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その183

新年あけまして「元気ですかー、元気があれば、運気もつかむ」

「新年、おめでとうございます」・・・何がメデタイかって、こうやって生きている事か。

 気がつけば、いつの間にか多くの知人がこの世にオサラバして、あっ
ちの世界にいる。

 生きているって、実はあたりまえの事でもなく、運がイーことなのだ。運が悪ければ、とっくにサヨナラで、いくつ命があっても足りない。

「さよなら、サヨナラ、さよなら」は映画評論家、淀川長治のセリフで、「さよならだけが、人生だ」は井伏鱒二の漢詩の一節「人生足別離」の邦訳らしい。

 私も、いつかは「さよなら」と言って、この世を去る時がくる。

 それがいつになるのかは分らない。

「人は死ぬまで生きる」それが「寿命」だ。

 今年は「寅年」で、既に亡くなった実父も義父も寅年だった。

「虎は死んで皮残す、人は死んで名を残す」だが遺族としては「名」より「資産」だな。

 この資産だが「現金」が絶対にいい。不動産は売却できてナンボのものだし、有価証券も売却して「有価」になる。

 て、ユーカ、売れなければタダの紙切れだ。

 日本人学校時代に、学校理事だった銀行員と話した事がある。

 授業料値上げが話題になっていた時だ。

 私立学校なので授業料無償ではない。

 詳しい数字は覚えてないが首都圏の有名私立小・中学校よりは安かったと思う。

 外務省からの天下りの当時の事務局長は、値上げには消極的だった。

 自分の在任期間中は値上げしないで「先送り」したかったのだろう。

 理事会の中で若い銀行員が、電卓を取り出して学校の財務状況を計算した。

 事務局長は学校敷地などの不動産も資産価値に計上しようとした。

 ロンドンの住宅街で敷地は広く、それなりの資産価値はある。

 建物はビクトリア時代のレンガ造りでカッコいい。映画のロケにも使われたらしい。

 しかし、銀行員の意見は明確で、現金で入る授業料と持続性のある政府の補助金や半強制?の企業の寄付金以外はアテにならないと言う。

 経費を手持ちの現金で運営するのが大原則と主張し、結局授業料値上げをした。

 理事会のあと、彼が私に「今すぐに使える金が本当の資産で、預金で言えば普通預金です。大きな声では言えませんがね」とそっと囁いた。

 日本を代表する銀行のエリート社員の言葉だけにリアルだ。

 最近の銀行は規制緩和で保険や投資なども手がけ商売しているが、やっぱ無条件に使える「現金」なのだな。

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」なんていう諺もあるが、いまさら、この年になって「虎穴に入る」リスクを取る必要はない。

 今のままでいい。少ない年金を「虎の子」のように大事にする質素な暮らしで満足だ。

 M氏のように宇宙旅行したり、金をばらまいて話題になってマスコミからチヤホヤされて喜ぶ必要もない。

 大金持ちのM氏が自分の金を何に使おうが勝手だが、彼は直属の部下や、その下で働いた従業員、派遣社員、バイトの人に少しは還元する気持ちはなかったのか。

 自分の才覚だけで「儲けた」と思っているのだろうが「独り占め」はよくない。

 ツーカ、「宇宙旅行」って、彼女にフラレタ「傷心旅行」じゃね。宇宙から元カノの家でも探していたんじゃね。

 ナンテ書いてはみたが、きっと貧乏人のヒガミだな。

 日本にはいろんな神様がいるが「貧乏神」を祀る神社ってあるのか。

 祀られる神社がないので、アチコチに出没する貧乏神だ。

 この際、貧乏神を祀る大社をつくって日本中の貧乏を集めてはどうか。

 リンボーダンスという踊りがあるが、例大祭の奉納踊りは「ビンボーダンス」なんちゃって。

 神社にオミクジは、つきものだが、貧乏大社は「貧乏クジ」か。

 でも、人生は「運気」がなくても「元気」があればいい。

「元気ですかー、元気があれば何でもできる」はアントニオ猪木で、「アン時の元気」を回復してほしい。

 (2022.1.1)アンブレラあつし

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