【2010/5/17】
5/10から始めた、フィンランドのIiという街での暮らしは、昨日で1週間となった。
日本にいる間に考えていたプランは、最初の1週間の間に材料購入と作品の外枠ぐらいまでは制作を進め、滞在の半ばには、いろいろなフィンランドをこの眼で見るために旅行をし、他の参加者も到着する最後の10日間には交流を楽しみながら、旅での見聞を生かして作品の最後の仕上げに邁進するーという筋書きだった。
ところが、到着するなり、心配な事態を告げられた。
これまでずっと今回の滞在制作に関してメールのやり取りをし、私の到着を心待ちにしてくれていたディレクターのLeenaさんがバイクでの転倒で怪我をしたというのだ。
私からの最後の2通のメールに何の反応もなかったわけだ。
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フィンランドの位置
(Wikipediaより) |
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◆フィンランドの乙女(Suomi-neito)
フィンランドの形は片腕の人間に似ているとされる。フィンランドでは、この姿を擬人化したものである「フィンランドの乙女 (Suomi-neito) 」がフィンランドとして描かれる。また、フィンランド語では彼女の名前によってこの国を言及する。いくつかの公式な文脈では、スウェーデンとノルウェーにはさまれたエノンテキオ周辺を腕 (kasivarsi) とし、また、フィンランド南部をスカート部分と見ている。継続戦争後、モスクワ休戦協定でフィンランドはペッツァモとカレリア地峡を失った。このとき、彼女は腕を一本失い、スカートのふちが失われた。
(Wikipewdiaより) |
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すでに病院での治療から自宅療養に移ったそうだが、頭部を打っており、まだ仕事への復帰はかなわないらしい。
このビエンナーレの重要な部分を一手に引き受けている彼女のコンピューターを、誰も開くことはできない。
物品の購入は彼女のサインが欠かせない。
運営委員の顔が、彼女の容態とビエンナーレの実施への不安で時々曇りがちになる。
私も彼女の回復と仕事への復帰を心から願いながら、物がそろわないなりに準備できる事は何かを考え、アトリエの棚の中の使える物を探して利用し、粛々と進めてきた。
今朝、Leenaさんのピンチヒッターとしてマリーさんが到着し、今後の進行について運営委員のアーティスト達と打ち合わせをしたようだ。
ようやく前に進み始めるだろう。
作品はサイトスペシフィック(作品が特定の場所に帰属する性質を持つこと。
ここでは、フィンランドとかIiの街、または設置される場所の特性を反映させた、この場所ならではの作品にすること)なものが希望されているので、いきなり作り始めるのではなく、ここで暮らしながら1週間作品プランを吟味することは正解だったと思う。
1週間の間に、ここIiの街や、このレジデンスの歴史など、いろんなことが見えてきたのは大きな収穫だった。
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ラップランド (Wikipediaより) |
昨日の日曜日は周囲のアーティストの出入りもなく、静かだった。
ひとり、作品プランに集中して、イメージがクリアになってきた。別の機会に、作品の構想について書こうと思う。
明夜には夫がこちらに到着する。わずか4日ほどの短い滞在なので、のんびりこの地を楽しめるようにプランしている。
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