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(丸山芳子)ある日、庭に咲くホトトギスを見ると…。
【2016/11/13】 ルリタテハ 先月、庭に咲くホトトギスに奇妙な物体が2個付いているのを見つけた。調べてみると、ルリタテハという蝶の幼虫であることがわかった。 赤黒い体に白いとげとげという身震いするような外見だけど、好奇心には勝てず、食料のホトトギスごと自室に持ち込んでしまった…。 やがて1匹は、勾玉みたいな形になって、ぶら下がる体勢で動かなくなり、次の日脱皮してサナギになった。 かつて観察したアゲハと同じく、バルタン星人みたいな頭を下にしている。この時期にサナギになった場合は、通常この姿で冬を越し、春になってから羽化する。 初めて越冬を観察できるかも!わくわくする。 しかしもう1匹の方は葉からぶら下がる体勢にはなったものの、休みなくピクンピクンと身を震わせている。1日中、延々と…。 すると不思議なことに、サナギになったほうまで、それに応じるように動くのだった。それも、相棒の方に向かって体を曲げるようにして。 サナギになったら不動になるはずなのに変だ。もしや、どちらも蜂に卵を産みつけられての異常行動? その不安さえなければ、昆虫同士が通じ合う不思議さは、感動さえすることなのだけれど…。何だかあわれだった。 動き続けたほうは次第に緩慢となり、サナギにはなれないままミイラになった。1匹のサナギだけが残った。 数日がたった。 なんと予想を裏切って、サナギは越冬せずに羽化してしまった! (※右の背景画像)⇒ 寄生蜂にはやられずに蝶になれた姿を見て、半分はほっとし、もう半分は、この寒空に飛び立っても花も仲間もなく、試練が待っているな…という思い。 その日は雨で寒く、ルリタテハは触ってもまったく反応しない。 殻から出てみたら寒くて「しまった!」と思っているんじゃないか?このまま乾涸びてしまうのだろうか? 翌日は晴れて暖か。窓を開け、試しにルリタテハがしがみついているホトトギスを窓際に置いてみた。生きているなら、可能性にかけて飛んでゆけ! しばらくしたら、蝶はいなくなっていた。 葉羽 本当に良かったですね。この経験も次の作品のインスピレーションに繋がるのでしょうか。さあ、果たして…??
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