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その171

昭和宴会物語

 昔、当時の若者の気質を表わす言葉で「三無主義」無気力、無関心、無責任なんてのがあったが、今回のオリンピックはホボ「無観客」だ。

 そのオリンピックだが、実施運営の最終的な権限と責任の所在が、東京都なのか、国なのか、IOCなのか最後までアイマイだ。

 どんな組織でも、最終的な権限を持つ人を決めておかないと混乱する。そして権限と責任は表裏一体で、権限を持つ人は責任を伴う。

 うまくいけば、自分の手柄にして、失敗すれば人のせいにするのは世の常だが、例え赤字になっても「金では得られないものがあった」なんて言い訳するに違いない。

 また赤字になっても、いつものように国が赤字国債を発行してチャラにすればいい。

「若人の祭典」は「若人の債券」になって未来に引き継ぐ。

「無観客」だが、サスガに「無中継」は絶対ない。「無中継」にしたらマスコミ業界の儲けがなくなる。

 A新聞は「オリンピック中止」の社説を掲載したが、オリンピックの「無報道」はしない。

「それはソレ、これはコレ」のご都合主義だ。

 夏の高校野球も今年は実施だが「高校野球は別なんです」と言い訳するな。

 マスコミはネタで稼ぐ。ネタはコンテンツで多ければ多いほどいい。

 ネタのためには「ネタ子も起こして」面白く報道するのが今のマスコミで、世間を程よく騒がしくして、不安も煽りながら商売する。

 車のアオリ運転は厳罰だが、マスコミは報道の自由でアオリ報道に規制も罰もないのでエスカレートする。

 ツーカ、そのマスコミ報道を「楽しむ」多くの視聴者がいるので仕方ないか。

 オリンピックに反対している方々も多くは、多かれ少なかれテレビ中継は見ると思うが、大反対した人は、隠れてそっと視聴するのか。

 手のひらをかえすように、前言は忘れてオリンピック三昧になる人もいるような気がするが、前言はドンマイでテレビザンマイだな。

 なんて相変わらず愚痴の多いグッ爺さんの私だが、不満がたまっているのか。

 昔から高齢者に愚痴が多いのは、潜在的な不満があるのだな。

 私の不満の一つが、非常事態宣言で、楽しみにしていた有志の東京クラス会が、またまた延期になってしまった事だ。

 クラス会をノンアルにして酒を飲まなければいいのだが、オジサンの辞書に「ノンアル」という言葉はない。

 最近の「ノンアル」は、昔と比べてかなり進歩し結構イケるが、リアルに酔うことはない。

 ソレっぽい容器を「プッシュー」とあけ、冷えたグラスに注ぐと、何かその気にはなるが、やっぱ酔わない。

「酒宴」だが、最近は人に「酒をつぐ」という事があまりない。

 ビールはジョッキだし日本酒も冷酒でグラスで飲むことが多い。

 若い頃、職場の宴会で、先輩に酒をつごうとしたら、「先ず校長先生、そして教頭先生に酒をついで来なさい」とゴ指導された。何事にも順番があるのだな。

「宴もたけなわ」になると「無礼講」になるので、より楽しい気分になるが「無礼講」を真に受けて、行動すると「無礼者」になり大変な事になるので注意だ。

 楽しい宴会の時間は長くは続かない。

 幹事が「宴もたけなわでは、ありますが、終わりの時間が近づいております、自分の席にお戻りください」とアナウンスする。

 そして何故か「万歳三唱」、閉会の言葉で終わるが、自分の席に戻らず、若い女性教師から、なかなか離れない先生には、幹事が「○○先生、自席に戻ってください」と実名で、ピシャリと指導する。

 何事も幹事の指導力がカンジンだ。

 閉会の言葉の前に有能な幹事は「二次会の案内」をする。

 この「二次会」に管理職を誘うと、管理職は自分に人望がある思い嬉しいが、幹事の狙いは、二次会の経費を払わせる作戦だ。

 二次会が始まり間もなくして管理職にタクシーを呼んで早めに帰宅していただくが、二次会の経費もイタダク。

 最近はワリカンがジョーシキになり、上司から「奢ってもらう」こともなくなったが、昔は結構、上司にタカって飲んでいたな。

 自分が上司になったら同じように部下や後輩に奢ろうとは思っていたが、時代が変わり後輩もワリカン分全額払うので、内心助かった。

 上司と言っても、そんな高給でもないし、年齢的に家のローンや教育費で家計は大変だ。

 この場をかりて、奢ってくれた諸先輩方に感謝だが、その諸先輩も、残り少なくなって淋しい。

 職場の飲み会は歓迎会、忘年会、送別会が三大宴会で、その間に暑気払いや学校行事の反省会などなどだ。反省会で、反省はしないが飲み過ぎて反省することはシバシバあった。

 当時、どんなに飲んでも翌日は「這ってでも学校に来い。酒で仕事を休んではなりませぬ」というオキテがあった。

 二日酔いで、朝、保健室で寝ていたら、校長先生が来て「早退しなさい」と指導されたボクだが、古き良き昭和の時代に甘えていたな。

 今は酒気帯び運転で通勤して、交通事故でも起こしたら大変な事にな
るので、無理に職場に来させない。

 車で来なくても、酒気帯びで授業をして子供から保護者、そして教育委員会に通報されるとツライ。

 昔の忘年会は、宿泊して地元温泉旅館でやることが多かったので、ハメを外してハシャゲル。

 余興がつきもので、ふだん真面目で大人しい先生が豹変したりする。

「君子豹変す」だが「教師豹変す」だ。余興には「賞」があり、私も何度か個人的に表彰されたが、「酒宴男優賞」だな。

 教育界は、コロナ以前より「直行直帰」で、先輩や同僚と飲み会をすることが激減してるらしい。

「帰りにチョット一杯」なんてセピア色の「昭和ノスタルジー」だが「昭和ノス樽ビール」なんていうセピア色の生ビールはありませんから。

 (2021.7.17)アンブレラあつし

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