吉村昭の小説「花渡る海」(中公文庫)に次のようなくだりがありました。
「江戸期の良質の酒は関西を中心につくられ・・・剣菱という商標の酒は銘酒としての名が高く珍重された・・・」。
「花渡る海」吉村昭
で、思い出しました。
大学に入学して間もなく立て続けにボート部コンパ(何故か誘われましたが入部はしませんでした)、クラスコンパと飲み会があり、ビールを飽きるほど飲まされ、以後ビールは飲めなくなりました。
実家では父が何本かのウイスキーを食堂に飾ってありましたので、どんなに美味しいのかとブラックニッカを買いましたが、全然美味しくありませんでした(買ったのが山崎とかだったら評価は違ったのでしょうが、学生でしたので)。
ブラックニッカ
で、唯一飲めたのが日本酒でした。
大学2年の頃からはビールもウイスキーも飲めるようになり、今ではお酒は何でも飲めますが、飲んでいて一番美味しい、味わって飲めるのは日本酒です。
大学3年の時に友人が「剣菱」を手に私のアパートに来ました。いわゆる灘の生一本(なだのきいっぽん)持参ですね。
剣菱
それまで飲んだ日本酒の中で群を抜いた美味しさでした。以後、よく近所の酒屋で買ってきては、飲んでいました。
時は流れ30代後半からは、新潟出張の折に飲んだ「〆張鶴」にはまり、50代だった長野県単身赴任の時には「天法」という地酒にはまりました。
50代になってから福島に帰った折に山形の酒「十四代」を飲む機会がありましたが、こんなに美味しいお酒があったのか!と思った記憶があります。
十四代
福島市唯一の地酒「金水晶」はふるさと納税の返礼品として、好んで飲んでいます。
そして「初孫」「飛露喜」「七賢」・・・美味しいお酒の思い出は尽きません。
ツーさん【2022.10.3掲載】
葉羽 福島の酒はどれも美味しいけれど、最初に開眼した末廣(できれば「玄宰」)をずっと愛飲している。その他では会津娘の濁りをキンキンに冷やして飲むと最高だね。