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その146

オリンピック行進曲

 コロナが無ければ、今頃、日本はオリンピック一色で国中大騒ぎだったはずだ。

 今年の一月、かつて同じ学校に勤務していた先生と偶然に会った。体育の体操が専門で、体操競技の審判資格も持っている先生だ。

 オリンピックの体操競技のチケットをゲットしたと自慢していた。さらに応募してチケットをさらに増やすと言う。

 東京の子供のアパートに滞在してオリンピックを楽しむと嬉しそうに話していた。

 私と同じ年齢なのだが、こんなにオリンピックを楽しみにしている人もいるのだな。

 体操競技もだが多くの種目で、会場で遠くから見るより、間近から、しかもビデオで何度もスロー再生されるテレビで見た方がいいと思うのは私だけか。

 会場で生で見る競技の迫力はテレビとは違うとは思うが、体操競技だけにテレビとは競技の臨場感が「ダンチガイ」平行棒なんちゃって。

 このギャグ、却下というより落下だな。

 ウルトラCは体操の技の難易度を表わす言葉だが、昭和の死語になりつつあって、令和の若者には「ウルトラCってオロナミンCの姉妹品
ですか」なんて言われそうだ。

 あの先生は今回の延期で失望しているのか。それとも来年の楽しみにして、さらに期待し夢を膨らませているのか。

 人生に必要なのは、夢と希望そして金だな。

 何事にも前向きな生き方は大事だが、来年のオリンピック開催も微妙で期待しすぎてはいけない。

 戦前のマボロシの東京オリンピックのニノマイになるとオシマイだが、歴史は繰り返す反復横跳びだ。

 反復横跳びは体力テストの種目で、時間内に何回往復したか競うのだが、止めの笛がなっても直ぐに終わらずに必ず一、二度加えて終わる輩がいる。

 そして記録者に「今の加えたよね」と念をおす。向上心は過度な競争心になり、不正の原動力になることもある。

 ドーピングはヤクブツで、選手生命がオダブツになる。

 過日、前の東京オリンピックの映画がNHKのBSで放送された。以前にも観た記憶があるが、今回自分にとって新しい発見があった。

 私のブログでも話題にしているマラソンの円谷幸吉だが、国立競技場でイギリスのヒートリーに抜かれ、三位銅メダルになってしまう。

 頭の薄いイギリス人に最後で抜かれてしまった事が大変残念で、あの時に円谷が後ろを振り返って、抜かれる前にスパートすれば二位でゴールできたと私は長い間思っていた。

 国立競技場のトラックに円谷は二位で帰ってきたが、観客の大声援で迫るヒートリーに気がつかなかったのも、急に抜かれた原因だと長い間、私は思っていた。

 しかし今回、実況アナウンサーの解説を注意深く聞いていたら、なんとヒートリーは当時のマラソンの世界記録保持者だったのだ。

 アベベは前回のローマ大会金メダルで当然の優勝だが、二位のヒートリーも記録的に世界一の実力者で無名の選手ではなく「炎のランナー」だった。

 ヒートリーのヒストリーがよく分からずにいた私が無知だった。

 無知は罪だが、無知の罰はムチウチの刑か。

「ムチウチ」が好きな人や「ムチウタレ」が好きな人もいるが「ムチウチ症」ではありませんから。

 ゴールしたアベベやヒートリーが、余裕シャクシャクだったのに対して、円谷はゴール後倒れて役員に支えられていた。

 例え、迫るヒートリーに気づいたとしても、あれ以上走る事はできなかったのだな。

 メキシコオリンピックを前にして「幸吉は、もう走れません」と遺書を残して、短い人生を彼は駆け抜けた。

 女子バレーボールの決勝は、対戦相手の旧ソビエトが粘り最後のセットがなかなか取れない。

 サーブ権も取り、あと一点の段階で実況アナウンサーが「金メダルポイント」と何度も繰り返す。

 当時テレビの実況中継を観ながら「金メダルポイントなんて言ったら、ますます選手は固くなって失敗するではないか、選手にプレシャーをかけるな」と子ども心にマジ思ったが、今になって冷静に考えれば、選手にはアナウンサーの声は届かないな。

 最後は相手のファール、タッチネットであっけなく決まってしまった。

 大松監督が女子選手にドーあげされたが、昭和Gさんの「監督」と言えば「大松監督」と「川上監督」しかいない。

「黒沢監督」っていう大監督もいたが、あんま映画観たこともないし、よくわからない。

 息子さんが当時のアイドルの林寛子と結婚したのは知っている。

「親の七光り」で、親が有名だと子供も大変だ。

 いわきはメヒカリが有名だが、眼光鋭い人をメヒカリとは言わない。

 オリンピック映画で一番印象的だったのが、開会式で当時の昭和天皇の前を各国選手団が行進する姿だ。

 19年前は敵国だった国々の選手が昭和天皇を見上げて行進している不思議な光景だ。

「平和の祭典」オリンピック、何回実施しても平和にはならない世界だが、やれるならヤッパ、やった方がいい。

 そして前代未聞のエコ、オリンピックにする。

 贅沢な選手宿泊施設は早く売却して、選手は会場近くにつくるテント村で自炊、会場には徒歩移動。経費は参加者の自己負担。

 アスリートファースト改め、アスリート、サード長島にする。

 もちろん行進曲は、再利用で前回の古関裕而の行進曲だべした。

 (2020.8.1)アンブレラあつし

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