スポーツには様々な記録が付き物ですが、その数が圧倒的に多いのは野球、なかんずくプロ野球ではないでしょうか。
チーム、打者、投手に関してそれぞれ、試合毎、シーズン毎、そして通算の記録があります。
「プロ野球データブック」
この雑感を書くために1995年3月発行の宇佐美徹也著「プロ野球データブック」(講談社文庫)を紐解いてみましたが、文庫本ながら800頁を超える大著です。それだけ記録が多いということでしょうか。
今年4月にロッテの佐々木朗希投手が記録ずくめの完全試合を達成しましたが、その1つは1995年4月にオリックスの野田浩司投手がロッテ相手に記録した1試合19奪三振に並んだことです。
佐々木朗希の完全試合
ところで野田投手は新記録を達成しながら勝ち投手にはなれなかったのですね。
(※右写真参照)⇒
1-0の9回裏に追い付かれ、10回裏は投手交代していましたが、サヨナラ負けしていたのです。
オリックスのファンの方は「あんなに三振取らなくてもいいから、試合に勝ってほしかった」と思ったのではないでしょうか。私だったら、そう思います。
オリックスの野田浩司投手
でも1995年は阪神淡路大震災があった年で、オリックスは「がんばろう神戸」をスローガンにリーグ優勝を果たしました。
野田投手が19三振奪いながら試合に勝てなかったことは、ファンにとっては「そんなこともあったなぁ」と、ほろ苦い語り草になったのではないでしょうか。
佐々木投手は完全試合の次の登板でも8回まで完全に抑えていましたが、似たような記録が「プロ野球データブック」にありました。
1955年6月に完全試合を達成した近鉄(当時)の武智文雄投手は、8月の試合で9回1死まで完全に抑えていたと。
武智文雄投手
完全試合を2度達成した投手はいませんが、過去にも惜しい記録があったのですね。
ツーさん【2022.10.24掲載】
葉羽 武智文雄投手って、戦争で甲子園を奪われて特攻隊に志願した人物だよね。荒天で不時着するしかなく生きて帰って来た。そして、二度目の完全試合を目前にした9回ワンナウトでベンチからマウンドに伝令が走った・・「おい武智、無事に生まれたぞ、女の子だ!」。その直後に打たれて記録がフイになった。ドラマチックな人生だね。元気がある頃なら調査して「岸波通信」に書いてたところだ(笑)