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by AyumiAyumi
Report by Ayumi Nakamori
"Jazzy Night" by MIDIBOX
Photo by H.Yamamoto
Site-arranged by Habane

 

AyumiAyumi

 この夏はアメリカ・カナダなどで大規模の停電があり、人々の日常生活にも大きな影響が出たようです。

 一方、小さい停電ならバングラデシュではかなり日常茶飯。

 だいたい「目の前の自分の電気が取りあえず付かない」という点では、大停電だろうが小停電だろうがあまり変わらないダッカでの生活。でも、そんな私達にも「大」停電がやってきたのです!

 

 停電素敵!

 10月下旬某日のお昼前だったでしょうか、外出先からオフィスに戻ってきてホンの数分後、一瞬なにかが燃えるような音がして、ぜーんぶ電気が飛んでしまいました。

 昼間なのに事務所は真っ暗!

 一般的にこういったオフィスではそれぞれジェネレーター(発電機)などをつけて対処しているから、規模の大小はあるにしろ、パソコンと多少の扇風機などの「生命線」(笑)への電気供給に影響がでることは稀なのです。

 でも、聞けばシャプラの事務所もこの日は午前中からずっとパソコンも落とさなくてはならない長さの停電をしていたとのことで、ちょっといつもと様子が違う感じ。

ダッカの街角

ダッカの街角

 丁度数日前から断食月の始まったバングラデシュでは、いつにも増して人間の労働意欲が薄れている浮き足立った時期なのですが(笑)

 スタッフも「こんなんじゃ仕事にならないよ」とニヤニヤしながらオフィスのお茶のみ場に集まって雑談。

 話を聞いていると「いやあ全国規模だねえ」とみんなが言っているではないですか。

Ayumi(なんでそんなこと判るの!)

 テレビも見られないし、新聞の号外が出てる風でもラジオも聞こえてこないよね。

 …これ実はみんな「ヒト」のネットワーク。

 あれよあれよと言ううちにそれぞれが親戚・友人・知人に電話を掛けまくってその情報をシャプラのオフィス総合本部で統合。

 そうするとかなりの範囲が停電だということが見えてくる。

 きゃーすごーい、と心の中で大歓声を上げる私。

ダッカの街角

ダッカの街角

 結局事務所にある停電対応用の電源も修理が必要なようで、また電気自体も戻ってこないのか、とにかく真っ暗状態から復旧する見込みが付かず、事務所は午後から閉めざるを得ない状況に。

 これまた「避難訓練」の日みたいで、訓練じゃなくて本番だろ、と突っ込む私も既にワクワク。

 午後もまるまるヒマになったし、昼寝してからお買い物でも行こうー!と俄然ヤル気。

 何しろこの断食月はイード前のお買い物シーズン。

 近くのお店もリニューアルした噂だし、わーいとばかりにいそいそとお家に帰る私。

 嗚呼、停電素敵!

Ayumi(白幡さんごめんなさい。)

 

誰も気にしてない

 丁度私がお買い物に出ようとしたときにちょっぴり電気が戻ってきたようで、フラット(アパート)の廊下の電気がつきました。

 ちなみに電気「分配」事情も非常にシビアで、まず高級住宅地のグルシャン・ボナニ・バリダラ地区から電気が復旧し、徐々に私のように下々の所まで廻ってくるはずになっています。

 あとはその建物自体の自己体力と言うか設備によるので、4時に一部でも戻ってきたのは予想より早いことは早い。

 またすぐ1、2時間でしばらく電気が消えてしまったのですが、その間に情報収集ということでテレビを付けました。

パシフィック・ホテルから

パシフィック・ホテルから

←貧しさと豊かさが同居している風景

 ケーブルテレビの通っている我が家は日本のNHKは見られないもののCNN、BBCなどは見ることができ世界(?)のニュースにはぐれることはありません。

 事務所の女性スタッフはインドのコルカタ(カルカッタ)製の連続ドラマが大好きだし、私も毎日見ています。

Ayumi(まあ「眺めている」の方が近いかもだけど。)

 しかし、ここで私もようやく気がついた!

