吉村昭のエッセイ集「わたしの普段着」(新潮文庫)に次のようなくだりがありました。
「名前と言えば、長男と長女の名は、妻とあれこれと考えてつけたが、字画のことなど全く念頭になかった。語呂がよく、書き易い名前であればよいと考えただけである」。
「わたしの普段着」(新潮文庫)
それを読み全く我が家と同じようだと、子供の命名をした頃を思い出しました。
第一子長男が生まれた時、念のために実家に名前のお伺いを立てました。
電話に出た母は「うちは男の子の名前を3つも考えたのだから(私は3人兄弟)、もうあるわけないでしょう」と。
カミさんがテレビなどを見て良いと思った名前をメモしていて、さらに姓名判断の本を買っていました。
姓名判断
それらを参考に私は色々考えましたが、まず思ったのは、苗字が「辻」(正確には「一点しんにょう」。雑感 206)と一文字で画数も少ないので、画数の多い名前は避けて、上下バランスのとれている名前にすることでした。
幾つも候補を挙げ姓名判断してみると、どれもあまり良くありません。
で、私の名前はどうかと調べてみますと、天格、地格等々どれも全く良くなく、姓名判断的には最低でした。ならば姓名判断は私の名前よりも良ければよいかと。
結局Takahikoと名付けましたが、私の名前Masahiroと韻を踏んでいます。ちょっとした隠し味です。
画数運勢
長女の時も私なりに考えましたが、カミさんが「抱っこしたら、この子はKumiちゃんという感じ」と。でKumikoです。
今はやりのキラキラネームに比べると実に安直な命名ですが、2人とも幸せそうに暮らしていますし、それはそれで良かったかと。
葉羽 画数とか最初は気にしたけど、あまりに面倒くさいのでどうでも良くなったな。結果、ウチは拓郎と沙織と佑樹で、全員、当時人気があった歌手・俳優の名前になった(笑)