【2010/5/13】
KulttuuriKauppila Art Centre。
(https://www.visitii.fi/en/kulttuurikauppila-art-centre)
まだ、かまずに一息で言うことができないが、ここが滞在場所だ。
元は学校だったこの建物は、縦長の2棟が向き合った形で建っている。
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KulttuuriKauppila Art Centre |
築170年の学校が、学校閉鎖後長い間放置されて廃墟のようになっていたところ、火事で焼け落ちてしまった。
そしてそこを文化の発信地として再建しようと団結した3人のアーティストが、資金集めをして実現したのがここである。
焼けたのは1棟だけだったので、私が滞在しているほうは180年程度になるのだろうか。
そんな古さを感じない程に、室内はきれいに塗装され、設備も申し分ない現代的なおしゃれな空間だが、アトリエには寒い国らしい幅1メートルぐらいのストーブが2本、古さの名残を見せて立っている。
暖房はセントラルヒーティングが完備しているので、この巨大ストーブはそこにあるだけ。
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Art Centre の内部 |
さまざまな国からアーティストを招いて地元に刺激を与え、周囲の学校とも連携したアート普及の活動によって再びこの地に子供たちを呼び寄せ、時々見学団体を受け入れては、ここの広報に役立てている。
今日はライブラリー関係の団体がやってきて、窓にカーテンのないアトリエで作業するわたしは、動物園のパンダの気分だ。
マネジメントも大変なことだろう。
アートの活動([Between ECO & EGO] http://www.eco-ego.net/)を企画運営したことのある身には大変さがわかり、脱帽である。
3人のうちの最年長Sannaさんのアトリエには、この活動のきっかけとなった火事を報道した新聞が保存してあった。
「お金を得るためには、いろんな作品をつくるのよ。」とちょっと照れながらファイルを見せてくれた。
「馬を所有する人は作品購入できるほどお金持ちだろうと思って、馬だけの作品ファイルをつくってみたけど、ぜんぜん興味をもたれなかった!」と、馬ファイルを苦笑して見せた。
方々でモニュメント彫刻やオブジェが収蔵されている。
つまり、そうやって、自分がつくりたい作品だけでなく、購入される道も求め続けてきたということだ。
本来は人物像彫刻や絵画などの魅力的な作品をつくる人である。
売った物の資料よりアトリエにある作品のほうがずっといいと思えた。
本業の作品テーマには、わたしのテーマと通ずる、人間の歴史という時間の積み重ねを感じさせるものが多く、お互いにシンパシーを感じてすっかり打ち解けた。
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