固有名詞の漢字はどう読ませてもよい、日本語って結構いい加減?なんて書きましたが(雑感 203)、先日とある小説を読んでいましたら、漢字本来の読み方ではない漢字の単語が沢山あることに気付きました。
花魁(おいらん)、香具師(やし)、五月蝿い or 五月蠅い(うるさい)、海月(くらげ)、泥鰌(どじょう)、紙魚(しみ)、河童(かっぱ)、母屋(おもや)、微笑む(ほほえむ)・・・。
花魁(おいらん)
どれもこれも読み方を知らなければ、その漢字本来の読み方は知っていても読めません。実はこれらは全て「熟字訓・当て字」なのですね。
ネットで調べますと「熟字訓・当て字:全3030種」なるものが載っていて、例えば兄さん(にいさん)、姉さん(ねえさん)も当て字なのですね。あにさん→にいさん、あねさん→ねえさん、何となく理解できますね。
熟字訓・当て字:全3030種
旧暦5月の蝿はうっとうしくうるさいので「五月蝿い→うるさい」、くらげが海に浮かぶ様は月のようで「海月→くらげ」なのですね。
「鰌」だけでも「どじょう」と読みますが、「泥鰌」の方がよりどじょうっぽいですね。
泥鰌(どじょう)
河(川)にいる童(わらわ)のような妖怪ということで「河童→かっぱ」、微(かす)かに笑う様なので「微笑む→ほほえむ」ですね。
敷地内にある中心となる建物が「母屋」ですが、なぜ「父屋」でなかったのか、不思議と言えば不思議です。元々の読み「もや」から来ているようです。
只管打座(しかんだざ:座禅)
只管打座(しかんだざ:ただひたすら座禅すること)から「只管→ひたすら」と読むが如く、当て字全般に実に的を射た漢字を当てていると思います。
日本語ってやはり味があるというか、趣がありますね。
ツーさん【2021.11.8掲載】
葉羽 いいものを読んだ。「葉羽詩集」の語彙を増やせそうだ(笑)