【2011/7/18】
制作は、まず周辺の倒木を集め、作品配置の範囲をを検討するために全体の"あたり置き"をしてみる。
あちこちに倒木が半ば朽ちかけながら放ってあるのだが、丘の上の現場のこと、登り下りは山歩き並み。
さらに、木の幹を引きずりながらでは息が荒くなる。3本も集めるとヘトヘト…。
それでもやっとこさ、木の幹や枝の曲がり具合を生かしながら、"HORER DU MEG?"の文字の形に置いていく。
文字でありつつ、アルファベットの並びが破壊された街のように、廃墟のように見える必要がある。
今のところ、まだまだ、ただの枝にしか見えない。
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今はただの枝・・ |
16日から連日、夕食後のアートトークとして、それぞれの過去の作品を紹介することになっている。
白夜で暗くならないせいか、トークの終了が夜中の12時頃になってしまっても、照明のない道でも安全に自転車で帰ることができる。
今晩は私も発表する予定なので、起床後2時間ぐらいかけて、PCに入れてきた画像から紹介するものを選択する。
もしものために、画像を持ってきてよかった。
トークでは、今回の作品にからめて、文字を取り入れた作品、野外に展示した作品を紹介。
加えて、故郷東北の大災害のこと、その復興のために私が考えているプランとして、国際展「精神の"北"へ」では、東北を含めた世界の北域の人々の精神性やその表現に焦点をあて、あらためて東北を再認識する機会にしたいこと、その一環として進めたいノルウェイでのリサーチのことを話した。
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東日本大震災(岩手県陸前高田市) |
ところで、初日から感じていたことだが、ノルウェイ人アーティスト達の堪能な英語力には舌を巻く。
昨年のフィンランド滞在制作で会ったフィンランド人たちも、大半が流暢で感心させられたが、若いノルウェイ人は、それ以上のレベルの高さだ。
しどろもどろの人がひとりもいない!
私の耳には、彼らは自国語と同じレベルと早さで英語を話している。うーん。北欧、侮ってはいけない。
この現実は、日本の外国語教育内容を再考すべきだと思い知らされる。小学校から実践的な英会話を取り入れたほうがいい。
私は、日本人仲間内では(お世辞も含めて)「英語がぺらぺらだね」と言われることもあるけれど、とんでもない!
聞き取りが完全にお手上げ状態だ。何割を理解できていることやら…。言語能力の差で、私の本来の性格以上に、より一層もの静かな人になってしまう。
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ノルウェイのボーイスカウト
(※ノルウェイは小2から英語、中1から第二外国語を学ぶ。)
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今晩のトークで、リサーチの意思を話したけれど、どれだけ伝わっただろうか…少々へこみながら帰ろうとすると、同じ家に滞在するヴィグディスが声をかけた。
「ヨシコ、"北"のアイデアがあるの。イヌイットについてはどう?」
さっそく提案第一号。うれしかった。
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