最近「熱射病」という言葉は聞かなくなり、「熱中症」に置き換わっているが、「熱射病」も昭和の死語に仲間入りしたのか。
昭和の夏は、親から「熱射病にかかるから、外に出るときは帽子を被りなさい」なんて子どもに言葉かけがあった。
帽子を被らないと、真夏の直射日光が直接頭部にあたり、頭がクラクラしたが、今は帽子を被っても地球全体が暑いので、帽子の効果が少ない。むしろ帽子の中も熱くなって頭がムレる。
年寄りには「寒い」もツライが、「暑さ」は、さらにツライ。
夏場の安易な外出は「危険」で、日本の夏は「金鳥の夏」だったが、高齢者には「緊張の夏」にもなっている。
金鳥といえば、蚊取線香だが、クーラーの普及で窓を開ける機会も減り、需要も減っているのか。
蚊取線香もだが、昔の夏の風物詩「蚊帳」も、「蚊帳の外」の時代だな。
「♪夏、夏、ナツ、ナツ、ココナツ」「♪愛、愛、アイ、アイ、アイランド」は「♪ふたりの愛ランド」だが、「♪暑、暑、アツ、アツ、ここ夏」で、日本は「♪アイ、アイ、ヒートアイランド」になっている。
暑さ対策を工夫して時々、上野公園に出没し「水撒きアート」をしているが、夏の屋外活動には限界を感じる。
水撒きアートは「打ち水」効果もあるが、この暑さでは「焼け石に水」で、描いた絵もすぐに暑さで「蒸発」し天国に「成仏」してしまう。
「成仏」だが、今年の2月末に実の母が、6月中旬には妻の母が、相次いで「成仏」した。
私の母は96歳、妻の母は95歳まで生きたので「大往生」だと思うが、何歳から「大往生」という定義はないらしい。
一般には平均寿命を越え、安らかに成仏した場合に「大往生」が使われるという。
日本人の平均寿命だが、男は81歳、女は87歳くらいらしい。ツーことは、私の余命はあと約10年くらいだ。
振り返れば、あっという間の70年だったので、残りの10年もアットいう間なのか。
実母は福島、義母は米沢で、それぞれ葬式をしたが、地方によって微妙に、やり方が違う。
二人の葬式の喪主をして、葬式後のいろいろな手続きも、ようやく一段落した。
親が長生きするのはいい事だが、喪主も高齢になると何かと大変だ。
お葬式をやるにあたって、お寺さんや葬儀屋さんとの交渉、その後は市役所、年金事務所等での各種事務手続きがある。
ひとつ、ひとつ、ゆっくりでも確実にやっていくしかない。
「♪もしゅ、もしゅ、カメよ、カメさんよ」と、ノロマな自分を鼓舞しながら、モシュを務めたが、こんなダジャレをいい歳して言うボクは、きっと「成仏」はできない。
「♪時には母の無い子のように・・・」と、70年生きてきたが、これからは「♪時には母の無い子のように、海を見つめる」ことはない私だ。
※カルメン・マキの歌で、作詞は寺山修司、「ザ・昭和」の歌です。
(2024.7.20)アンブレラあつし |