【2011/7/17】
現地滞在の3日目。
早く作品設置ポイントを決定しないと、制作日程が厳しくなる。
作家達はそれぞれに地域内を歩き回り、インスピレーションをかき立てるような場所に出会おうとしている。
道でばったり出会うたびに、「ポイントは見つけたか?」と尋ね合う。
同じアーティストに何度も出会い、お互いに苦笑。
私は、もう一度ハイキング行程の途中までを登ってみたり、フィヨルドの岸に沿って歩いてみる。
さんざん歩いて、ふと道の傍の、岩がむき出しになった丘に登ったら、木立によって家などの人間の生活の痕跡がすっかり隠れ、周囲360度、山に囲まれた状態になる草原を見つけた!
イャッホ~~ィ!!
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山に囲まれた草原を発見! |
テーマは決めてある。
この雄大な山に向き合える場所に、枝や石などで"廃墟"をつくろう。
それは、地震と津波と原発事故によって激変した故郷、東北の光景でもある。
東北は圧倒的な自然の破壊力を体験した。
この廃墟は遠くから眺めると、"きこえるかい?" "Do you here me?"という意味のノルウェイ語 "HORER DU MEG?"という文字の並びとなって現れるはずだ。
廃墟から発する、この自然への語りかけは、あの大災害の後、人間が生物として大いなる自然と向き合う、最初のコンタクトだ。
私はここノルウェイに、それを体感するために来ている。
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ストーティング:ノルウェー議会議事堂 (Wikipediaより) |
参加アーティストは圧倒的に女性が多く、加えて、男性の参加者も料理上手というラッキーな条件。
夕食は日々料理人が替わって腕を振るうことになる。
今晩のメイン料理は、最年長のエヴリンとカミラが魚と野菜のスープ。
私が、このあたりでは珍しい大根で明太子サラダを作った。
赤ピーマンも少し加えてジャパンカラーにし、日本から持参した明太子ドレッシングで和えただけなのだが、「おいしい!サンキュー、ヨシコ!」と言われた。
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