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その213

ジャドーボクシング

 前号で変わりゆく福島の街を話題にしたが、洋菓子店ナカツネやオジマパン屋、プリンパンの光月堂は今でもあるのでスゴイ。

 最近のケーキ屋やパン屋、レストランは、やたら横文字が多くフランス語やイタリア語、スペイン語などラテン系のネーミングが流行で、アルファベットのみの表記が多く店名が覚えられない。

 ツーカ、覚えてもすぐに忘れる。

「あれ、あれ、あそこに新しい店、でぎだべした。何つったけ?、ナポリタンとか、ピザ出すどご」なんて会話が高齢者間では多くなる。

 横文字でなくても漢字や平仮名、カタカナの表記で妙にひねった外国語との組み合わせも多く意味不明で覚えられない。

 購買力のある高齢者を相手にビジネスをするなら高齢者が覚えやすい店名にしたほうがリピーターを増やせると思う。

 分かりにくい読み方は「ふりがな」もつけてほしい。記憶は視覚の文字と聴覚の音声で定着する。

「リピーター」だが、ディズニーランドの年間パスポートを持つ人を「リピーターパン」とは言いませんから。

 令和元年の夏に合同同級会を実施したのだが、会場が「ラコパふくしま」という場所で、何人かから場所の問い合わせがあった。

「そごは、あれ、もどの労働福祉会館で市立図書館のちかぐ」「エギがらは少し遠いげども、稲荷神社とか新浜公園のちかぐ」と説明すると、「わかった、ネットで調べてみる」と返答される。

 内心「だったら、初めから聞く前に調べんかい!」と思ったが、ここは「じっと我慢」だ。

「調ベンカイ!」なんて返答し、人間関係が悪くなっても「弁解」できない。

 会場の打ち合わせで、ラコパの職員に名前の由来を聞いてみたが分からないという。

「レパコという洋菓子店と間違われる事はないですか」と聞いてみたが、それはないですと女性職員にピシャリと言われた。

 即、返答されたので、「何か気に触るような事を言ったのか」と思わず自問してしまったが、場を持たすために、安易によけいな事は話題にしない方がいいな。

 前記した「じっと我慢」は「ずっと我慢」でオトナは沈黙に耐える耐性が必要だ。

「今までずっと我慢してきたのだから」と爆発してキレル人もいるが、ずっと我慢してきたのだら、これからも「ずっと我慢」してた方が結果いい事も多くある。

 最近は、昔からある店名でも時々思い出せないことがよくあり、居酒屋の「岩瀧」や「たこ寅」がなかなか思い出せなかった。

「川虎」は数年前に閉店になっていてショックだったが、これで「たこ寅」も無くなると私はトラウマになるのか。

 昔、「野性の王国」というテレビ番組があり、トラがウマを襲い内臓を食う残酷なシーンを見てトラウマになった午年のボクです。

 ネーミングだが最近ネーミングライツが横行し、福島でも多くの公共施設が○○体育館や○○運動場になっている。

 ○○ってスポンサーなので契約が切れると変更もあるので覚えにくい。

 施設の維持管理に経費がかかるので、その対策なのだろうが何事もやりすぎてはいけない。

 例え赤字になっても神宮球場が「ヤクルト神宮球場」なんて変だし、東京ドームを「読売東京ドーム」なんてしてほしくない。

 スポーツの商業主義だが、場内のフェンスなどに広告があるのは昔からで、まーいいが、選手のユニフォームにやたら宣伝のために商品名をつけるのにも違和感がある。

 最近は見ないが以前、地元のサッカーチームのユニフォームに「ふくしまの米」なんていう表示があってドン引きしたが、米だけに「丼」引きか。

 少しでも広告料が欲しいという運営会社の意向だろうが何事にも限度がある。

 プロなら技を見せて稼ぐのが本来の姿で、ユニフォームの宣伝で稼ぐのは邪道だ。

 高村光太郎の詩に「僕の前に道はない。僕の後ろには道ができる」という一節があるが、ボクの後ろにできる道は「邪道」で、一人「ジャドーボクシング」をするボクです。

 (2023.2.25)アンブレラあつし

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