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その249

♪時には母の無い子のように…

 最近「熱射病」という言葉は聞かなくなり、「熱中症」に置き換わっているが、「熱射病」も昭和の死語に仲間入りしたのか。

 昭和の夏は、親から「熱射病にかかるから、外に出るときは帽子を被りなさい」なんて子どもに言葉かけがあった。

 帽子を被らないと、真夏の直射日光が直接頭部にあたり、頭がクラクラしたが、今は帽子を被っても地球全体が暑いので、帽子の効果が少ない。むしろ帽子の中も熱くなって頭がムレる。

 年寄りには「寒い」もツライが、「暑さ」は、さらにツライ。

 夏場の安易な外出は「危険」で、日本の夏は「金鳥の夏」だったが、高齢者には「緊張の夏」にもなっている。

 金鳥といえば、蚊取線香だが、クーラーの普及で窓を開ける機会も減り、需要も減っているのか。

 蚊取線香もだが、昔の夏の風物詩「蚊帳」も、「蚊帳の外」の時代だな。

「♪夏、夏、ナツ、ナツ、ココナツ」「♪愛、愛、アイ、アイ、アイランド」は「♪ふたりの愛ランド」だが、「♪暑、暑、アツ、アツ、ここ夏」で、日本は「♪アイ、アイ、ヒートアイランド」になっている。

 暑さ対策を工夫して時々、上野公園に出没し「水撒きアート」をしているが、夏の屋外活動には限界を感じる。

 水撒きアートは「打ち水」効果もあるが、この暑さでは「焼け石に水」で、描いた絵もすぐに暑さで「蒸発」し天国に「成仏」してしまう。

「成仏」だが、今年の2月末に実の母が、6月中旬には妻の母が、相次いで「成仏」した。

 私の母は96歳、妻の母は95歳まで生きたので「大往生」だと思うが、何歳から「大往生」という定義はないらしい。

 一般には平均寿命を越え、安らかに成仏した場合に「大往生」が使われるという。

 日本人の平均寿命だが、男は81歳、女は87歳くらいらしい。ツーことは、私の余命はあと約10年くらいだ。

 振り返れば、あっという間の70年だったので、残りの10年もアットいう間なのか。

 実母は福島、義母は米沢で、それぞれ葬式をしたが、地方によって微妙に、やり方が違う。

 二人の葬式の喪主をして、葬式後のいろいろな手続きも、ようやく一段落した。

 親が長生きするのはいい事だが、喪主も高齢になると何かと大変だ。

 お葬式をやるにあたって、お寺さんや葬儀屋さんとの交渉、その後は市役所、年金事務所等での各種事務手続きがある。

 ひとつ、ひとつ、ゆっくりでも確実にやっていくしかない。

「♪もしゅ、もしゅ、カメよ、カメさんよ」と、ノロマな自分を鼓舞しながら、モシュを務めたが、こんなダジャレをいい歳して言うボクは、きっと「成仏」はできない。

「♪時には母の無い子のように・・・」と、70年生きてきたが、これからは「♪時には母の無い子のように、海を見つめる」ことはない私だ。

※カルメン・マキの歌で、作詞は寺山修司、「ザ・昭和」の歌です。

 (2024.7.20)アンブレラあつし

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