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その216

「♪学生時代」母校バージョン

 前号の写真は懐かしい中学校の校舎の風景だ。

 石川啄木の歌に「盛岡の中学校のバルコンの手すりに、もう一度、我を寄らしめ」というのがある。

 バルコンはバルコニーで、旧制中学校の洋風建築には校舎中心にバルコニーがよく見られた。

 福島県では現存する旧制安積中学校校舎(現、安積高校)にもバルコニーがある。

 私達が卒業した中学校は、かなり前に移転し校舎は取り壊され、今は私立高校のグランドになっている。

 周りの風景もかなり変わったが、少し場所を変えれば西側には、吾妻連峰、東側には阿武隈川の土手が見える。

 当時の校舎はないが、それでも、あの場所に立てば、何か感じるものがあるのだろうか。

 何かを感じても啄木のように表現する文才が私にはない。

 文サイなくて御免なサイ。

 また、啄木の歌に「不来方のお城の草に寝転びて、空に吸われし十五の心」というのもある。

 校舎写真の時計塔っぽいところの下あたりに、ちょっとした芝生のスペースがあり、当時、所属していた陸上競技部で準備運動や補強運動などに、その場所を使っていた。

 練習が終わり、芝生に寝転んで空を見上げれば青い空だった。

 空に吸われし十五の心だが、七十近くなれば、天に召されしだな。

◆「♪学生時代」母校バージョン

♪蔦の絡まるチャペルで、祈りを捧げた日
 ・・・蔦の絡まるチャペルはなかったが、教室では女子生徒同士が長い間、おチャペリしていた。

♪夢多かりし、あの頃の想いでを辿れば
 ・・・夢多かりし、あの頃の青春の夢は、夢の中で獏にバクバク食べられたに違いないが、獏だけに「爆食」なんちゃって。

♪懐かしい友の顔が一人一人、うかぶ
 ・・・一人一人うかぶだが、久しぶりの同級会で「誰でしたっけ?」なんて言われたら当人は悲しくて、うかばれないな。

♪重いカバンをかかえて、通った、あの道
 ・・・自転車通だったので、重いカバンはかかえなかったが、友人を後ろに乗せて二人乗りした時はペダルが重かった。

♪秋の日の図書館のノートとインクの匂い
 ・・・秋の日だけでなく図書館には、あまり行かなかった。あの時もっと本に親しんでいたら、もっとマトモな文章が書けたのか。

♪枯葉の散る窓辺、学生時代
 ・・・窓辺から、友人を吊すという無謀な遊びがクラスで流行したが、幸い友人が地面に散ることはなかった。

♪胸の奥に秘めていた、恋への憧れは
 ・・・昭和の青春純愛、昭和過ぎて泣ける。

♪いつも儚く破れて、一人書いた日記
 ・・・儚く破れても、日記を破いてはいけない。

 ツマラナイ儚いギャグを、一人書くボクです。

 (2023.4.8)アンブレラあつし

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