【2010/5/12】
フィンランド滞在2日目。昨日、あんなに疲れていたのに早朝5時に目が覚めてしまった。
簡単に朝食を済ませて、滞在を始めたKulttuuriKauppilaアートセンター周辺を歩いてみた。
正直のところ、昨日空港からセンターに着くまでに見た風景は、興ざめだった。
初夏のような東京から来た眼には、冬枯れのような色身のない樹々やどんよりした空、人家がまばらな街は、活気がなく色あせて見えた。
ともかく、今回は身を置く環境を変えてみたいことと永久設置の作品をしっかり創ることが目的なので、街がどうであろうとまあいいさ、と思っていた。
ところが今朝眺めたIi川沿いの風景は、昨日の印象を覆してくれた。
朝露を含んだ風景はしっとりとひきしまり、頭上から澄んだ鳥の声が響く。
川岸には雪や氷が解け残って、そこから水面に落とす滴の音がかすかに聴こえる。
広いIi川は静まりかえって鏡のように対岸の樹々を映し、ときおり水鳥が川面すれすれを飛び立ってゆく。
川に雲が映った淡いグラデーションのなんと美しいこと。
もし街に何もないとしても、こんなに豊かな自然を残しているだけで充分じゃないか!と思い直した。
昼前には、バスで小学生が到着。
このアートセンターの運営委員でもある地元アーティストたちが企画したワークショップに参加するためらしい。
アーティストたちは、周囲の学校に企画を持ちかけ、特別授業としてアート活動をしている。
堅苦しくない雰囲気で進めているのに、子供たちは騒ぐことも羽目を外すこともなく、楽しそうに動いている。
だから付き添いの先生が児童を注意する声は全くない。最後の振り返りトークでも、児童は進んで発言している。
突然の睡魔に襲われて、今日はこれでおしまい。
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