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その275

昭和のGS、令和のGS(ジーサン)

 前号で話題にした萩原健一、ショーケンだが、GSのテンプターズ時代はアイドルだった。

「♪湖に君は身を投げた」なんて物騒な歌詞で始まる「♪エメラルドの伝説」が当時ヒットしたが、その後は役者として活躍した。

「太陽にほえろ」「傷だらけの天使」「前略、おふくろ様」などブレークし、「歌手」よりは「俳優」として「株」を上げたが、文字通りショーケンだけに「株」が上がったのか。

 ショーケンは芸能界では個性的な役者として評価された。

 特に「太陽にほえろ」での殉職シーンが凄くて伝説になり、ホメラレたが「♪ホメラルドの伝説」なんて歌はありませんから。

 タイガースの沢田研二も歌手以外に役者として活動する事もあったが、萩原健一ほどブレークはしていない。

「♪あの頃、君は若かった」のスパイダースのマチャアキ堺正章も、今はすっかり「ジ−サン」で、昭和の「GS」の若者は、令和のGS「ジーサン」になってしまったな。

「GS」は英語でガソリンスタンドの省略形だが、今はセルフのガソリンスタンドが増え、スタッフが居ない。

 昭和の時代は多くのスタッフが、待ち構えていて、車が入ると元気よく駆け寄ってきて、あれこれサービスしてくれる。

 車内のゴミの回収や、タイヤの空気圧、オイルチェックなどもしてくれるが、有料のオイル交換やワイパー交換に「誘導」される事もあるので要注意だ。

 ガラス拭きもしてくれて、胸元を広げた若い女性が、フロントガラスに顔を近づけてガラス拭きをしてくれる事もあり嬉しい。「ラッキー」と得した気分になる。

 オイル交換だが男性スタッフにすすめられると「今日は急いでるんで」と断る事もあったが、若い女性スタッフにすすめられるとツイツイ、「お願いします」なんて言ってしまう。

 その彼女にまた会える気がして、ガソリンスタンドに再び行ってみるが、柳の下に「どじょう」は居ないし、こんな男に「どうじょう」する人もいない。

 かつては、ガソリンスタンドのサービスが煩わしいと感じた事もあったが、高齢になると車の日常点検もおろそかになるので、今はありがたい。車に不備があれば大事故につながる事もある。

 以前、イギリスに住んでいた時も車の運転をしていたが、ガソリンスタンドは、ほぼセルフだった。

 もう20年以上前の事だ。「車検」もないので車の点検は自己責任だ。

 高速道路でエンストをおこした車が、よく道路脇に停車していて危険を感じた。「自己責任」が「事故責任」になる。

 ツーカ、何かにつけ簡単に「自己責任」というが、個人の知識や経験など、そもそも十分ではない。この歳になっても知らない事が多い。

 今、乗っている車はオートマチックだが、過日シフト表示を見たら「B」というギアチェンジがあるのに気がついた。10年近く乗っているのに、気にならなかった。

 使った事は無かったし、これからも使う事はないと思うが、ネットで調べたらエンジンブレーキや急勾配の登坂に使うらしい。

 イギリスは右ハンドルだが、ヨーロッパ大陸は左ハンドルだ。

 イギリス車の後ろに「GB」というワッペンが貼られている事が多いが、「GB」はグレート・ブリテンのことで、右ハンドルなので周囲の車は注意してほしいという意味だ。

 日本の「赤ちゃん乗ってます」みたいなことだが、日本では「G」はジーサンで「B」はバーサンとも読み取れるな。

 日本の高齢者マークも「爺」「婆」と漢字ではっきりと表示したほうがインパクトがあり、周囲の車も配慮する。

「法定速度で運転してます」とか「お先にどうぞ」なんて表示してある車もあるが、「爺」「婆」の他に「平均寿命で運転してます」「お先にどうぞ」なんてあったらウケるが、「BJ」(ブラックジョーク)になるのか。

「明るい日本」は「ブライト、ジャパン」だが、「ブラック、ジャパン」も「BJ」で、私は「ボク、ジーサン」でBGだ。

 (2025.7.19)アンブレラあつし

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