【2010/5/20】
18日の夜に夫がこちらへ来て、23日に発つまで数日間のフィンランド二人暮らしを楽しむ。
二人暮らしと言っても、夫婦がそろったということで、地元のアーティストたちが競うように歓待のプランを提案してくれ、全部は受けられないのでうれしい悲鳴だ。
夫の滞在中には、ビエンナーレのプレイベントとしての催し"master-class"を実施したり、こちらのアーティストたちにディープなフィンランド体験をさせてもらい、もうなんだか最大目的の作品制作の前に、この滞在の山場を迎えた気分になってしまいそうだ。
そのおかげで日記を書く余裕もなかったので、少しずつ振り返って書こうと思う。
《5/20 ビエンナーレのプレイベント"master-class"実施》
これは、プロフェッショナルなアーティストやアート関係の職種の人たちを対象とする講演やワークショップのことで、ここKultturiKauppila Art Centreが定期的におこなっているものらしい。
滞在アーティストが、その人なりのテーマで実施する。
私の場合は、Environmental Artと付いているビエンナーレに招かれたのだから、サイトスペシフィックな(作品を設置する予定の環境を作品に反映させた)自分の作品と、実行委員会代表として企画運営した[Between ECO & EGO エコとエゴのはざまで]というアートプロジェクトについて話すことを提案し、大賛成されていた。
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"Between ECO & EGO"[エコとエゴのはざまで]
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実施前の4日間は連日、英文原稿とパワーポイントで紹介する作品写真の準備の毎日。
以前に英訳してあったテキストをつなぎ合わせても、まだ原稿としては不足の部分がかなりある。
電子辞書をひっきりなしに使って英文との格闘になる。フィンランド人は、かなりの人々が達者な英語を話す。
10歳ごろから、フィンランド語以外に、英語とスウェーデン語の教育が始まるらしい。
こちらのアーティストAntti夫妻は、どちらも5カ国語程度話すし、他のアーティストもほとんどみんな流暢な英語だ。
フィンランドの教育水準の高さがこういうところにも現れている。
実施の日。定員15名は、ほとんどが常連さんらしい。つまりは、眼や耳が肥えていて、聴講者としてのレベルが高いということだ。(ドキッ。)
地元Iiの街を中心に近隣都市や遠い地方からも早々と予約して来てくれている。
参加者にまず「つたない英語を辛抱して聞いてくださいね」と言ってしまうと、温か~い空気が流れた(ような気がする)。
(私の頭上に、パソコンとつないだプロジェクターがあり、画像を投影する。)
作品の紹介が進むにつれて、参加者から共感や同意と思われる“微笑み+うなずき”が返され、熱心にメモを取る人もいて、核心に迫る質問なども挟まれた。
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