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その191

♪やりたいこと、やったもん勝ち…

 コロナが終息しない。

「♪私待つわ、いつまでも待つわ」なんて歌があったが、コロナの終息を待っていたら人生が終わってしまう。

「人生、好きな事やったもの勝ち」なので、時々上野公園に行って水撒きアートをしている。

 過日、上野公園で「女性」に「こんにちわ、お久しぶりです」と挨拶された。

「私、わかりますか」と聞かれるが思い出せない。

 上野公園では、多くの人に会っているので記憶には限界がある。

 彼女が「私、Kです」と言ってマスクを取ったが、なんとかつて上野でよく話しをしていたKさんで、Kさんは60歳くらいのおじさんだったはずだ。

 つまり目の前のKさんは「女装」していたのだ。

 今まで私の知人に、そういう趣味の人はいなかったので驚きだった。

 久しぶりにビックリしたが、せっかくなので、根掘り葉掘りいろいろ聞いてみた。

 彼は奥さんを病気で早く亡くし、男手一つで息子を育てたが、その子も今度結婚して一人の生活になったという。

 ご両親も既に他界して全くの自由な立場になった。

 ある時、亡くなった奥さんのネックレスやイヤリングなど、試しに着けているうちにハマッタらしい。

 彼は体が小柄なので整理できなかった奥さんの愛用の衣類も着ることができるという。

 以前、彼の顔を描いた事があったが、今度は今の顔を描いてほしいという。

 わかりましたと言って紙を取り出し、描こうとしたがペンが止まって描けない。

 今までにない経験だ。目の前の「彼女の顔」に、以前の「彼の顔」が浮かび上がり頭が混乱しているのだ。

 自称芸術家としてプライドもあるので描けませんとは言えない。

 とりあえずテキトーに描いて渡したら喜んでくれた。最後に彼の希望で一緒に写メをとった。

 後日、送られてきたメールの写真だが、彼はニコヤカな顔をしているのに、私の顔は緊張でひきつっていた。

「女装」だが、「人生、ジョソウして、踏み切り、ジャンプ」する挑戦も楽しいのか。

 私はジョソウに踏み切れず、ジャンプする前にきっとコケル。

「好きな事、やったもん勝ち」で、忍たま乱太郎の歌「♪100パーセント勇気」にも「♪やりたいこと、やったもん勝ち、青春なら」とあるが、青春が終わって高齢になっても、「♪やりたいこと、やったもん勝ち」だな。

 やがて超高齢者になり、やりたい事もできなくなる日も遠くはない。ツーカ、何がやりたいのかも分からなくなる。

 これを歌ったのは「光るGENJI」だが、彼らも中年になり、中には頭が「光る」GENJIになっているメンバーもいるのか。

 今は高品質のカツラもあるので、ハゲも隠せるが、前記した「女装」も「カツラ」も変身願望という意味では共通のものがある。

「変身願望」は一字違いで「変態願望」になるので注意だが、男が下着まで「女装」すると「変態」になるのか。

「変身」はウルトラマンだが、プーチンもゼレンスキーも早く「変心」して欲しい。

 プーチンはロシアの英雄、ゼレンスキーもウクライナの英雄、あんたらは偉い、あんたが大将、それぞれの国のウルトラマン、だから「変心」だ。

 プーチンはプッツン、プーチンで大悪人だが、ゼレンスキーも個人的に好きには、なれんスキーだ。

「最後まで戦う、絶対降伏はしない」と言い続けている彼だが、戦前の日本の戦争指導者と重なるものを感じる。

 あんたがタイショウ、僕らはショーワ、今はレイワだが、ほのぼのレイワの時代になってほしい。

 ツーカ、世界が平和にならないと老後が楽しめない。

 年金生活で限られた収入の中、小さな楽しみを見つけて細々と生きる隠居生活、これが昭和の正しい老後の生き方だ。

 黒澤明監督の映画「生きる」の中で歌われた「ゴンドラの歌」に、「♪命短し、恋せよ乙女、朱き唇、あせぬまに」とあるが「♪老後短し、遊べよ爺婆」のためには、世の中が平和な事が大事だ。

 主演の志村喬が公園のブランコをこぐ姿は印象的だが、志村ケンがこぐと公園の「変なオジサン」になるのか。

 志村ケンも突然の「命短し」で人生は儚い。

 人生はハカナイが、私はナカナイ。

 (2022.4.23)アンブレラあつし

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