

 同時期に赴任した方々が徐々に帰国しつつある。

 不思議なことじゃない、私だってバングラデシュに来て2年近くが経ったのだから。

ダッカのジア空港

ダッカのジア空港

 しかし未だに分からないこと、出来ないことばかりでつくづく自分の能力のなさには落ち込んでしまう。

 全く何か一つでも残せることがあるのだろうか、もっと時間を有効に使うことも出来たのではないか、もっと勉強できたのではないか…など考え始めると限がない。

 もちろんこうした思いはバングラデシュにいなくても常によぎることだが。

 しかし過ぎた時間をくよくよしても仕方ないよね、残された時間を大事にしないとね、などと考えてみる。

 でもこの暑さったら、こんな殊勝な気持ちもぶっ飛んじゃうよー!ばかー!

 それでは次回までご機嫌よう。

AyumiAyumi (2019年11月9日リニューアル・アップ)

     

habane葉羽

 うん、猛暑だと何も考えられなくなりますね。分かるわかる!

(「ダッカ」 by 山本弘)

 


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