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その36

♪シアワスだな

 「♪シアワスは歩いて来ない」だが師走は走って来た。「♪シアワスなら手をたたこう」だが手を合わせ、たたくのは正月だ。

 「♪シアワスだな、僕は君といる時が一番シアワスなんだ」は年末だけの事なのか。

 「しわすの心、母心、押せば命の泉わく」だが12月は指圧師も忙しく走るのか。

 按摩師という言葉は最近あんま聞かないが「♪あんま~あクリスマスキャンドル」の季節になったカイ。

 今、忙しく走りまわっているのは郵便屋さんだ。マイナンバーの配達に忙しい。

 実家の母にマイナンバー配達の不在届があり再配達を音声案内で依頼しようとしたが年寄りには難し過ぎる。

 いつごろからか音声案内が普通の世の中になってしまったが一度で成功した事がない。

 何度も挑戦するが諦める事はよくある。人生何度も落伍してきたので断念することを残念には感じない。

「初心忘れろ」と卒業文集に書いたら先生らしくないと担当の先生に善意で校正されたが更生はできなかった。

 夢は覚めるからいい。夢が覚めて正気になる。覚めない夢は病気か。

 宝くじ10億円は儚い人の夢だが当たる人はいる。

 国家的買え買え詐欺ではない。

 国家的買え買え詐欺は国債だが国際問題にはならない。

 今の社会には「買え買えサギ」が舞い飛んでいる。どんどん消費しどんどん購入する事がハッピーなのだ。

 ブラックフライデーなどという日をでっち上げ消費を煽る。

 社会全体がジャパネット化している。たかだ化している。

 社長は鼻たかだかで声も高い。

 「先着100名様限定・30分以内にお申込みを」がお決まりの口上だ。

 ブラックマンデーは大暴落だがブラックフライデーは大爆買だ。

 欧米人も中国人化して買いまくる。

 いつの世も庶民は安売りに群がる。キャンデスバーゲンセールだが、このギャグ、きっと受けないと思う。

 受けないと思ってもとりあえず書いてしまうのが悲しいサガ県だ。

 イングリッドハンバーグマンはステーキな女性で男ではない。

 時々、上野で水撒き活動をしているが過日、話術が面白いと何組かのおばさんに激賞された。

 褒められれば嬉しいが、あとになってよく考えてみたら私を外国人と勘違したのかもしれない。

 日本語をネイティブのように語る変な外国人だ。

 拙い英語と片言の広東語を話す。広東語はロンドンにいた頃、短期間だが学ぶ機会があった。

 ロンドンに住む香港系中国人の子供を対象に毎週土曜日に広東語教室が現地の学校の教室を間借りして運営されており、大人向けの初級クラスに通った。

 1998年は香港が英国から中国に返還され将来に不安感を持った多くの香港人が渡英した。

 広東語の先生もその時に香港から英国に移住した方だった。

 初級クラスには他に若い男女の英国人がいたが私が漢字をすらすらノートに書くのでいつも驚いていた。

 ロンドン中華街の食堂に行き習いたての広東語で料理を注文したら1秒間に10語くらいの勢いで中国語を機関銃のように連射され、あえなく英語でアイカント、ホロー、ユアカントニーズ、ビコズ、アイム、ジャパニーズと言い訳、謝罪した。

 英語が下手なのですぐに日本人と理解してくれた。

 悔しいので店を出る時に広東語で多謝、再見(ドーツエ、ジョイギン)と言ったらシェシェ,サイチェンと北京語で返答された。北京系の店だった。

 よく見たら店先に飴色の北京ダックが何羽も吊るされていた。

 何事も知ったかぶりをしてはいけない。

 中華街では中国人のように立ちふる舞ってはいけない。

 ブランド品のこざっぱりした格好をして日本人らしく日本語とカタカナ英語を話そう。

 チップは端数を切り上げて支払い、日本人は金持ちだと中尾ミエをはろう。

 ジャパンアズナンバーワンの意地がある。

 アタックナンバーワンは「♪苦しくたって、悲しくたって」と意地をはるが涙が出るのは「♪君たち女の子」だからか。

 僕たちヒロシは男の子ではなく石原軍団の二枚目だ。

 三枚目JSBはいないが師走にランニングマンはよく似合う。

 最近は走ることも階段を昇ることもしんどいが歳のせいか、年の瀬だからか。

 何の成果もなく今年も終わる。来年は申年と申します。

 クル年なのにサル年なんておかしくもないが再来年は酉年で、さらに年をトリ年だ。

 酉の次はイヌがオスワリして待っている。犬の名はビクターか。

 時間は待ってくれないのイノシシだが暮れない年などない。信念がなくても新年は来る。

 水の流れはダムで堰き止められるが時間は止まらない。

 時間を止めようとするのはムダな事だが想定外の雨が降ればダムもムダになる。

 ムダに過ごした時間を後悔はしないが人生は航海だ。風に吹かれて彷徨う。

 (2015.12.7)アンブレラあつし

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