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その45

上野の若冲、上野の若輩

 間もなく梅雨になる。

 お天道様が水撒きをすれば私の水撒芸術活動もできなくなるので今のうちに活動しなければならないが、高齢化により体力が落ちているので無理はできない。

 梅雨の季節の誕生日は♪ハッピバースデイ、ツ~ユ~か。

 つーゆーかー、話題を変えるが「つーゆーかー」は今風の接続詞だ。

 過日、デザインを専攻している女子学生と上野公園で話す機会があった。水撒きおじさんに関心を持ったらしい。

 一通り水撒芸術論を語り、紙片にペンで本人の干支や星座など描き記念にあげたら喜んでいた。

 水で地面に描くのは体力がいるが紙に描くのは楽だ。これからは時々は水対応からカミ対応にして体力を温存しよう。

 紙対応は雨でも室内でもデモンストレーションできるので神対応につながる。

 紙対応といえば最近トイレットぺーパーの切れ目を見つけて紙を引き出すことがなかなかできない。

 何度くるくる回しても発見できないし発見しても指でつまめない。

 ますます高齢者が増える社会なので新幹線も含め公共のトイレは紙対応してほしい。

 紙を引き出す事をカミングアウトとは言わないが原因は紙ではなく私の指先の劣化かもしれない。

 指先を舐めてトイレットペーパーをさぐるようになったら人生もおしまいだしカミに対してなめた行為で天罰か。

 サミット前は上野公園も警備がものものしかった。

 二人組の制服警官が何組も巡回していた。

 職務質問されたら、すぐに運転免許証が出せるように準備をして水撒活動をしていたが特に何もなかったので、やや残念でもあった。

 職務に忙しい警官に変なおじさんをかまっている暇はない。

 サミットといえばオバマ大統領が広島訪問して多くの日本人はありがたかったようだが歴代の米大統領が訪問しなかったのは「謝罪」とかではなくて「引け目」があったからではないか。

 むしろ引け目をずっと持ってもらった方が核兵器廃絶には効果的だ。

 人間は多少「引け目、うしろめたさ」があった方が謙虚になる。

 私も早期退職をしたので引け目があり、みんなが定年になれば解消すると思ったが、ほとんどの同級生が定年延長なので今の自分がうしろめたく引け目がある。

 一億総活躍らしいので無職の私は非国民だが「楽隠居」はすでに死語になったのか。

 年寄りが仕事を求めて職場にでれば需要と供給の関係で安い賃金につながり資本家にとっては好都合だが労働者にとってはよくない。

 一億総活躍とは言いながら「おいしいところ」はすでに一部の人々に独占されている。格差はひろがるばかりで「貧乏人暇なし」から「貧乏人やむなし」か。

「故郷の山に向かって言うことなし」だが私の故郷の山は吾妻山だ。

 2000年に帰国して三年ぶりに見た故郷の山に言うことは「言うことなし」と言うことだった。

 英国(イングランド)は高い山がない。どこまで行っても平坦で単調な風景が続く。英国人に冒険家が多いのは母国の風景に飽き飽きしているからか。

 人生にとって苦痛なのことは「退屈」なことで、刺激、感激を求めるがシェークスピアは悲劇、喜劇か。

 ♪まるで喜劇じゃないの、迷い道くねくねだが、ちょっと古クネ。

 ♪現在、過去、未来って順番おかしクネ。

 海外日本人学校を志願した理由は日本に退屈したからだが学校にも退屈していたので海外でもやはり退屈だった。退屈は耐苦痛でウツにつながる。

 かなり前から軽いウツで時々重くなる。抗うつ剤ではないが上野水撒活動はウツの解消になっている。水を打ってウツを水で流している。

 上野の若冲(じゃくちゅう)展には人があふれ長い列ができていた。

 私は若輩(じゃくはい)で弱小(じゃくしょう)だが私の路上展は並ばなくても無料で見れる。

 芸術は並ぶ時間のない人、高い入場料の払えない人や経費を政務活動費でおとせない人にも広く開放されなければならないが若冲はジャ苦笑しているに違いない。

 (2016.6.11)アンブレラあつし

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