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その194

スポーツ観戦は人間鑑賞

 今はイロイロなスポーツがビジネスになり、テレビでも多様なスポーツ中継があるが、昭和の昔はスポーツのテレビ中継と言えば、「相撲、野球、プロレス」だった。

 プロ野球中継だが、最近は地上波よりBSが多い。

 地上波によくある、出演者だけが内輪で盛り上がっているバラエティー番組にはついていけないので、暇つぶしに何となくBSのプロ野球中継を見ることがある。

 以前は投球時にピッチャーを正面から映すことが多かったが、今はボールの球種や打った瞬間がわかるようにセンター側から映すので、バックネットにいる人のようすがわかる。

 まず思うのが、あのバックネット席の値段だ。一体いくらぐらいするのだろう。

 昔は会社の重役風の男性が多かったような気がする。

 会社の接待とかにも使われていたのか。

 最近は若い男女もよく見るが、中年の男女だと不倫関係ではないのかなどとゲスの勘ぐりをする。

 全国放送される、あの席での密会はアウトだが、互いに寄り添って体が触れ合えば、タッチアウトだな。

 マスクに帽子、サングラスをすればいいが、よけい目立つか。

 よく見ると階段通路をビール売りの若い女性の売り子さんが、上り下りしている。

 背中にビールのタンクを背負っているが、あれはかなりの重労働だ。

 失礼だが、そのせいか足が太い方が多いような気がする。

 ツーカ、細い足では、あの重労働には耐えられない。

 労働持久力も必要だが労働時給は、いくらなのかも気になる。筋トレも兼ねての仕事と思えば「筋トレで金取れ」か。

 男女平等社会だが、男性のビールの売り子さんもいるのか。

 男性の客からすれば、若い女性の方から買いたいと思うのは、中年オジサンの不謹慎な考えだな。

 かわいい売り子だからといって、ビールを買って飲み過ぎるとトイレが近くなって、大事な試合の場面を見逃すので注意だ。

 観客の高齢化がさらに進めば、売店で安心パンツが売られる日もくるのか。

 安心パンツを、若い女性の店員からは買うのは抵抗がある。

 プロ野球に女性客がもっと増えれば、若いイケメンの売り子青年が登場するかもしれないが、ビールだけでなくワインやシャンペンまで売るとホストクラブになってしまうな。

「氏名打者」「指名打者」は野球用語だが、売り子の「ご氏名」「ご指名」はマズイ。

 プロ野球より、観客の顔が見えるが相撲中継だ。

 今はコロナで全員マスクなので分かりにくいが、コロナ以前は土俵近くの席だと個人の顔認定ができた。

 よく見ると芸能人や有名人の顔も見かける。

 地元力士「若隆景」の活躍もあり、以前よりよく相撲中継を見るのだが、土俵近くの席に、ひときわ目立つ「レディー」がいる。

 テレビ画面では左側の下のあたりに、よく見かける。

 テレビをつけると、まず、その「レディー」を探してしまうが、彼女は一体何者なのだ。

 マスクをしているが、見るからに令嬢風だ。

 警察が個人の身元を調べるためには捜査令状が必要だが、「捜査令嬢」なんちゃって。

 相撲もよくリプレイ放送するが、力士の後ろに映る観客のリアクションや表情が面白い。

 スローモーションリプレイを観察すると、立ち会い時の緊張した顔から、熱戦中の必死の応援姿、負けたときの残念な表情、最後は両手を大きくたたいて両力士を賞賛し、一連のドラマを見るようだ。

 コロナ以前は番狂わせがあると、観客席から座布団が土俵に投げられ、なかなかスゴイ。

 土俵間際の席を砂かぶり席というが、あそこで幕の内弁当は食べにくいな。

 冒頭であげた「プロレス」だが、プロレス中継を見ると自分もリングで戦っている気分になり、試合に没頭するので、リングサイドの観客を観察する余裕はない。

 レフリーのカウントが速かったり、遅かったりすると、テレビの中のレフリーを指さして抗議する昭和単純少年のボクでした。

 (2022.6.4)アンブレラあつし

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