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その148

ズンバでルンバ

 前号に続いて相撲の話だが、行司の軍配に審判員から異議がでる事を「物言い」と言い、協議して「取り直し」になることがある。

 この協議はビデオ資料も参考にして行われ、日本古来の伝統、相撲だが、なかなか民主的、科学的だ。

 最近になって野球やサッカー、ラグビーも必要に応じてビデオを用いるが、相撲は以前よりハイテクで革新的だな。

 ビデオ以前は「分解写真」なんて言う、パラパラ漫画みたいなコマドリ写真映像があって、ロボット的な動きをマネした昭和少年のボクだが、最後に土俵に転がる所のパラパラ動きはムリで、どんなに踏ん張って
も一気にこける。

 コマドリの時代はオシマイだが、コマドリシマイはまだまだ健在だな。

 相撲は物言いがついてトリナオシが出来ても、人生はいくら後悔してもトリナオシはできない。

 出来るのは「気」をトリナオシして前を向く事くらいだ。

 高齢化するとその気力も失せる。

 今更、よけいなコーカイなどしないで、残り人生の航海を風まかせ波まかせで行くしかないな。

 横綱の白鵬だが、しばしば立ち会いで「張り手」をし、横綱らしくないと指摘される。

「横綱らしくない」という反則技はないので、ビデオ判定も役にたたない。

 広大なモンゴル草原で馬を乗り回す勇壮なモンゴル族には、島国大和民族の小言など「馬耳東風」か。

 馬の耳を麻婆豆腐に入れると「麻婆馬耳トーフー」なんちゃって。

 馬を馬鹿にした悪いジョークだが、私には「馬の耳に念仏」で反省はしない。

「人馬一体」とか馬は人間に都合よく使われる。

 ジンバイッタイだが、かつて、福島市内のジンバ一帯には飲み屋が数多くあった。

 昔、夕方頃、駅前でオジサンに、「ズンバチョーにイギデンダゲンチョモ、ワガッカイ」と聞かれた。

  ←ぶわっはっはっは!葉羽

「ちょっと、解りません」と答えたが、あれば陣場町だったのだな。

 陣場町のスナックでホステスさんと踊ると「ズンバでルンバ」になるのか。

 私達より少し上の世代だが、広めのスナックやバーで、高齢のホステスさんと急にルンバやジルバ、チャチャチャなど踊り出す事があってビックリする。

「君子豹変す」で、年老いた猫のようにダラッと酒を飲んでいた高齢の頭の薄いオジサンが、突然、豹のようにフロアーを動き回る。

 フォ−クダンスしかできない私は、驚き、羨ましく見つめるだけだ。

 いくつになっても女性の前だとハッスルしてしまうのは、男の悲しいサガ県だな。

 団塊世代本流は遊び方も多様で芸達者が多いが、今はダンスも濃厚接触と非難される。

 ダンスパーティーだが、盆踊りは日本古来の婚活パーティーでもあった。

 僻地勤務していた時に、校外補導とかいって地区の盆踊りに見回りに行く。

 夜の八時を過ぎると子供盆踊りは終了で、児童生徒に帰宅するように指導するが、その後は「若連」という若者達の時間になる。

 盆踊りそのものが地区の「若連」の運営なので、制限なく深夜まで踊り続けるが、いつの間にかペアができて踊りの輪から消えていく。

 先祖の霊をマツル盆踊りは、子孫の若者達の集団見合いなのだな。

 先祖がいつまでも先祖でいられるのは、子孫が綿々と続くからで婚活は大事だ。

 子孫繁栄は最大の先祖供養だな。

 校外補導中、若連にマセタ女子中学生が口紅を塗り化粧して混じってるのに気づくが、こんな場で指導するのもヤボなので見逃す。

 阿武隈山系の山の中に小さな集落の盆踊りの赤い灯がゆれる。

 盆が過ぎれば、もう秋のキザシの東北の田舎だが、過疎化がさらに進み、あの集落も何年も前から盆踊りはやってないらしい。

 ツーカ、私が勤務した中学校も約十年前に隣町に統合移転してしまった。

 校庭に立てば、「夏草や、若者どもが、夢のあと」で淋しい。

 相撲の話から話題が脱線したが、もともと脈絡のない話なので脱線でもないか。勇み足くらいだな。話を相撲に戻す。

 各スポーツ中継は無観客から観客入場制限と工夫しながらの運営だが、相撲のテレビ中継はNHKが各場所、必ず中継するのがすごい。

 日本放送協会と日本相撲協会は、がっぷり組み合って互いに離さない関係だ。

 公共放送と国技が癒着してトーゼンだが、この際、さらに視聴率を上げるために、行司の額に小型カメラをつけ多角的映像放送をするのはどうか。

 音も収録して迫力をつける。土俵下の砂かぶりで観戦する以上のド迫力で、面白いと思うのだが、世間のまっとうな市民から物言いがつきそうだな。

 砂かぶりだが、テレビ中継画面をよくみると有名人がテレビによく映る。画面左下は有名人枠なのか。

 コロナでマスク着用が普通になると有名人捜しの楽しみが減るな。

 相撲には番付があるが、岸波通信も時々「番付」発表がある。横綱、大関は無理でも関脇くらいは目指したいが、セキワケでイイワケと叱咤されそうだ。

 (2020.8.29)アンブレラあつし

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