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その75

メグル、メグルよ、時代はグルメ

 前号の写真は卵丼で懐かしかった。ドンブリごはんに何かのっければ○○丼になるが、さすがにフリカケ丼や生卵丼は聞かない。

 グルメブームも定着し食レポ番組の多さは日本の平和社会の表れだ。

 時々、上野公園で行われる各種イベントにも多くの屋台が出て賑わう。

 屋外で歩きながら食べたり立ちながら飲んだりと、少し行儀悪く飲み食いすると、よけいに旨く感じる。

 おでんや焼き鳥などは串刺しで、元々、食べ歩きできるようになっている。

 オソマツ君のチビタの持っているオデンの形は△、○、□だが具は何だろうと問うのはグモンか。

 チクワ、ハンペン、コンニャクなど昔はさほど旨く感じなかったが、ネリモノの旨さに最近気がついたコマリモノの私だ。

「♪メグル、メグルよ、時代はグルメ」でグルメの時代と言われて久しいが、私の子供の頃の食事はツツマシイものだった。

 卵かけご飯や納豆ご飯は今でも食べるが、当時は一つの卵や納豆を兄弟で分かち合って食べた。

 生卵は黄身と白身が、ご飯にかけた時にバランスよく混ざるように注意しなければならない。

 食べ物の恨みは恐ろしく、今でも食事に関して親は兄にヒイキしていたような気がする。

 年上だから当たり前なのだが何でも兄は多めだったと思うのは単なる僻みか。

 僻み、劣等感は「生きる力」でたくましく育つが、度が過ぎるとマイナスで性格が悪くなる。

 性格だが、よく血液型や星座で性格を占うが正確ではない。

「♪そうよ、私はさそり座の女」だが「乙女座の女」では当たり前すぎるか。

「申年」で「かに座」はサルカニ合戦だが某大統領様と某将軍様は、この組み合わせかもしれない。

 食べ物に「食べ合わせ」があるように、何でも相性がある。

 昔、田舎の祖母の家に行くと置き薬屋の景品らしい「食べ合わせ注意の食物表」が壁に張ってあった。

 子供心に納得できなかったが実際にスイカを食べたあとに、梅を食べたら腹が痛くなった。先人の知恵を軽んじていけない。

 上野公園では顔見知りの方々と世間話をする事がある。年齢的には私より年上で昭和の王道、昭和ど真ん中の世代の方々だ。

 食べ物の話で卵や納豆の話になったが、生卵や納豆を入れた容器まで兄弟で争ったという。

 容器に僅かに残った卵や納豆を無駄にせず、空容器にご飯をいれて食べたらしい。

 私より上の世代だが、さすが昭和の王道、昭和ど真ん中、歩く昭和の方々はたくましい。

 ロンドンに住んでいた時ハンバーガー店で、ハンバーガーの大きさにも驚いたがセットメニューでついてくるポテトチップを、現地の人が平気でゴミ箱に捨てる姿に驚いた。

「もったいない」と思うし食べないなら始めから注文するな、と言いたくなるが、そんな英語力はない。

 過日、上野で半分以上くらい残したポテトチップを平気でゴミ箱に捨てる若い女性がいて許せないと思ったが、美人だったので許す。

 もったいないと思って何でも食べていたら美貌、容姿は保てない。

 胃袋はごみ袋ではないので余ったからといって詰め込んではならないが、ついつい残さずに食べてしまうのは、昭和おじさんの悲しいサガ県だ。

 グルメに金を使い、ダイエットで金を使いと何かと金のかかる世の中だが、はじめから食べなければ太ることもない。

 グルメといえばデパ地下だが中合二番館が閉店になりバンカンの想いだ。

 クローバーがありました。ツタヤがありました。山田がありました。

「♪そんな時代もあったねと」と時代は巡るが、デパートも一つになりデパート巡りもできない。

 デパート食堂でメロンソーダ―なんてセピア色の思い出だが、ソーダー村の村長さんがソーダー飲んで死んだーソーダーなんて昭和は残酷な時代だソーダ。

 (2017.9.5)アンブレラあつし

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