Ayumi
私はつい先日、6月1日に赴任したばかりの新米駐在員。
シャプラニールのダッカ事務所では基本的にベンガル語(バングラデシュの公用語)が使われているので、ノコノコとオフィスに行っても「使えない若造」な私。
そこでしばらくは歴代の駐在員もお世話になったHEED Language Centreに通いながらベンガル語修行の日々を送ることになりました。
あれ?聞いてくれないの?
初日、先生に会い、早速授業が始まりました。
こちらで人と話をすると大抵「年はいくつか」「結婚はしているのか」「子どもはいるのか」の総攻撃があり・・・
「結婚していない」と答えると、
「何で」「何で」とウルサく聞かれるのが常なので、心構えをして向かい合います。
先生はプロック先生という男の先生。
簡単にお互いのことを紹介するのですが、あれ、出てこないぞ・・・「結婚しているの?」っていうのが。
すると先生曰く・・・
「17、8歳かと思った」だって。
なんだよぉ(泣)。
やっぱりヒゲでも生やさないとダメか?
でも、そうか、この国でも17、8歳の女の子が独身でいることが(まあ私は外国人だけど)それほど特別っていう感じではなくなったのね、とちょっぴり感慨深くも(?)あります。
でも年齢を明かした後独身といったらやっぱり驚かれました。
でもこのムカッがあって初めてバングラだよね。そうだそうだ。
ノモシュカール
私の知っていた数少ないベンガル語の一つは挨拶の「アッサラーム・アライクム」。
ところがこれが学校の中ではあまり聞こえてこないのです。
なぜか。
この学校はキリスト教系のNGO団体が運営しており、先生もキリスト教徒やヒンドゥー教徒などのいわゆる「イスラム教徒でない人たち」が多いのです。
そこでイスラム教徒の挨拶「アッサラーム・アライクム」ではなくて、「ノモシュカール」というフレーズが日常的に使われます。
その他にもお父さんお母さんの呼び方や、「~さん」の付け方など、イスラム教徒とそうでない人では使う言葉が違います。
でもこれがよかったな、と思います。
確かにバングラデシュは大部分がイスラム教徒の国だけど、そうでない人も沢山いるのです。
そういう多様性に対する感受性を体で養っておくことはこれからこの国で仕事をしていく上で重要なことだと思うからです。
ちなみに毎朝のお祈りで歌う賛美歌は、ベンガル調でコブシが効いています。
この辺は宗教云々ではなく、ベンガル魂です。面白いです。
ベンガル語との戦い
教室では一対一のレッスンなので、他の人が答えているうちに自分も考えて…という暇はなく、降り注ぐベンガル語に立ちすくみ、発狂して泣きそうになることもしばしば。
いつも2台のでっかい扇風機が両脇からガンガンかかっていて(しかも常に「強」に設定)台風の中で勉強しているようです(笑)。
頭ぼさぼさ。
教科書の構成は、中学校のときの英語のような感じで、「マーケットで買い物する」「リキシャに乗る」など会話のやり取りがあったりします。
さしずめ英語だと話者2人はAとかBということになると思いますが、ベンガル語でも同じようにアルファベットの初めの2文字を使って会話が繰り広げられます。
ところが!これが、すごく似ている2文字なのです。
先生曰く…
「じゃあ、僕が『コー』役をやるのであゆみは『コー』役をしてください。」
内心「??」と思いながらとりあえず読み始めると・・・
「違うよ、僕が『コー』なんだからあゆみは『コー』でしょ。」
実はこれは「ko」・「kho」という発音をする2つの別の文字なのですが、私には同じに聞こえてしまうのです。
しかし、よく言葉を覚えるにはネイティヴ・スピーカーの彼氏・彼女を作るのが一番だと聞きますが、今私が解ることと言ったら「マンゴー1kgいくらですか」とか「右に曲がってください」だから・・・
万一ですよ、万一、甘い囁きがあっても気づけないですよね!
これはマズイ!
「あなたの名前はなんですか」くらい言ってもらえるのでしょうか。
教訓:彼氏をつくるにも、ある程度の語学力は必要…。
ではまた次回まで。
Ayumi (2019年8月1日リニューアル・アップ)
葉羽
中森あゆみさんがダッカに赴任して初めての現地駐在員報告です。
どこでもそうでしょうが、初めての海外勤務で最初に立ちふさがる壁は、やはり言葉のコミュニケーションのようです。
また、ところ変われば品変わる・・・「毎朝のお祈りで歌う賛美歌は、ベンガル調でコブシが効いている」とは、なんて愉快なんでしょう!(失礼)
そして、「教訓:彼氏をつくるにも、ある程度の語学力は必要…。」・・・うむむ、なるほど!
言葉の壁を越えるのは、やはり・・・愛ですか。 |