 だーれもバングラデシュの大停電の話なんてしていないの(笑)。

 世界のニュースを受信できる=自分も世界から関心を持ってもらえている、と言うわけにはいかないらしい。

 同じくコルカタ発信のニュースでさえ、バングラのことなんて興味ありませーんという様子。

 仕方なしにものすごい数のチャンネルの中から見たことも無いバングラデシュのテレビ局を探しました。

バングラデシュの人々

バングラデシュの人々

(by 山本弘)

 バングラ産のテレビ局がいくつかあるのは知っているけど、休んでいる時間が長いし、基本的にショボイ。

 村にいって白黒テレビでニュースを見ていると、今日のニュースのはずなのに「NHKアーカイブ」を見ているような気分になってしまうのです。

 で、ようやく探し当てると、これまたビックリ。

 撮りだめした「イフタール(毎日の断食明け、つまり日の入りと同時にとる食事)準備のために賑わう街のスーパーの様子」を延々と流し、その後「タバコの害について」のPR番組が続くのです。

Ayumi(これはこれでかなり面白かったけど。)

 大丈夫か、バングラ!?

 

 黄金のベンガル

 答えは「でも、なんか大丈夫みたい」。

 白幡さん曰く「駐在員経験史上最悪の停電」(全土で朝9時半から平均8時間、場所によっては20時間以上の停電もあったそうです)であっても日常生活の部分ではなんだか極めてノンビリ。

 ニュースはそんなこんなで強力且つ驚異的なネットワークがあるし、停電自体はいつものことだし。

バニヤン樹

バニヤン樹

 野菜やお肉、お魚をその日の分だけマーケットから買って来るわけだから冷蔵庫に過度に頼っていることも無いし、電子レンジも要らない。

 支払いだってクレジットカードを使うことはまず無いし、ご近所への一番便利な交通手段はリキシャだし。

 キャンドルを囲んでゆっくりみんなで団欒して。

 これが「黄金のベンガル」らしい。

ショナル・バングラ (バングラデシュの国歌)

私の黄金のベンガルよ、
私はあなたを愛しています。

あなたの空、あなたの風は、
私の胸の中にある笛を、いつも響かせてくれます。

ああ、お母さん、早春の、あなたのマンゴーの林に満ちる匂いに、
私はすっかり酔いしれてしまいます。
ああ、私は死にたいほどに幸せです。

お母さん、晩秋の、あなたの一面に実った稲田に、
私は、あなたの蜜のような微笑を見つけました。

その輝く光と深い影とで織りなされた、
愛情と慈しみの衣の裾を、
あなたは、バニヤン樹の根元や、川の土手から土手へと、
やさしくひろげてくれました。

お母さん、あなたの語り声は、
私の耳に、甘露のように響きます。
私は死にたいほどに幸せです。

お母さん、あなたのお顔が悲しみに曇れば、
ああ、私の目にも涙が溢れるでしょう。

(詩:タゴール・・・・バングラデシュの詩人)

 私も困ったことといえば、買い物から帰ってきて一瞬電気が戻っている隙にセットした炊飯器が「あと8分」を示したところでまた飛んでしまって妙なアルデンテに仕上がってしまったことくらい。

 その後「初めチョロチョロ…」と呟きながらお鍋でご飯を炊きなおしたのですが、これが超美味で感動。

 だけど真っ暗な部屋で一人でご飯を食べる姿はうら若き乙女としてはどうなんだろう。

 さらに、冒頭で述べたように私はこの日の午前中外出をし、某超大手NGOの今をトキメク超近代的超高層ビル(注:バングラ基準)にいたのですが、ぜーんぜん影響なくクーラーがんがん、エレベーターびゅんびゅんだったことに、改めてNGO「大」国バングラデシュを思ったのでした。

AyumiAyumi (2019年8月16日リニューアル・アップ)

     

habane葉羽

 この投稿にある大停電は、2003年夏の話。

 「黄金のバンガル」というキーワードから、バングラデシュの国家「ショナル・バングラ」を僕が挿入したのですが、この作詞者のタゴールは、MIZO画伯のお気に入りでしたね。

(「バングラデシュの人々」 by 山本弘)

 


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