医者であった父は、医学書はそれなりに読んでいたようで、亡くなる直前にも、退院後に吐血すると「待合室の本棚のどこそこにある本を持ってきてくれ」と。
それを読んで自分で診断していました。
しかし、小説やエッセイなどを読んでいたことは私の記憶にはなく、遺品にあった本は、孫と一緒に行くために買ったディズニーランド案内本や晩年興味を持った歴史関係の本などでした。
ディズニーランド案内本
そんな父でしたが、ややまひろし(福島市出身の漫画家、著述家)のサイン入り著書が3冊、さらにややまひろし画の父の似顔絵もありました。
何故そんなものがあるのか不思議でしたが、もしかしたら父の患者だったのかと思い、父が遺していた来院患者記録ノート(私はPDF化して保存)を調べました。
確かに父の患者さんでした(本名の漢字名で記録がありました)。
ややまひろし画の父の似顔絵(筆者提供)
さらに愛川晶のサイン入り小説が置いてありました。そして鮎川哲也賞受賞の福島民報の記事のコピーが挟まれていました。
著者紹介には福島市出身、本名はS、私の3歳下とありました。
そこでピンと来たのが、愛川晶は私の福島の同級生S君の弟ではないか。
S君のお父さんと私の父は旧制中学時代の同級生で、著書はSさんからもらったのではないかと。Sさんは父の患者さんでもありました。
愛川晶著作本
S君と中学クラス会で会った時に「愛川晶は弟?」と訊くと、彼はうなずきました。
結構何でもまめに遺してくれた父ですが(おかげで遺品整理は手間暇掛かりましたが)、医学博士取得の博士論文は遺っていませんでした。
もぐりの博士ではなく、コピーの発達していない時代だったからと思いますが、コロナが落ち着いたら国会図書館に調べに行かなくては。
ツーさん【2022.9.26掲載】
葉羽 そうか、お父さんの博士論文が収蔵されてるんだね。ウチは親父やお袋の日記が出て来たけど、未だに開いていない。なんか怖い(笑)