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その165

チヨちゃんの真実

 前号写真に表示された歌詞「♪チヨちゃん、待っててくれたかな」「♪そろそろ所帯を持とうかな」だが、ブログで強調したようにチヨちゃんは絶対に待ってはいないし、「そろそろ所帯を持とうかな」なんて、考えが「甘ーーーーースギる」スギタ玄白だ。

 チヨちゃんは、ニッセイのオバチャンが持ってきた「お見合い縁談」(間違いの無い方の紹介)によって、既に結婚し子供もできて幸せな家庭生活をしているに違いない。

 田舎の縁談で「間違いのない男性」といえば、収入で安定している役場職員か農協職員だ。

 アメリカCIA以上の情報通のニッセイのオバチャンが持ってきた縁
談話は二件あってイケメンの農協職員と真面目そうな役場職員だった。

 チヨちゃんは迷ったが、役場職員を選んだ。農協職員と結婚したら、生命保険やら車の保険やらJA系に変えなければならない。

 ニッセイの生命保険を解約してJA系にしたらニッセイのオバチャンが悲しむ。チヨちゃんは思いやりがあるな。

「♪モクセイの花、咲く頃は、故郷の顔思い出す」だが、簡単に都落ちして田舎に帰ってはいけない。

「故郷は遠くにありて思うもの、そして悲しくうたうもの」は室生犀星の詩だが、エネルギーはサイセイ可能でも、過去はサイセイ可能ではない。

 つまりそのチヨちゃんとはヨリは戻せない。ツーカ、チヨちゃんと所帯を持とうと本気で思ったのなら、安易に「夢」を求めて都会に行ってはいけなかった。

 地元の大学に進学し、間違いのない公務員か、地元の信用金庫または農協に就職して、チヨちゃんの住む町からは遠く離れてはならない。

 そして初任給を貰ったら、早速チヨちゃんに地元デパートで買った素敵なプレゼントをする。

 ボーナスを貰ったら頭金にしてローンでもいいから車を買い、週末はチヨちゃんと楽しいドライブだ。

 そしてドライブデートをある程度したら、キリがいいところでチヨちゃんの両親に「ご挨拶」する。

 そして「婚約」「結婚」と計画的、段階的に進行するのが、昭和の好青年の正しい生き方だ。

 仲人は職場の上司にお願いする。結婚式の新郎紹介では「新郎は○○学校を優秀な成績で卒業し、今の職場でも優秀な仕事ぶりで将来を嘱望されている好青年です」と、大袈裟に紹介してもらう。

 結婚式の余興では友人達が「てんとう虫のサンバ」を歌ったりするが、酒に酔った親戚のおじさんがオハコの「浪曲子守歌」「♪逃〜げた女房に未練ないが〜」と歌おうとしたりするので司会者は注意だ。

 司会者がしっかり進行しないと田舎の結婚式の披露宴は、オジサンやオバサンのカラオケ大会になって延々と続き、披露宴が疲労宴になる。

 チヨちゃんが式の最後に両親に感謝の挨拶をするが「今まで育ててくれてありがとうございました」なんて泣ける。

「泣ける」は英語で「クライ」、文字通り「クライマックス」だが、会場も照明をおとして暗いマックスになるな。

 新婚旅行は昔は国内だったら熱海や宮崎が定番で、駅のホームで「○○さん万歳」と万歳三唱するのが昭和の風景だ。

 たいてい大安吉日なので駅には他にも新婚旅行らしいカップルがいるが、チヨちゃん以外の美しいお嫁さんに目がくらんではいけない。

 新婚旅行が海外の時代になるとハワイやグアムだ。

 宅配がまだ普及してなかったので新婚旅行のお土産も手持ちだが、親戚や友人、職場に配る量がハンパない。

 ハワイ帰りは、皆、マカデミアンナッツチョコレートの袋を持っていたな。

 アロハシャツにレイの姿で帰宅するカップルもいるがヤりスギ、スギタかおるで、アロハより人生のイロハを学ぶ必要がある。

 私の個人的な「チヨちゃん」だが、早々と地元の「間違いの無い人」と結婚してしまった。旦那さんは農協職員らしい。

 私は「間違いの無い人」ではない人なので、彼女の選択は正しいが、この歳になっても忘れないのは未練があるのか。

 未練があっても彼女の顔はミレン。

 タイトル「チヨちゃんの真実」だが「真実ちゃんの真実」なんてのもきっとあるな。

「間違いの無い人」だが、実際は人生には間違いも失敗もきっとある。

 間違いや失敗も含めて、全ての事が人生の「真実」だ。

 (2021.4.24)アンブレラあつし

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