その149 |
♪海岸で若い二人が恋する物語…
♪裸で踊る、ジイーバー |
前歯の差し歯が抜けてしまった。
ハヌケでマヌケな顔になっている。抜けた差し歯があれば、すぐに歯医者に行って着けることもできるらしいのだが、どこで落としたかがよく分からない。
抜けたことに気がついたのが、たまに運動のために行っている室内プールの中だった。
プールの中で落としたのかもしれないと潜りながら探したが見つからなかった。入れ歯なら目立つが差し歯は一本で小さい。
66歳のGさんが、差し歯を探してプールの底を潜る姿は悲劇というより喜劇だ。
もしかしたら自分で差し歯を飲み込んだのかもしれない。
諦めて歯医者に行って診てもらったら、隣の歯も悪くなっていて、隣の歯も抜いて二本分の差し歯をブリッジでつくるしかないという。
「オーマイゴッドファーザー」なんてこった。パンナコッタ。
新車を買ったが、直ぐにぶつけて車体をヘコマセタ気分で気持ちも凹む。
マスクが常用の時代なのでハヌケは目立たないが治さない訳にもいかない。
歯医者通いが始まり、ハイシャ復活戦の日々だが、人生の敗者はハイシャ復活戦で敗者復活できるのか。
「抜歯」は痛くて辛く、明らかな「バッシング」だな。
体の調子を聞かれれば「悪いのは頭と顔だけ」と長い間、自慢してきた私だが、顔の中の、歯も目も耳もワルクなっている。
ツーカ、劣化、老化現象だ。
怪我や病気は救急車だが、体の劣化はレッカー車では運んではくれない。
レッカー車では運ぶのは故障車だが、私は以前より頭が故障しているな。
プールだがロンドンに住んでいた頃、娘を連れて近くの室内プールに行く事があった。
日本の学校は屋外プールがあり授業で水泳学習をするが、公立の義務教育学校で水泳学習を普通にするのは世界でも恐らく日本だけだと思う。
運動は地域のクラブ施設を利用する英国の文化のせいもあるが、公立の小中学校の施設は日本に比べ貧弱でプールはない。
また狭い講堂はあるが体育館もないことが英国では多い。日本人学校にもプールはなく水泳の授業はない。
日本に帰国して水泳ができないとコンプレックスになるという事もあり、スイミングスクールに通わせる親も多い。
スイミングスクールに行くと学校の保護者に会うので、私は地区の古い施設のプールに行っていたが、創立が戦前で驚く。
プールに更衣室はなく、プールサイドに一人用のロッカールーム兼更衣室が列になって並んでいる。
壁面はアラビア文様のタイル張りで、昔にタイムスリップしてような空間だ。
ある時、プールの中でインド人らしいオジサンが慌てたようすで私に近づいてきた。
指で自分の目を指さしているだが、なんと片目の眼球がないではないか。
インド人もビックリだが私もビックリだ。
身振り手振りインド訛りの英語をよく聞くと、どうやら義眼をプールでなくしたらしい。
驚いた私だが「火事場のバカジカラ」で必死になってプール底に潜り探した。
インド人はバチャバチャ泳法で、あれではプール底は探せない。
私は日本古来の平泳ぎでプール底に深く潜り、ついに彼の義眼を発見した。
彼に渡したら、その場で自分の目に義眼をいれ、インドの言葉で恐らく「ありがとう」と何度も言われたが、ヒンズー語を知らない私は「ナマステ」(こんにちわ)と返答するだけだった。
ガンジーのような顔したオジサンだったが、中国人かと聞かれたので日本人だと答えた。
ニンジャだと冗談を言ったら、ヒンズー語らしい言葉でせきをきったように話してくる。
これがボリウッド映画のハッピィーエンドの場面だったら、画面全体に男女が交代で現れインド音楽が流れて、独特の踊りが一斉に始まるのか。
いつまでもプールにいると彼の知人が、ニンジャ見たさに集まってきて踊り出しそうなので、早々に水遁の術で退散した。
インド人だが、若いインド女性のサリー姿はセクシーだ。身につける金色や銀色のアクセサリーも褐色の肌色によく似合う。
あの姿で目の前でボリウッドダンスを踊られたらイチコロナだな。
コロナが収まり海外旅行が元のようにできるようになれば、インドは行ってみたい国の一つだが、今はインド料理店でボリウッドダンス音楽を聴きながら、カレーとナン、ダンドリーチキンでも食べるしかない。
調理の仕事は、仕込みとダンドリをキチンとすることが大事だが、ダンドリー、キチンと言うメニューはありませんから。
インドは中国を上回る勢いで人口が増えているらしい。
今は米国と中国が覇権争いの時代だが、やがてインドが加わるのは時間の問題だ。
親米、日中友好、そして日印交流と、八方美人外交が八方塞がりの時代に必要だ。
なんて発泡酒を家飲みしながら考えているボクです。
「美少年」という名の日本酒があるが「八方美人」という日本酒はないのか。
以前のブログで二本松の酒に「大七」と「奥の松」を書いたが「人気一」と「千功成」もあるので、ヨロシクです。
岸波通信は日本中、いや世界中に読者がいるので、内容には公平性がなければならない。
ローカルネタの福島の町名、陣場町をズンバチョウと書いて一部ウケに満足してはいけない。
それにしても、ミス、ズンバのお二人のお嬢様の写真ウケル。
昭和の時代のミス・ズンバ。お二人の写真はコチラ↓
fumie女将とオチバさんです♪
当時のミス、ジンバも今はミセスで、ジン・バーバになっているのか。
「♪海岸で若い二人が恋をする物語、目を閉じて胸を開いて、裸で踊るジルバ」だが、若い二人も老齢化して、裸で踊るジイーバー(爺ー婆ー)は目の毒だな。
髪は既にヌケ、歯もヌケて、マヌケな顔で生きているが、タマシイがヌケるまではヌケヌケと生きるしかない。
(2020.9.12)アンブレラあつし |