前号の写真は懐かしい中学校の校舎の風景だ。
石川啄木の歌に「盛岡の中学校のバルコンの手すりに、もう一度、我を寄らしめ」というのがある。
バルコンはバルコニーで、旧制中学校の洋風建築には校舎中心にバルコニーがよく見られた。
福島県では現存する旧制安積中学校校舎(現、安積高校)にもバルコニーがある。
私達が卒業した中学校は、かなり前に移転し校舎は取り壊され、今は私立高校のグランドになっている。
周りの風景もかなり変わったが、少し場所を変えれば西側には、吾妻連峰、東側には阿武隈川の土手が見える。
当時の校舎はないが、それでも、あの場所に立てば、何か感じるものがあるのだろうか。
何かを感じても啄木のように表現する文才が私にはない。
文サイなくて御免なサイ。
また、啄木の歌に「不来方のお城の草に寝転びて、空に吸われし十五の心」というのもある。
校舎写真の時計塔っぽいところの下あたりに、ちょっとした芝生のスペースがあり、当時、所属していた陸上競技部で準備運動や補強運動などに、その場所を使っていた。
練習が終わり、芝生に寝転んで空を見上げれば青い空だった。
空に吸われし十五の心だが、七十近くなれば、天に召されしだな。
◆「♪学生時代」母校バージョン
♪蔦の絡まるチャペルで、祈りを捧げた日
・・・蔦の絡まるチャペルはなかったが、教室では女子生徒同士が長い間、おチャペリしていた。
♪夢多かりし、あの頃の想いでを辿れば
・・・夢多かりし、あの頃の青春の夢は、夢の中で獏にバクバク食べられたに違いないが、獏だけに「爆食」なんちゃって。
♪懐かしい友の顔が一人一人、うかぶ
・・・一人一人うかぶだが、久しぶりの同級会で「誰でしたっけ?」なんて言われたら当人は悲しくて、うかばれないな。
♪重いカバンをかかえて、通った、あの道
・・・自転車通だったので、重いカバンはかかえなかったが、友人を後ろに乗せて二人乗りした時はペダルが重かった。
♪秋の日の図書館のノートとインクの匂い
・・・秋の日だけでなく図書館には、あまり行かなかった。あの時もっと本に親しんでいたら、もっとマトモな文章が書けたのか。
♪枯葉の散る窓辺、学生時代
・・・窓辺から、友人を吊すという無謀な遊びがクラスで流行したが、幸い友人が地面に散ることはなかった。
♪胸の奥に秘めていた、恋への憧れは
・・・昭和の青春純愛、昭和過ぎて泣ける。
♪いつも儚く破れて、一人書いた日記
・・・儚く破れても、日記を破いてはいけない。
ツマラナイ儚いギャグを、一人書くボクです。
(2023.4.8)アンブレラあつし |