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その177

地獄門

 前に、昭和少年の夢は「オリンピックで金メダル」なんて書いたが、「ノーベル賞」も昭和少年の永遠の夢だ。

 今回、米国在住の90歳の日本人科学者が受賞した。

 90歳での受賞だが、彼の研究は若い時からで、そのライフワークの研究が評価された訳だ。

 長生きするといいことがあるな。あの世で評価されるより、この世で評価されたほうが嬉しいに違いない。

 この世でも、あの世でも評価されそうにない「芸術家」の私だが、飽きもせず時々上京しては上野公園で水撒きアートをしている。

 コロナ禍で新幹線はガラガラだったが、今後は混み合ってくるのか。

 ガラガラの車内に慣れてしまったので、混み合って隣席に座られたりするとツライ。

 3人並びの真ん中だったらデッキに居た方が気楽だ。

 ソーシャルデスタンスが定着すると、従来の「密着」にはなかなか戻れない。

 常時、携帯イスを持ち歩いているので、デッキで携帯イスに座りケータイをいじる形態は、車掌や警備員に怪しまれる。

 コロナ以前に同じような事をしていたら、親切な車掌さんに「車内の席が空いてますよ」と言われてしまった。

 皆様に心配かけてはいけないな。

 上野公園で、出会った方々の、私を話題にしたブログを見ると、古いものは2012年とある。

 来年でホボ10年目の活動になるが、「10年一昔」、よく続いているなと自分でも感心する。

 ツーカ、「他にやることが無いのか」と言われれば、「無い」と答えるボクです。

 この10年の間にいろんな人と出会ってきたが、その中の1人で、もう一年以上、会えなくなったSさんという方がいる。

 台東区在住で私より一回りくらい先輩の方だが、私と話しが合って会話が面白い。

 いろんな世間話しの中で、その方が建てた家族のお墓が、偶然にも私の母の実家のお寺の隣のお寺にあるという。

 Sさんは最近は、お寺に行ってないので、どうなっているのか心配だと言っていた。

 私の親族の法事が3年前にあった時、ついでにSさんの家のお墓を訪ね、お墓の写真を撮ってきて本人に渡したら、大変喜んでくれた。

 上野では多くの出会いがあるのだが、基本的に「一期一会」なので親しくなっても連絡先の交換はしない。

 Sさんだけは写真の事もあったので携帯電話の番号だけは聞いていた。

 長い間、会えないので過日、彼の携帯に電話したが、「おかけになった番号は現在使われておりません」との返答。

 うーん、何かあったのか。そういえば心臓が悪いのでペースメーカーを入れていると言っていた。

 コロナは基礎疾患があると重症化するというが、「もしかしたら、もしか」だ。

 また、よく会っていたKさんという方がいた。

 私より少し年下で昨年、上野から町田に引っ越したらしい。

 メルアドの交換をしたので以前は、たまにメールのやりとりをしていたが最近はない。

 彼も基礎疾患があり週三回の透析をしていたので心配だが、メールをして返信がないとよからぬ想像をしてかえって悩む。

「♪もしかして、もしかして」だが、「もしかしてパートⅡ」の他に「もしかしてパートⅢ」という歌もあるらしい。

 有名人や芸能人の訃報が続くが、何年か前に既に亡くなっていたことに気づかず、今になって新ためて知ることも多い。

 前号でゲートボールを話題にした。ゲートは和訳すると「門」だが、あの時のお年寄りの多くは既に、あの世へのゲートをくぐってしまったのか。

 上野公園内の西洋美術館に前庭には、ミケランジェロの作品から影響を受けたロダンの「地獄門」という大きな作品があるが、私がくぐる門はきっと地獄門だな。

 地獄門の上部には「考える人」が彫られている。今まではそんなに丁寧には見なかったが、今度はその他の部分も何が彫られているのか、よく見ておこう。

 陽明門で有名な日光東照宮には「眠り猫」という言う作品があるが、ミケランジェロが猫の彫刻をすると、「三毛」ランジェロなんちゃって。

 ロダンの「考える人」だが、私のようなダジャレはきっと考えていない。

 ロダンにムダンで「考える人」の想いを妄想している不謹慎な私は、地獄門も「門前払い」になるかもしれない。

 (2021.10.8)アンブレラあつし

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