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by AyumiAyumi
Report by Ayumi Nakamori
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AyumiAyumi

 今年は噂によると例年になく「あづぐでじごどにならないじょー」状態のダッカですが、日本の皆さんが若葉きらめくゴールデン・ウィークに突入する直前の4月も末のある日、外出から戻ると、机の上に小包が届いていました。

 しかも二つも。

 はて、と思って差出人を見ると、それぞれに日本の友人の名前があるではないですか。

 互いに面識のないはずの二人の共通点を脳みその記憶に検索をかけると…

 ジャジャーン! これ、クリスマスプレゼントじゃん!!!

 サンタじゃーん!!!

 

 バングラデシュ郵便事情 

 そうです。昨年12月に入る頃、心優しい私のお友達が、遠くで何をやっているんだかよくわからんが何だか大変そうな私のことを思い浮かべてくれて、クリスマスプレゼントを贈ってくれていたんですね。

 それぞれから「送ったから!」というメールを貰っていたものの・・・

 「ありがとう、でも届かないと思う」と、もう太陽が東から昇り西に沈むレベルで淡々と対応していた私。

 実際、バングラデシュの郵便事情はとっても頭のイタイ問題の一つ。

バングラデシュ最初の切手

バングラデシュ最初の切手

東パキスタンは、1971年3月26日にバングラデシュとして独立を宣言。しかし独立運動は、圧倒的規模の西パキスタン軍に制圧され、ゲリラ戦として継続されることになる。臨時政府が新国家の宣伝のために71年7月29日に発行したのが、この「バングラデシュ」の1番切手8種。

 例えば日本から荷物を送ると包みを開けられてしまったり、モノを抜き取られてしまったり、届かなかったり、賄賂を要求されたり、と考え得るありとあらゆることが、いつもとは言わないけれども、起こることがある。

 写真やCDなんかも運が悪ければ検閲ですと言われ送付できない場合もあるし、余計な税金とか袖の下とか要求されることもある。

 だからとにかく、届かないことが前提、くらいの気持ちでいないと自分が参ってしまうのです。

バングラデシュの切手

バングラデシュの切手

←独立運動に貢献した人物の切手が
多いのが一つの特徴。

 そういえばこのクリスマスプレゼント到着の数日前にもさし入れをしてくれた友人がいたのですが(これが届いた時にも歓声を上げる勢いでしたな)この時も、ある日事務所のスタッフが郵便局に行くと局員に

「ちょっと、お宅の荷物2ヶ月(←これも案外適当)くらいここにあるんですけど。

 こんなに預かって、それで荷物が来ているって分、こっちは困っているから、さっさと取りに来てくれないと」

 ・・・とクレームが。

 ・・・っていうか、なんで受け取る人が、お知らせナシに荷物来てるってわからなあかんねん!

 なんで怒られてるねん!

Ayumi(もしやこれはツッコむべき所なのか?)

 

 プレゼントを開けて見た 

 だから基本的にはバングラデシュに向けて荷物を送ることはあまり「シロウト」の皆さんにはお勧めしていないのですが、それでも私たちは仕事をしているわけですから当然書類や記録の写真・ビデオ、そして駐在となれば引越ししなくてはならないので「荷物を送る」ということからは絶対に逃れられません。

 そういう時に私たちはどうするか。

「ヒト」に頼むのですね。

 重要な書類などは封筒に入れて「近々帰国しそうな人」にお願いして成田まで運んでもらい、そこで投函してもらうのです。

 東京からも、出張者が溜まった書類と駐在員のお願いしている段ボールを一杯抱えてやってくる。

 嘘みたいだけれど、これが本当に一番確実なのです。

ダッカのフルーツ売り

ダッカのフルーツ売り

 そしておうちに帰って早速4月のクリスマス・プレゼントをあけました。

 お手紙や小包が「届く」っていつでも本当に嬉しいものですね。

 包装の一つ一つ、宛先の文字一つ一つ、そういうものに友人達が日常のふとした瞬間に私のことを思い出してくれて、お店で選んでくれて、ラップして、わざわざ郵便局に行ってくれたんだなぁって思うと、ジンと来てこころがポカポカしました。

 そしてそんな気持ちに対して「でも届かないよ」と平然といってしまう自分にとっても嫌気が差したし、それを許しちゃっているここの郵便事情はちょっと悲しいな。

 こんなに温かいハートをちゃんと届けないのはやっぱりイケナイ。

 別に効率なんて良くなくてもいいの。

 2時間で届けろとかそういうんじゃないの。

 でも、相手を思う気持ち、家族・友達の温かい関係、こういうものを踏みにじる権利はやっぱり郵便屋さんにはないのよね。

 だからゆっくりでいいから、ちゃんと届けてね。

 お願いします。

  季節の変わる前までなら待ちますので(笑)

AyumiAyumi (2019年8月29日リニューアル・アップ)

     

habane葉羽

 この記事は2004年5月の話。

 郵便物がきちんと届く日本では考えられないことですが、広い世の中では「当たり前のこと」ではないことが分かります。

 これじゃあ、生鮮食品など怖くて送れませんね。

 ちなみに、JICAのホームページでは、バングラデシュの郵便事情について以下のように書かれていました。

【バングラデシュ郵便情報】

 郵便物は各家庭に配達されるが、JICA関係者はあて先をJICA事務所気付にして受け取るほうがよい。

 日本からの航空郵便は通常1週間程度、日本へは4~10日かかる。

 書留で送ると早く確実である。中央郵便局では、国際スピード郵便(EMS:Express Mail Service)を受け付けている。

 バングラデシュの郵便事情から紛失の可能性もあるので、高価な品や金銭の郵送はしないほうがよい。

 小包は届かないことがあるため、できれば人に託すか、民間サービス会社(国際宅配便)を利用することが望ましい。

 JICA事務所気付で送られたものについては、代理店を通じて一括引き取りができるよう便宜を図っている。

 なお、医薬品などの輸入禁止品を送ると没収されるため、注意すること。

(「カクリと愉快な仲間たち」 by 山本弘)

 


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