前号で原田知世の「♪時をかける少女」を引用した。
「♪時をかける少女」はサビの部分で、歌い出しの歌詞は「♪あなた、私のもとから、突然消えたりしないでね」だが、原田知世みたいなカワイー子の前から、消えるようなバカな男なんているのか。
なんて考えながらブログを書いて送信した矢先、訃報の連絡が突然あり、友人のI君がこの世から消えてしまった。
「オーマイ、ゴッドファザー」。
歌詞の続きが「♪二度と会えない場所へ、一人で行かないと誓って」で、「こ、これって、まんまじゃん」超ショックだ。
彼から、昨年の九月に人間ドックで異常があり、手術になるかもしれないとメールがあったが、この歳になれば、どっか体に不具合があっても珍しい事でもないと軽く考えていた。
今年の一月には抗がん剤治療を受けているとのメールがあって、その時は驚いたが、詳しい症状など直接聞く事をためらってしまった。
「I君なら、きっと回復するよ」とメール返信したが、今になって思うと、あの時、電話して声を聞けばよかった。
昨年、夏の合同クラス会で会ったのが最後になってしまったが、I君は童顔で、「時をかけた少年」になってしまったな。
昨年の合同クラス会のことはブログでも話題にして「みんなが、それぞれに帰る姿を見て、もう二度と会えなくなる友人もいるなと思った」などとカッコつけて、達観したような事を書いたが、現実になってしまった。
I君とは小学校の一、二年と中学校の二、三年クラスが一緒だった。
運動も勉強もできた優秀な子で学級委員もやっていたと思う。
小学校一年の新クラスの学級委員は選挙でなく、先生がリーダーシップのある子を事前調査して指名する事が多い。
運動会ではリレー選手だし、各競技でも常に入賞し、入賞リボンをいつも胸につけていて、うらやましかった。
中学時代は野球部で、小さい体ながらも先輩方の速いボールを簡単に受けていて関心した。
高校の文化祭の仮装行列で、女子校の制服を着て女装した彼の姿が余りにカワイイので驚いた。
告別式に参加したので、友人から同級生で他に誰が参列したのかと聞かれることがあるが、この時期、みなマスクをしているので、誰が誰だかよく分からない。
アベノマスクだったら小さいので顔の輪郭から判断もできるが、皆、目だけを残して、ほぼ顔が隠れる大きめのマスクをしている。
かろうじて二名だけは、背格好から知人と分かって挨拶できた。
コロナが長引けば、今後マスクに名前を書く事が必要になる場合もあるのか。
冗談でも、私のマスクに福山雅治なんて記名はできないな。
遺族より弔辞を頼まれ、今となっては、私がI君にできることは弔辞くらいと読ませていただいた。
「Iちゃん、」と祭壇の遺影に語りかけたら、涙が出てきた。
それにしても、我クラスは物故者が六人目で多すぎる。これってクラスターではないのか。
天国でミニクラス会ができてしまうではないか。
男女混合だが六人制バレーボールチームもできてしまう。
I君は闘病生活をしながらも四月まで職場に通勤していたらしく、体調が悪い時は奥様が車で送迎したという。
昨年秋の時点でステージ4だったというが、彼らしく病気に向き合って抗がん剤治療をきちんと受けながら、最後まで諦めることなく生活をしていたと聞く。
彼は東京の証券会社に勤めていたが、長男という事もあったのか、第二の就職で地元の銀行で働くようになった。
小学校はフショーだが、私と違って親孝行でフショーな息子ではないな。
実家は渡利で、前号で話題にした阿武隈川や弁天山は、彼の子どもの頃の遊び場になった場所に違いない。
前号の話題といろいろと重なってしまって複雑な想いだが、私なりのI君への追悼ブログです。
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(2020.5.23)アンブレラあつし |