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その34

化石の奥の億の記憶

 月に2回以上の投稿がノルマだがノルマンディー大作戦ほど大袈裟なものではない。月イチでは物足りない。

 かと言って毎週投稿するほどの内容でもない。一度使ったギャグも懲りずにまた使ってる。おやじギャグはおなじギャグだ。

 「冗談はよし子さん、OK牧場」おやじギャグの古典だ。ウケなくても何度も使う。

 「ノルマンディー大作戦が行われたのは月曜日だった・・・。そんな噂話には、のるまんでー」としつこい。でもマイペースだ。

♪東京へは何度も行きましたね。

 昔、急行「あづま」という列車があった。福島午前8時頃発で4時間ちょっとで上野まで行く。下りは午後6時40分頃だったと思う。

 福島までは急行だったが福島から桑折か国見までの下り最終の普通列車になり深夜12時頃に最終駅に着く。

 何度か福島で寝過ごし帰る列車がなくなり終着駅で朝まで過ごしたことがある。

 昔の国鉄の駅は夜行列車も多くあり24時間開いていて朝までいられた。待合室にごろ寝できるベンチもあった。

 今は公園のベンチさえ仕切りがあり横になれない。♪気がつきゃホームのベンチでごろ寝。などは今は無理、駅の待合室さえ少ない。

 「♪気がつきゃ老人ホームのベッドで寝たきり」現代版スーダラ節か。悪い冗談はよし子さんの三平もすでにいない。

 過日のクラス会にSP氏が来たが面白過ぎる。中学時代は気がつかなかったが、やはり変人だった。変人28号だ。

 上野から帰省する時、決まってワンカップ大関と柿の種を買った。

 年末やお盆の、シーズンを除けば空いている。ボックス席に一人なので足を向かいの席に投げ出し横に寝る事もできる。

 日本酒をちびちび飲みながら外の風景をぼーっと見ているが、やがて暗くなり外は見えなくなって自分の顔が窓に写る。貧相な顔だ。

 変顔をすると窓の顔も変顔する。面白がってしばし続けるが車掌が乗車券拝見に来たのでやめた。

 車掌に見られたか。けげんそうな顔をして切符を点検して行った。

 「拝見いたします」と言われた時に「はい券」と返答し差し出したらウケたか。仕事中の乗務員にヒマジンをかまっているヒマはないか。

 ジョンレノンは忙しいのにヒマージンを作詞作曲するところがえらい。

 今のJRの職員はやたら丁寧で愛想がよすぎる。

 よく乗る新幹線では「本日はお急ぎのところ大変遅れまして誠に申し訳ございません。上野駅約1分遅れての到着です」とアナウンス。

 1分の遅れが大変な遅れという表現は慇懃無礼だ。無職でヒマージンには皮肉に聞こえる。

 営業トークなので心からの謝罪ではないのはわかるが正しい日本語ではない。些細なことで謝ると客はつけあがる。

 「お客様は神様です」は三波春夫だが「お客様は神様、仏様です」とさらに丁寧に老人ホームで言ったらウケル。

 ♪「四年たったら、また会いましょっと」東京五輪音頭だ。

 過日、上野で水撒き活動をしていたらエチオピア人と話す機会があった。いろいろ話していたら、なんとあのアベベの子供だという。

 アベベといえば東京オリンピックマラソンの優勝者だ。

 ローマでは裸足で走り優勝して有名になった。

 テレビが普及する前は映画館で短いニュース番組があった。

 ローマの石畳の道路をひたひたと裸足でアベベが走る。その褐色の顔の表情は哲学者のようだ。

 沿道の声援の中、ひたすら前を向いて走る姿が美しい。引退後、交通事故で亡くなったらしい。

 今度の東京オリンピックは5年後でスタジアムやエンブレムで何かともめているが私にとって本当のオリンピックは前回大会なので5年後に特に関心はない。

 期待もしないが開会式の入場行進曲は古関裕而作曲のあの曲をもう一度使ってほしい。

 あの時、青い空に白く五輪マークが飛行機雲で描かれ、真っ赤なブレザーの日本選手団が国立競技場に入場した。

 その時の曲は昭和の平和の行進曲オリンピックマーチだ。

 安っぽいよけいな演出はいらない。開会式は入場行進だけでいい。今はいろいろヤリスギ。便乗がオオスギ。余計なエネルギー使いスギだ。

 スギがおおすぎるとギスギスするしスギ過剰症にもなる。

 「過ぎたるは猶及ばざるが如し」だがオリンピックがイベント屋の金儲けに利用されているのでどんどんエスカレートする。

 イベント屋とマスコミがつるんで国民をあおるので始末が悪い。

 私の駄文も時々くだらなさがエスカレートするので注意しよう。人の事は言えない。

 最近、歳のせいかエスカレーターとエレベーターが混同する。

 エレベーターの事を言おうとしてエスカレーターと言ってしまったり、その逆もある。

 エスカレーターは階段が動くやつ、エレベーターは箱が動くやつ、と頭の中でイメージして確認しないと言葉を取り違える。

 頭が劣化している。

 人の名前もなかなか思い出せない。

 数年前、銀行で偶然、教え子に会った時に「先生、僕のことわかりますか」と聞いてきた。

 瞬間絶対思い出せないと感じたが、なんとその場でフルネームで名前がすらすら言えた。

 30年くらい前の生徒でクラスには45名くらいの生徒がいた時代だ。特にめだった生徒ではなかった。

 「先生よく覚えてましたね」と感心したようすだったが私はさも当然のように振る舞った。

 記憶は不思議だ。記憶の引き出しの中の奥の奥のものが何かの拍子で突然出てくる。

 前回の投稿でサイト管理者にアレンジしてもらったヒヨコの写真を見て思い出した。

 あの夜、屋台の夜店の裸電球の光にこうこうと照らされカラフルなヒヨコが狭いざるの中でうごめいていた。

 ヒヨコというより小さい球状の色々な色がぶつかり合い鳴きながらうごめいてる。

 「どの色」と夜店のおネイサンが私に聞く。しばし戸惑うが、ふと見たおネイサンの細く白い指の爪が鮮やかな青だった。

 「その青いの」と言ってとってもらった。マニュキアの青い爪の指につかまれた青いヒヨコがぴよぴよと鳴く。

 あの時の夜店のおネイサンは今は何処にいるのだろう。というより生きているのか。生きていたら何歳くらいだろう。

 店の奥で煙草をふかしていたおニイサンとは夫婦だったのか。青いマニュキアを今もしているのか。

 遠い遠い記憶がよみがえり暗闇の中を彷徨う。

 話が暗くなってきた。ブルーな話だ。強制終了する。♪ブルーブルーブルーブルーブルー シャーットダウンだ。

 森と泉に囲まれた暗い森を、彷徨い、このまま死んで化石の記憶になるのか。

 津波の地層がありました。放射能の地層がありました。地層が重なり化石の中に記憶を閉じ込める。

 「忘れない」ように閉じ込めて「忘れる」。

 化石は記憶の最終処分場だ。

 (2015.11.2)アンブレラあつし

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