【2011/7/27】
明朝にはここを発つので、私の滞在は今日一日のみ。
今日は、昨晩エギルとマーレットが私の企画「精神の"北"へ」のリサーチのために計画してくれたスケジュールに合わせて行動することになる。
“私のリサーチのために”でありつつ、彼らにとっては“日本との関係作りのために”でもあるらしい。
午前10時、エギル宅に、近所に住むリレハンメル博物館のディレクター、エイヴィンドさんが訪ねて来る。
エギルによると、美術館関係者ではなく彼に持ちかけたのは、何年も先まで予定が決まっている美術館に企画を持ち込むのは難しいだろうという読みからだ。
そして、個人で模索するよりも組織の協力を得る方が早道ということだろうか。
つまり、ノルウェイの地でも私の企画を軸にした交流の可能性を探るつもりということ?
エイヴィンドさんは、私の企画コンセプトをじっと聞いた後、ポートフォリオを時々驚きの声を上げながら見て、「会えてとても良かったです。今日の午後、ぜひ博物館へ来てください。」と言って帰って行った。
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リレハンメル美術館 (C)Lillehammer Kunstmuseum
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さあ、私たちもすぐに行動開始。リレハンメル市の中心街にあるリレハンメル美術館へ。
アーティストであることを証明すれば無料だ。(これは、昨年滞在したフィンランドでも同じだった。)
ノルウェイの近代の油彩画や現代の写真作品を見て回る。
頭の中には常に企画のことがある。北の国のアートに共通する精神性があるとするなら、どんなものだろうか?それを設定したうえで作家を選ぶか、あるいは先入観を持たずに選別するほうがいいのか?…などと思案しながら。
目にする機会が少なかった北の国のアート。たくさん見ておきたい。
エギルの友人アーティストである抽象画家ヤンのアトリエを訪問し、いくつかの大作を見せてもらってから、一緒に、昨日会ったマーレットの自宅に伺い、昼食をいただく。
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リレハンメル美術館 (C)Lillehammer Kunstmuseum
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丘の上の明るい住宅はとても眺めがいい。
庭には、小さなグリーンハウスがあって、トマトが勢いよく育っていた。ふと、我が家のベランダのトマトを思い出した。
マーレットも私に自分の作品集を見せながら説明してくれた。とても抑制の効いたコンセプチュアルな作品だ。
その後、3人の共同スペースとしている山間の廃校も見学。ヤンとマーレットはそれぞれ帰って行き、最後はリレハンメル博物館へ。
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