【2010/5/31~6/1】
柳は、英語でwillow(ウィロウ)、フィンランド語でpaju(パユ)。
英語willowyは「しなやかな、柔軟な」を意味し、地味な皮をするりとむけば、滑らかで美しい薄黄緑の枝になるが、しかし…、放置するとたちまち堅く折れやすくなる。
皮をつけていてもしなやかさは徐々に失われるので“新鮮さ命”の素材だ。
この特徴は扱ってみて習得したものであって、プラン時点ではまだ充分には把握していなかった。
全長7メートル近い葉の舟を明るい色の柳で織り込むためには、たくさんの柳をむく必要があるため、Sannaがいくつかの学校に連絡し、子供達と皮むきワークショップを実施。
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皮むきワークショップ
(私のプランを理解し、がんばってくれたOlhava schoolの児童たち。)
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この間Mattiは、葉の舟の“背骨”になる構造体をつくるため、私の設計図をもとに材木をカットして貼り合わせる。
【2010/6/2】
フィンランドの人々を象徴する「Leaf Boat」は、葉の上に水滴をのせた形を表現し、その水滴が歴史を映すようにプランしていた。
水滴の形はアクリルボードによる透明な楕円形の箱型にし、底面の鏡に、開催の街Iiの人々の時の流れを映すつもりだ。
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森でタールをつくっていたころ |
~森から松を切り出して木タールを生産し、船でOuluの街に運搬して取引する男たち、冬の衣類を夏に一斉に洗濯する女たち~そんな、森や川と共にある人々の暮らしや、学校からアートセンターに再生した歴史的建造物に関わる人々の取り組みが見えるように。
そして日々の空や樹々、作品を覗き込む人々の顔も鏡に映し込み、新たなヒストリーを加えていくように。
この日は、そんな意図に合う写真を選別し、パソコンで加工する。
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燃えた学校をアートセンターに再生させた3人のアーティストたち。
(左からAntti、Sanna、Halena)
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