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その201

それを言っちゃーオシマイだよ

 英国の新しい首相がトラス氏に決まった。

 当初は対立候補のスナク氏が有利だったらしいが、保守党の党員選挙で逆転した。

 テレビや新聞ではトラス氏の勝因をイロイロと分析し、もっともらしい事を言っているが、彼女の一番の勝因をずらして報道しているマスコミが多い。

 私に言わせれば、スナク氏が負けたのは彼が「インド人」だからだ。英国の国籍はあるがルーツがインドからの移民で肌も褐色だ。

 先進国で、民主主義と人権の国を自認する英国なので「人種差別、偏見」はあってはならないこと、タブーで、彼の本当の敗因を報道しないし出来ない。

 ダイアナ妃が英国王室からバッシングされたのは、彼女の新しいパートナーがエジプト人だったからで、最近はメーガン妃が何かと話題になるが、理由は彼女が黒人だからだ。

「それを言っちゃ、おしまいだよ」は寅さんの台詞だが、どの世界にも業界にも、「それを言っちゃーオシマイ」になる事がある。

 安部元総理の国葬についても、現総理が「やっぱ、やーめた」と言えればいいのだが、「それを言っちゃーオシマイ」なので今さら止める訳にはいかない。

 そもそもだが、安倍元総理殺害事件についてマスコミ報道に、かなりのアオリ報道があった。

 何度も何度も殺害シーンの映像がテレビで報道され「凶弾に倒れた悲劇」が日本全国に伝わった。

 また、各地での一般市民の献花のようすも連日大きく取り上げられ、弔意を表わすとか言って、半旗を揚げた自治体や学校も多くある。街頭インタビューも当然のごとく故人を惜しむ発言一色になる。

 そんな雰囲気の中で、普段は「決断できない」現首相がウケねらいとノリで「国葬」に決断したが、犯人の動機が解明されてくると微妙に風向きが変わってきた。

 あの時はマスコミの報道に煽られて「決断」した現首相だが、今は逆風の中にいる。

 もしも安部元総理が最大派閥安部派の長に、今も君臨していれば、旧T教会と自民党の癒着や東京オリンピックのスキャンダルも公になることはなく闇に葬られていただろう。

「国葬」の理由の一つは長く首相を務めた事らしいが、そのことが、マスコミ、検察、官僚の元総理に対する「忖度」の原因になった。

「ソンタクは周りが勝手にやったこと、自分とは関係ない」と言い訳もできるが、人の上に立つ者が「それを言っちゃーオシマイ」だ。上に立つ者は周りを監督する義務と責任がある。

「秘書が、秘書が」と、秘書のせいにして逃げる政治家が多いが、「ヒショ」で、のがれるは軽井沢だけにしてほしい。

 おしまいに書いたこのギャグ、「それを言っちゃーオシマイ」だったな。最近の温暖化で軽井沢も昔のような避暑地でもないらしい。

 昔、学生の時に中軽井沢から軽井沢まで一人で歩いた事があるが、北原白秋の詩のような風景だった。

  からまつの林を過ぎて、からまつをしみじみと見き。

  からまつは、さびしかりけり。たびゆくは、さびしかりけり。

 最近、昔の記憶が突然よみがえることがあるが、「たびゆくは、さびしかりけり」なんて昭和おじさんも「胸キュン」だ。

 (2022.9.10)アンブレラあつし

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